前から見たかった作品
テレビ画面での鑑賞
ナチスによる迫害を避けるために田舎に疎開した少年が悲惨な目に遭う…
一言で言えばまさにそのものの何ですが、
人間の持つ残酷性が表面に出た、賛否両論も頷ける嫌な映画
私は良かったですよ
とにかく少年が辿る悲惨な出来事は全て人間がなせる事です
引き取ってくれたおばあちゃんが亡くなり、少年1人が転々とする中、町の人間にリンチに合い逃げた出し、更に首だけ出して地中に埋められカラスに突かれまくり、泥水の溝に放り込まられたりもする
老人を介護してるお姉さんに助けられたら、そのお姉さんはドのつくほど淫乱で性の道具みたいにされ、司祭に助けられて、預けられた先の男は小児性愛者だった…
とにかく少年が放浪する先は全て地獄と言う救いの無い映画だが、私はどんどん画面に引き寄せられてしまいました
それは次に彼がどんな目に遭うのか?と言う興味…この映画出てくる悪魔のような人達と同じやね
この作品は戦時下と言う特殊な状況で出てくる人間の残酷面が怖いくらい描かれる
少年を虐待する人間達はイカれた人間も居るが、中には普段は普通の生活してる平凡な人と居るだろうけど、そんな人間達も悪魔のような残酷の行為をしてしまう
そんな人間の怖さを感じさせる映画
殆どセリフを言わない少年がなすがままに流されていくその姿はホロコーストの恐ろしさを代弁してるようです
しかし、人間には簡単に死んでしまう人も居れば、この少年のように地獄の中でも幸運な事が続き生き延びていく場合もあります
それが良かったか悪かったのか…?てのはありますね
169分キツイ映画ですが、一度見ておきたい作品です
鳥に白いペンキを塗り鳥の群れの中に離すと、他の鳥が一斉に攻撃をして白いペンキ塗られた鳥を殺してしまうシーンが出てきますが、まさに異端の鳥のタイトル通りの場面ですね
この鳥を少年に置き換えられたのがこの物語という風に語られてるような場合で印象的
自分たちと肌の色や、または価値観、考え方の違った人間来たら排除すると言う人間の怖さがあります
また内容もさる事ながら映像が素晴らしいです
モノクロ映像から滲み出るような冷たさを感じさせ、白と黒の硬いコントラストの画質が余計に悲惨なドラマを際立たせる
そしてシネスコを生かした画面のフレームがいちいち決まっていて、映像で行われる残虐な仕打ちと裏腹に計算されたようなフレーミングに感動しました