歌舞伎町の今は無き「コマ劇場」脇でひっそりと佇み、
歌舞伎町の移り変わりを40年間、
歌舞伎町の日なたも日かげも見てきた店。
5月15日(火)をもって、閉店いたしました。
自分にとっても小僧の頃からの
想い出や事件が凝縮されているような場所。
前日に閉店情報を知って、さっそく名残りに行って来た。
閉店だからって大騒ぎされるわけでもないだろうから、
店内はいたって日常的な様子。
「ラーメン」に「揚げ玉」をトッピングしてもらった。
良く言えばサッパリ。、
悪く言えば深みの無いラーメンには、
揚げ物を乗せる事でいい感じになるのだ。
だいたいの店では、
「ラーメンにかき揚げ乗せて~」と言うと、
「ヘッ?」という顔をされるものなのだが、
流石「後楽そば」!
中国人のお姐さんは無表情。
店内は、
ちょっと離れたカウンターで
あの「後楽そば」名物「3色セット」
(天ぷらそば、焼きそば、かやくご飯の3点セット)を
携帯で怒鳴りながらガハガハ言って喰らっている
スキンヘッズの見るからに「893」のオッサンとオレの二人っきり。。。
あまりにも殺伐としていて、ジ~ンときた。。。
殺伐としているから歌舞伎町。
何が面白いのか、
今の歌舞伎町には中国人観光客が徒党を組んで歩き回っている。
お前さんたちには刺激が強すぎるんだから、
ディズニーランドにでも行ってなさい!
たぶん、数年後には歌舞伎町も健全な街として開発されるのだろう。
しかし、
闇があっての日に当たる場所なのだ。
澱みの無い水には魚は住めないのだ。
今の歌舞伎町はダメだ。
危ないだけの街になってはダメだ。
だからと言って歌舞伎町を無くしてしまってはダメだ。
黙って消えていく「後楽そば」が
それを訴えている気がする。