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世界共同体憲章試案(連載第36回)

2020-06-27 | 〆世界共同体憲章試案

第23章 独立宗教自治圏域

【第124条】

1.世界共同体は、協約に基づき、特定の宗教組織または宗教的権威者が独立的に自治を行う圏域を認証することができる。

2.前項の認証は、各圏域が、その宗教上の教義に反しない限り、この憲章を尊重することを条件とする。

3.第1項の協約は、世界共同体総会で承認された後に、発効する。

[注釈]
 世界共同体による統治は最終的に地球の全域に及ぶが、一定の条件の下、例外として、宗教上の理由から世界共同体の外にあって独立して自治を行う圏域の存在が認められる。こうした独立宗教自治圏域は、都市の場合と一定の地域の場合とがある(そのモデル例として、拙稿参照)。

【第125条】

前条の協約が発効した後、世界共同体は、独立宗教自治圏域に特別駐在代表を置く。

[注釈]
 独立宗教自治圏域は、独立域とはいえ、世共との間に一定の外交関係を樹立するため、一種の大使として、特別駐在代表を派遣する。

【第126条】

1.独立宗教自治圏域は、世界共同体総会に一人のオブザーバーを派遣することができる。

2.前項のオブザーバーは、総会の審議に参加し、意見を述べることができる

[注釈]
 独立宗教自治圏域は世共の構成主体ではないが、総会にオブザーバーを派遣し、審議に参加する権利を認められる。

【第127条】

 独立宗教自治圏域は、この憲章を除き、世界共同体が締結した各種の条約に参加することができる。

[注釈]
独立宗教自治圏域は世共憲章が適用されない独立域ではあるが、憲章以外の各種条約の任意な締約主体となることはできるという趣旨である。

【第128条】

独立宗教自治圏域は、近隣の世界共同体構成主体との間で、共通経済協定を締結することができる。

[注釈]
 独立宗教自治圏域は通常、小都市または狭小な地域であり、自給的な経済活動を営むことは困難であるため、近隣の世共構成主体との間に共通経済協定を締結し、共通の経済計画の適用を受けることができる。

【第129条】

1.独立宗教自治圏域は、協約に基づき、その地位を放棄することができる。この場合には、第124条第2項の規定を準用する。

2.前項の協約に基づき、独立自治圏域の地位を放棄した都市は、近隣の世界共同体構成主体に編入されるか、世界共同体直轄自治圏となるかを任意に選択することができる。

[注釈]
 独立宗教自治圏域の放棄に関する規定である。放棄後の地位については、近隣構成主体への編入または直轄自治圏化のいずれかを選択する。


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