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世界共同体憲章試案(連載第4回)

2019-09-14 | 〆世界共同体憲章試案

第3章 原則及び構成領域圏等の地位

【第3条】

1.この機構及びその構成領域圏は、第1条の目的を達成するに当たっては、次の原則に従って行動しなければならない。

① この機構は、その構成領域圏間の地位の平等原則に基礎をおいている。
② すべての構成領域圏は、領域圏の地位から生ずる権利及び利益を構成領域圏のすべてに保障するために、この憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければならない。
③ すべての構成領域圏は、世界共同体がこの憲章に従ってとるいかなる行動についても世界共同体にあらゆる援助を与え、かつ、世界共同体の防止行動または強制行動の対象となっているいかなる領域圏に対しても援助の供与を慎まなければならない。
④ 各構成領域圏は、この憲章に反しない限り、その内政管轄事項に関しては、自主決定権を有する。

2.第1項各号の規定は、第4号を除き、汎域圏についても、これを準用する。

3.汎域圏は、地域ブロックとして、相互に競争的な関係に立ってはならない。

4.第1項各号の規定は、直轄自治圏についても、これを準用する。

[注釈]  
 本条は世界共同体とその構成領域圏及び汎域圏、直轄自治圏に適用される行動原則を列記したものである。これらの原則を遵守することにより、各圏域が対等な地位に立ちつつ、総体として世界共同体を運営していくことができる。

【第4条】

1.世界共同体における構成領域圏の地位は、この憲章に掲げる義務を受託し、かつ、この機構により所定の義務を履行する能力及び意思があると認められるすべての領域統治体に開放されている。

2.前項の領域統治体が世界共同体構成領域圏となることの承認は、汎域圏全権代表者会議(以下、「全権代表者会議」という)の勧告に基づいて、世界民衆会議‐世界共同体総会(以下、「総会」という)の決議によって行なわれる。

3.前二項の規定は、直轄自治圏についても、これを準用する。

[注釈]  
 世界共同体の構成領域圏または直轄自治圏の設定は、一定の領域を実効統治する領域統治体の申請に基づいて、世共による事前審査、全権代表者会議の勧告、総会の承認決議というプロセスを通じて行なわれる。

【第5条】

1.世界共同体各機関による防止行動または強制行動の対象となった構成領域圏または直轄自治圏に対しては、総会が、全権代表者会議の勧告に基づいて、構成領域圏または直轄自治圏としての権利及び特権の行使を停止することができる。これらの停止された権利及び特権は、総会がこれを回復することができる。

2.世界共同体各機関による防止行動または強制行動の対象となった汎域圏に対しては、全権代表者会議の決定により、当該汎域圏の全権代表者の資格を停止することができる。この停止された資格は、全権代表者会議がこれを回復することができる。

[注釈]  
 何らかの問題行動により、世共による防止行動または強制行動の対象となった圏域への制裁規定である。汎域圏の場合は、それ自体が世共の構成主体ではないため、全権代表者の資格停止が制裁となる。  なお、国連憲章では「憲章に掲げる原則に執拗に違反した国際連合加盟国」に対する除名するという最も厳しい制裁規定を設けているが、世共には除名という制裁はない。世共は、世界民衆の統合を重視するため、完全に排除する制裁は科さないのである。

【第6条】

世界共同体の構成領域圏は、この憲章に掲げる義務を履行する能力または意思を失ったときは、総会の承認決議に基づいて、世界共同体を脱退することができる。

[注釈]  
 世界共同体は、一度参加したら脱退することができないという拘束的な機構ではないが、正当な理由のない一方的な脱退を認めることは、機構の崩壊につながるため、総会による承認審査と決議とを必要とする。


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