ザ・コミュニスト

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増税・高負担の時代に

2014-04-01 | 時評

いよいよ日本の資本主義が新しい段階に入る。それは、まず増税下での高負担という形で現れてくる。これに低賃金もしくは低年金が加わるかは、属している層次第で、まさに格差社会でもある。

庶民いじめだという怨嗟の声も聞こえてくるが、消極的にのみとらえるべきではない。資本主義は究極においては「庶民いじめ経済」なのだから、いよいよ本性をむき出そうとしているだけのことである。

こうした状況に対して、日本共産党のように弱者保護を高調する政党もあるが、古典的である。資本主義が弱者保護に意を用いた時代はもう過ぎている。福祉国家スウェーデンでも格差拡大が進む時勢である。

これからは、弱者が弱者のままではふるい落とされるだけである。賃金と年金に依存する時代は先月をもって終わったと割り切って、庶民も節約に加え、余剰資金で投資も試みるなど、「保護」に頼らない積極的な生計術を考えるべき時である。

しかし、そういう当面の現実対応策にとどまらず、資本主義経済の限界性を直視し、資本主義に代わる新しい経済社会と、民衆の意思がより直接に反映される政治制度の構想にも及ぶべき時の到来でもある。

そういう点からすると、共産党は資本主義政府に弱者保護を要求するばかりでなく、まさに党名どおりに、自らが構想する共産主義社会の実際を具体的に提示すべきではないか。

共産主義の看板を下ろしたのでない限り、共産党は資本主義の行き着く先について、他のどの政党よりも鋭く見通せているはずである。もしそうでないとしたら、共産党は社民党と合併すれば宜しい。


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