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MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.122 「イングロリアス・バスターズ」 (2009年 152分 シネスコ)

2009-12-12 00:28:47 | 2009年劇場鑑賞
監督 クエンティン・タランティーノ
出演 ブラッド・ピット
   メラニー・ロラン  
   ダイアン・クルーガー



公開から2週間ほど経ってしまったが、いよいよこの秋の期待作を鑑賞です。
なんばパークスシネマはロビーこそ人出が多いように見えるけど、いざ館内に入ると平日の夕方ってこともあるのかしてガラガラです。
このタランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」数えれる程度・・・

(あらすじ)

1941年、ナチス占領下のフランスの田舎町で、家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)はランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)の追跡を逃れる。
一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊は、次々とナチス兵を血祭りにあげていた。
やがて彼らはパリでの作戦を実行に移す。



この映画は公開初日から4日間は面白くなかったら全額返金してくれるという画期的なシステムを導入していました。
ま、宣伝効果も狙ったんでしょうが、この作品を見終わった感想は凄く面白かった・・・でも返金してくれと思った人も少なく無いのでは?と言う感じかな~
タランティーノ作品は毎回の事だが好き嫌いが分かれると思います。
この作品も好みがわかれそう・・・

ブラピ率いる個性的なならず者集団“バスターズ”が悪事を働くナチを相手に胸のすくような活躍を・・・と期待するとチョイ期待ハズレかもね?
まず派手な戦闘シーンなんてほとんど皆無で、あるのはバスターズたちがナチの兵士の頭の皮を剥いだり、バットでボコボコに撲殺!(それをやるのが拷問ホラー「ホステル」の監督!)さらにはナチの股間に弾丸を撃ち込みまくる・・・と言ったバイオレンス描写ばかり。
「キルビル」で派手な人体損壊のオンパレードを見せてくれたタランティーノの本領発揮ゆえの賛否両論かも?

冒頭に流れるジョン・ウェイン主演の名作「アラモ」のテーマ曲から始まり、やがてフランスの田舎風景が映し出され、ナチスのジープがある家にやってくる・・・この辺の描写はタランティーノが好きなマカロニウェスタン調です。
このシーンで「エリーゼの為に」をモチーフにした音楽が流れるが、どこかで聞いたな~と思えば最近ケーブルテレビで見たリー・バン・クリーフ主演の「復讐のガンマン」の曲だった・・・以後マカロニウェスタンのサントラの曲が頻繁に流れるが、正直場面にあってないのもあるが、そこはタランティーノの強引なまでのこだわりを感じます。



ナチスに家族を殺された娘の復讐劇とバスターズたちのナチス大量虐殺とも言うべき極秘作戦が同時進行で描かれるが、不思議とクロスオーバーすることなく別々の人物たちがナチスという共通の標的に向かってクライマックスへ向かっていく2つのストーリーの映画と言った趣向。
特にバスターズ側はアクションよりも会話のシーンも多く、特に地下の居酒屋でナチスに変装したバスターズとナチスの兵士&将校とのやりとりは結構時間が割かれていてこのシーンを楽しめるか、または退屈と取るかはタランティーノ映画を楽しめるかどうかの踏み絵のようなシーンです。
また意外とスカッと爽快!って感じは感じなかったな~でも面白かったよ。

またランダ大佐を演じるクリストフ・ヴァルツの悪党ぶりは特筆もの!
彼の起用だけでもこの映画は成功してようなものですね。



☆☆☆☆ 2009.12.10(木) なんばパークスシネマ シアター1 16:55 B-6

No.121 「沈まぬ太陽」 (2009年 205分 ビスタ)

2009-12-07 00:17:43 | 2009年劇場鑑賞
監督 若松節朗
出演 渡辺謙
   三浦友和
   松雪泰子



この秋に公開された邦画の中でも最大の話題作がこの「沈まぬ太陽」です。
3時間25分と言う長い上映時間でしかも最近のでは珍しい10分間のインターミッション(休憩)が途中に入ると言う事で話題にもなってます。
遅ればせながらの鑑賞ですが、さすがに大分公開から日にち経ってるので観客は4人でした・・・

(あらすじ)

国民航空の労働組合委員長・恩地(渡辺謙)は職場環境の改善に奔走した結果、海外勤務を命じられてしまう。
10年におよぶ孤独な生活に耐え、本社復帰を果たすもジャンボ機墜落事故が起き、救援隊として現地に行った彼はさまざまな悲劇を目の当たりにする。
そして、組織の建て直しを図るべく就任した国見新会長(石坂浩二)のもとで、恩地は会社の腐敗と闘うが…



堂々たる骨太な日本映画を見た・・・ていう印象です。
尻ごみしそうな長尺な上映時間だが、まったく時間の長さを気にせず見れます。
ストーリーのテンポもいいし、何より無駄に長いのではなくそれだけ必要な長さがだからだと思います。
渡辺謙を筆頭に三浦友和や松雪泰子、香川照之、木村多江と言った最近の人気俳優に石坂浩二、宇津井健、加藤剛、小林稔侍・・・と言ったベテランなどの豪華な俳優たちが適材適所の役をこなし、作品全体を締まったものにしています。
また主人公の恩地の妻を演じる鈴木京香が恒に控え目ながら夫を支える妻の役を好演していましたね。
控え目な役からかどうかわからないが、あまり目立った鈴木京香のアップが無かったような気もする・・・

国民航空と言う事になってるが実在する日本航空であることは明らかですね。
墜落事故も御巣鷹山だし・・・この墜落事故を冒頭に持ってくるのは衝撃的です。
この事故をきっかけに日航という会社のずさんな組織としての体制が露わになっていくのだが、現在の日航が何故あんなに事になってしまったのか?と言うのが分かるような気が何となくしてしまいます。
政治との影の癒着などはまさにフィクションでありながらノンフィクションのドラマを見てるような真実味があり、まさに世相と合わせてタイムリーな1本ではないでしょうか?



この作品で中心となる恩地と行天の2人の男・・・共に会社の為に労働組合として上層部に何かと改善を求めて戦った2人なんだが、ある事がきっかけで同じ会社で居ながら全く正反対の道を歩むことになる。
一見、三浦友和演じる行天が悪役的な扱いに見えるのだが恩地同様、会社の為を思い彼なりに働いている・・・その行為についての良し悪しは別にして・・・恩地と行天のキャラが正反対にどんどんなっていく所を渡辺謙と三浦友和が気合いの入った熱演で見せてくれます。

10年にも及ぶ不当な海外勤務で会社に振り回されながらも気骨溢れる生き様と、会社の為に捧げる恩地のその精神はなかなか実際に真似出来るものではないけど、こんな人たちが高度成長の日本を支えて来たんだろうね~
そしてまたこれからも変わらずその生き様を続けていく姿をサバンナに沈む太陽に向かって走って行く恩地に見た気がした・・・沈まぬ太陽とはまさに彼自身の事かも知れない・・・



☆☆☆☆ 2009.12.3(木) 布施ラインシネマ10 シネマ4 18:30 G-10

No.120 「理想の彼氏」 (2009年 95分 シネスコ)

2009-12-05 00:46:38 | 2009年劇場鑑賞
監督 バート・フレインドリッチ
出演 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
   ジャスティン・バーサ  
   リン・ウィットフィールド



久しぶりに布施ラインシネマ10での鑑賞です。
夏と年末の恒例の会員特典である1000円鑑賞券が2枚送られてきたので早速それを使っての鑑賞です。
平日の夕方とはいえ観客は私を除いて1名だけ・・・寂しいね~

(あらすじ)

夫が長年にわたって浮気をしていたと知り、荷物をまとめてニューヨークにやって来たサンディ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)。
スポーツ・ジャーナリストになる夢を再び追うことにした彼女は、引っ越し先のアパートの下にあるカフェで働く青年アラム(ジャスティン・バーサ)と知り合い、ひょんなことからベビーシッターを頼むことに・・・



久々のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演のラブコメですが、思えばあまり彼女映画ではこういうラブコメってあまりないですね。
しかも15歳ほど年下の青年との恋愛を描いた作品・・・2人の子供を抱えて奮闘するシングルマザー役って私のイメージからすると、彼女にしては異色な役に思えるんだが、さすがに年齢的なこともあってか結構合ってますね。
その相手役のアラムを演じるジャスティン・バーサのお人よしなキャラもピッタリで、息の合った芝居を見せてくれます。

またそんな2人にそれぞれ何かと知恵を付ける友人が居るのはこういう映画ではお約束ですね~主人公2人とは得てして正反対のキャラだったりする・・・
サンディの2人の子供の可愛いげ(?)のある下品さも笑わせてくれます(特に女の子の方)

年齢差に関係なく2人の関係が上手く続くがある事がキッカケで思わぬ展開になる・・・このへんは年下の男性と付き合う女性側から見ての難しさというのが出ていたと思います。
でもこの映画は見終わって爽やかな後味の良さが残る映画でもありますね~
また同世代の女性が見るとそれぞれ見方がいろいろあったりするのかも知れませんね。



映画終わってから知ったけどアラムの父親を演じてたのはアート・ガーファンクル・・・名曲サウンド・オブ・サイレンスでお馴染みのあのサイモン&ガーファンクルのあの人ではないか・・・
えらいおじいさんになったね~全然気が付かなかったわ~

ところで「理想の彼氏」というタイトルの意味があまりこの映画の内容とは合っていないのも付け加えておこう・・・



☆☆☆ 2009.12.3(木) 布施ラインシネマ10 シネマ9 16:35 I-6

No.119 「笑う警官」 (2009年 122分 ビスタ)

2009-11-28 01:28:39 | 2009年劇場鑑賞
監督 角川春樹
出演 大森南朋  
   松雪泰子
   宮迫博之



80年代に映画界を席巻した角川映画。
「犬神家の一族」が角川春樹事務所第一回作品として公開されてから続々と映画が製作され、薬師丸ひろ子 原田知世 渡辺典子などアイドル三人娘を生み出した。
それぞれの主演作を二本立てで公開され、三人娘それぞれ歌う主題歌とともにスマッシュヒットしましたね。
そしてここ数年角川映画は作品の良し悪しは別にまだまだ健在で、今回は御大角川春樹本人が監督します。
たいてい失敗作品が多いと思いますが、さて今回はいかに・・・?

(あらすじ)

札幌市内のアパートで女性の変死体が発見された。
すぐに元交際相手の巡査部長・津久井(宮迫博之)に容疑が掛けられ、異例の射殺命令までも下される。
この一連の流れに違和感を感じた所轄の警部補・佐伯(大森南朋)は、信頼できる仲間とともに秘密裏に捜査を行う。
やがて、彼らは北海道警察内部に隠された闇に踏み込んでいくが…



思ってたより地味な映画でしたね。
ストーリーからすればサスペンスアクション的な雰囲気が感じられてたし、現に武装警官が大挙出動したりして、アクション的要素も結構あるかな?と期待もしました。
原作を読んでないから偉そうなことは言えないけど、多分・・・原作はもっと面白いんでしょうね。

展開としてついつい予想したクライマックスは武装警官で固められた裁判所前の道路を佐伯警部補と汚職事件の証人である津久井巡査部長が銃弾が乱れ飛ぶ中を強行突破!というガントレットなシーンを思い浮かべたがまったく違ったね~
まぁ、そんな映画ではないんだろうけど・・・
ご大層に武装警官が出動した割には結局何もしなかったね。
日本の警察はそう簡単には発砲しない・・・という意味ではリアルだったかな。

何となく展開が想像付いてしまったし、何より10時間チョイで事件を解決しなと行けないというタイムリミットがあるんだが、その割には緊迫感がイマイチ感じられなったです。
こういう映画にはもっとハラハラさせる展開がやはり必要です。
御大本人が脚本も書いてるようだが、ライターと監督が違ったらもう少し面白いものになったんではないかい?
やはり次回からはプロデューサーとしてお金だけだしてください。



割と良い役者を使ってるだけに惜しい映画ですね~
きっと原作は映画より面白いでしょうね。
しかしこれだけ北海道警察を悪の根源見たいに言われると道警も怒ったんではないでしょうかね~



☆☆ 2009.11.26(木) アポロシネマ8 スクリーン8 15:55 G-2


No.118 「ディセント2」 (2009年 95分 シネスコ)

2009-11-25 00:25:32 | 2009年劇場鑑賞
監督 ジョン・ハリス
出演 シャウナ・マクドナルド
   ナタリー・メンドーサ
   ダグラス・ホッジ



「2012」「イングロリアス・バスターズ」など秋の新作映画封切りラッシュのこの日に選んだのが天六ホクテンザ2で開催中の地獄絵図映画祭の作品。
数年前に公開された洞窟ホラー「ディセント」の続編です。
前作はたしか布施ラインシネマで見たと思うのですが、今回は天六一館だけでの上映でその期待薄さがうかがえる。
でも前作は意外と面白かったんですがね~

(あらすじ)

アパラチア山脈の洞窟探検に出掛けた女性6人のグループが行方不明になるという事件が発生。
そのうちの一人、サラ(シャウナ・マクドナルド)だけが血まみれの状態で生還する。
保安官(ギャヴァン・オハーリヒー)が残りの仲間たちの安否を尋ねるが、サラは意識が混濁していたため、救助隊はやむなく彼女を連れて洞窟に向かうが……



前作はあまり細かい部分は憶えてなかったんですが、見て行くうちに段々と記憶が蘇ってきました。
失敗が多いホラー映画の続編にしてはなかなか良かったんではないでしょうか?
とにかく血の量がここ最近のホラー映画の中ではかなり多い方ではないですかね。
久々にスプラッタームービーって言葉が頭をよぎりました。
生き残っていく登場人物がストーリーが進むにつれどんどんと血まみれになっていきます。
特に主役のサラを演じるシャウナ・マクドナルドはバケツをひっくり返したような鮮血の顔面シャワーを浴びまくり!
景気のいいスプラッタームービーを見たって感じです。

主役のサラは無事生還したにも関わらず生存者救出の道案内人に病院から迷路のような洞窟へ連れ戻されるという気の毒な設定だが、終始無愛想で可愛げもあったもんじゃないね。

そしてそんな捜索隊に襲いかから地底怪物の気持ち悪さもいいですね。
地底生物だけあって目が見えなくて、声だけで反応して襲いかかってくる。
その特長を生かした対決シーンなども後半出てきたりするけど、何よりも印象深いのがこの怪物がウンチするシーン!
かかんでお尻を穴に向けてブリブリ~とするシーンは笑った・・・しかもその穴の糞だまりに主人公たちが居る!



暗い洞窟だけに暗闇の中にスポット的な照明を上手く使い地底怪物が洞窟を徘徊する場面を巧みに見せる演出などもドキドキさせるには効果的でした。
きっとパート3があるな・・・そう思わせるエンディングもお約束!



☆☆☆ 2009.11.21(土) ホクテンザ2 22:30



No.117 「母なる証明」 (2009年 129分 シネスコ)

2009-11-23 00:41:26 | 2009年劇場鑑賞
監督 ポン・ジュノ
出演 キム・ヘジャ
   ウォンビン
   チン・グ



引き続きなんはパークスシネマにて鑑賞です。
久しぶりの韓国映画です。
しかも人気スター ウォンビンの復帰作品と言う事で話題が集まります。
しかしそれにしてはヒットしてないんかして、早いところでは今週末で上映が終わるとこもあります。

(あらすじ)

早くに夫を亡くして以来、一人息子のトジュン(ウォンビン)と静かに暮らすヘジャ(キム・ヘジャ)。
そんなある日、街で殺人事件が起こり、もの静かなトジュンが第一容疑者に。
事件の解決を急ぐ警察がトジュンを犯人と決めつけ、無能な弁護人も頼りにならない中、ヘジャは真犯人を捜し出し、息子の無実を証明しようとする。



オープニングで野原で思い詰めた顔のおばさんが一人・・・やがてJAZZ風の曲が流れるやおもむろに悲しげに踊りだす・・・意味ありげなオープニングからスタートするこの映画。
殺人の罪に問われた息子の容疑を晴らすべく奔走する母親の姿が中心に描かれていきます。

この母親がひたむきなまでの母性愛でハンディのある息子の無実を晴らそうとするんだが、その行動は段々とエスカレート!
当初は有能な弁護士を雇うも示談で片付けようとするや容赦なく解雇!
事件のカギを知ってそうな悪ガキを観覧車に監禁し、息子の悪友を抱き込んでボコボコにヤキを入れる!
ここら辺りからはもはや眼は完全にイッチャってます!
このオムニにはもう怖いもの無し!
そう思ってたら、彼女に取ってもっと恐れていたことが起きる・・・
終盤の切ないまでも無情な展開はこの母親の心情を思うと胸を掻き毟られる。

       

                  ★★★★★ネタバレ警報発令★★★★★★

                  見る予定の人はこの後は読まないでね














































無実を信じ、息子がやっとの事で思い出した事件現場に居た人物の家を訪ねた母親が知ってしまった現実・・・この人物が犯人ではと思って会いに行けば、皮肉にも真犯人どころか息子の犯行を裏付ける目撃者だった。
ショックのあまりヒステリックになりこの人物を惨殺してしまう。
息子を守りたい、無実だと信じたいという母親としての愛情が一線を超えた行動へ出てしまうんだが、更にツライのはその後、“居るハズのない”真犯人の逮捕の知らせ・・・その犯人に面会に行けば何と自分の息子と同様の障害者の男だった・・・

おかげで息子は無事釈放され以前のように親子で暮らすんだが、息子のように無実の罪で犯人にされた人間が居る現実の辛さ。
それでも愛する息子の為、だまってその人物に罪をかぶせてしまう・・・



真実を語り息子に罪を償わせるのも、息子の為かも知れないがこの映画はそちらの選択を取らず、そのまま黙って無実の者に罪をかぶせて終わる。
息子を守りたいと言うストレートなまでの表現が分かりやすいぐらい感じますが。息子の犯行の真実を語らず、更に母親自らの犯行をも隠し通してしまうんだが、母親が殺人を犯した現場で落とした持ち物を、息子が拾ってきてさりげなく母親に渡すシーンの母親の心情は辛いものでしょうね。
この母親は息子を守り通した代償に、自らの罪とそして息子の罪を一度に背負い込むことになるというのを象徴してるように感じた。

日本映画では思いつかないような凄い設定と展開の親子愛の映画です。
それもストレートすぎるほど人間の本音と言う物が伝わってくる・・・
罪と言う物は誰しも背負いたくないもの、もし誰か替わりに背負ってくれるのならそれに越したことはない・・・ただ、その相手がよりに寄って息子と同じ境遇の障害者の青年だったという事がこの母親に取ってまさに“無間地獄”のような苦しみを背負ってしまう。



☆☆☆☆ 2009.11.19(木) なんばパークスシネマ シアター11 18:35 D-17




No.116 「ホワイトアウト」 (2009年 101分 シネスコ)

2009-11-20 23:40:18 | 2009年劇場鑑賞
監督 ドミニク・セナ
出演 ケイト・ベッキンセイル
   ガブリエル・マクト
   コロンバス・ショート



本日もなんばパークスの二本だて。
まずはダークキャッスルエンターテイメントの作品です。
「ホワイトアウト」と言う作品ですが、あの織田裕二が出た「ホワイトアウト」とは勿論別物なんですが、タイトルになってるホワイトアウトと言う回りが真っ白になってしまう現象は出てきます。

(あらすじ)

アメリカ連邦捜査官のキャリー・シュテッコ(ケイト・ベッキンセイル)が南極での2年間の任務を終えるまで残り3日。
アイスピッケルで襲われた他殺死体が発見される。
南極大陸初の殺人事件捜査で、長い間氷の下に埋もれていた重大な秘密を知ったキャリーは、本格的な冬の到来までに殺人犯を探し出そうとするが……



主演が美形女優ケイト・ベッキンセールです。
冒頭からシャワーシーンのサービスカットが登場しますが、多分一部ボディダブルだろうな~と思うあまりサービスでもないか・・・

ダークキャッスルエンターテイメント作品にしてはホラー映画ではなく、ミステリーサスペンス的要素が強い作品です。
しかし出番は少ないけど防寒服にピッケルを持って襲いかかってくる殺人鬼はスラッシャー映画の要素がたっぷりですね。
ケイト・ベッキンセールとの攻防戦はまさに殺人鬼とヒロインの対決らしい図式だがホラー映画らしい場面はそれぐらいで、後は限られた空間と刻々と迫る時間の中での真犯人捜しがメインとなります。
特にドッキリさせるような演出は無く、普通のミステリーサスペンス風だが登場人物が限られてるだけに犯人の予想が容易についてしまうのはやや難点。

過去のトラウマを持った捜査官が過去と対峙し、この事件によって克服する。
しかしマイアミから南極って・・・また極端な場所に飛ばされたもんだ・・・
この映画に出てくる南極は嵐、嵐、また嵐で最近見た「南極料理人」とはまた感じが全然違う南極が描かれてます。



この過酷な状況で奮闘する女捜査官をケイト・ベッキンセールが熱演してるけど、今回は凍傷が原因で指を切断されたりして痛々しいシーンも登場・・・なんかこのシーンは見ていて自分の指がゾクゾクして力が入らなかったよ・・・このシーンが一番怖かった?!
怖い、怖いいつものダークキャッスルエンターテイメント作品を期待すると肩透かしくらうよ。



☆☆☆ 2009.11.19(木) なんばパークスシネマ シアター4 16:40 D-12







No.115 「SAW 6」 (2009年 95分 ビスタ)

2009-11-16 00:43:45 | 2009年劇場鑑賞
監督 ケヴィン・グルタート
出演 トビン・ベル
   コスタス・マンディロア
   ベッツィ・ラッセル



続いてこの日の三本目はシリーズ第6弾で毎年秋に公開されてるソウシリーズの最新作です。
場所は同じなんばTOHOシネマズですが、チケット売り場は平日レイトショーながら結構行列が出来ております。
「ソウ6」と言うよりお目当てはマイケルの模様!さすがまだまだマイケル人気は高いですね。
グッズ売り場もマイケルグッズを買う人が目立っていました。
そんな中「ソウ6」を上映してるスクリーンに行くとやはり寂しい入りですね・・・

(あらすじ)

FBI捜査官のストラムが死体となって発見される。
ジグソウ(トビン・ベル)の後継者はストラムではないかとの風評が広まり、ジグソウの事件が終結したかに見える中、ストラムの上司だったエリクソン(マーク・ロルストン)は捜査結果に疑問を抱く。
そして、ホフマン刑事(コスタス・マンディロア)に近づくが…



このシリーズは正直どこまで行くねん!と言った印象です。
衝撃の第一作から毎年秋に最新作が公開されてますが、短いスパンでの公開ながら作品としてなかなかの高いクォリティだと思ってました。
しかしさすがに前作あたりから、どうも無理があるように感じだしてきましたね~~作品としても落ちてきましたね。

そんな中で今回の「ソウ6」はどうかな?と思って鑑賞したら、やはりもうソウシリーズは限界かな~と思わずにはいられないですな。
ジグゾーが死んだ時点で終わってしかるべき作品なんだが、ジグゾーの後継者と言う無理からげにシリーズを存続させようとする設定はもう辞めて欲しいですね。 「ソウ7」は確定的だけに次回作で潔いい撤退をして欲しいです。
でもなんだかんだと当たるから次々作られるんでしょうな~

今回も次々とジグゾー(と言っても後継者だが)がゲームを仕掛けて来るんだが、さすがに6作目になると殺人ゲームの仕掛けのネタも尽きるのかして以前に使われた手口の応用で目新しさは無し・・・ただ相変わらずエグイ場面は多いので、そちら方面のパワーはまだまだ健在!?
前作でジグゾーが残した遺言の箱の中身が今回の焦点のようですが、何が飛び出すか楽しみだっただけにやや箱の中身の正体は期待ハズレでした。



ゾリットシチュエーションスリラーと言う言葉までも産みだし、類似作品がレンタル店を棚を埋めるぐらい色々と映画界に影響与えたシリーズだけに、終わってみれば何んちゃってシリーズになってしまった・・・ってならないうちにそろそろ決着付けて終わってほしいもんです。



☆☆☆ 2009.11.12(木) なんばTOHOシネマズ スクリーン6 21:15 B-9

No.114 「スペル」 (2009年 99分 シネスコ)

2009-11-15 00:43:12 | 2009年劇場鑑賞
監督 サム・ライミ
出演 アリソン・ローマン
   ジャスティン・ロング
   ローナ・レイヴァー



新世界からなんばに移動し、ガラリと環境が違うなんばTOHOシネマズでの鑑賞です。
やはりタバコや尿臭い劇場からこちらに来るとかなり身体がリフレッシュされた気分ですね~
ここで見るのがサム・ライミ監督の久々のホラー映画「スペル」です。
彼がプロデュースするゴーストハウス・ピクチャーズの作品でロバートゼメキスのダークキャッスルエンターティメント同様気合いの入ったB級ホラーを毎回提供してくれてます。

(あらすじ)

ライバルに勝ち、銀行で昇進したいクリスティン・ブラウン(アリソン・ローマン)は、上司に仕事ができることをアピールする必要に迫られていた。
そこへ、ジプシー風の老人(ローナ・レイヴァー)が不動産ローンの延長願いを申し出る。
クリスティンが拒否すると、老人は態度を豹変。敵意をあらわにし、クリスティンに飛びかかる。



「スパイダーマン」シリーズの成功ですっかりハリウッドメジャー監督となったサム・ライミだけど、やはり「死霊のはらわた」が原点と思ってる者にしてはホラーへの帰還を喜ばしく思いますね。
この映画でインパクトが強いのは不死身の老婆ですが、私が思ってたほど出番が少なめでしたね。
でも登場シーンは不快なまでのインパクトを与えてくれていいですね。(いかにも汚いネバネバの粘着系てのも◎)
とくに主人公との駐車場での格闘はサムライミらしい笑いの入ったシーンとなりこの映画のハイライトの一つになります。
突然画面に現れでドキッとさせながらも、そのあまりのタフネスさに笑ってしまう。
でもこの老婆のキャラは相当強烈で、スピンオフムービーを作ってもいいぐらいです。
ジェイソンやフレディ、マイケル共々ニューホラーキャラクターの誕生です。

他のシーンでも死体の眼の玉が飛び出て顔面に引っ付いたりエグイ中にも笑わせる所は「死霊のはらわた」から変わらないサムライミらしさですね。
最近のホラー映画では音響でドキッとさせる演出が多いんですが、この作品でもでかい音でビビらせてくれます。
何となくあざとい感じであまり喜ばしくない傾向ですね。
少しぐらいならまだしも明らかに目立つのは興ざめです。



この映画はラストに場内が戦慄する仕掛けが用意されてるようですが、ホラー映画を見馴れてるものにしては予想が付くし、そこまで驚きはしませんでした。
サムライミ監督のホラー復帰(?)作品にしてはなかなか面白かったし、お約束的展開もあったりしてマニアも納得の1本でした。



☆☆☆ 2009.11.12(木) なんばTOHOシネマズ セレクト 18:50 B-4

No.113 「ブラック・ウォーター」 (2007年 ビスタ 89分)

2009-11-14 00:14:30 | 2009年劇場鑑賞
監督 アンドリュー・トラウキ
出演 ダイアナ・グレン
   メイヴ・ダーモディ
   アンディ・ロドレーダ



久々に新世界国際劇場への鑑賞!
見逃していた「ブラック・ウォーター」が上映されているので、新世界の地に足を踏み入れたのですが新型インフルエンザが流行する中、もっとも危険な場所の一つであるこの国際劇場に行くに際しマスクは必需品です。
上映ギリギリに到着し、館内に入ると例によって下手な平日のシネコンより、観客の入りは相変わらずよい。
名物(?)ホモオッサンによる痴漢行為を避けるために、通路際で前方エリアを選んでの鑑賞です。

(あらすじ)

北オーストラリアへ休暇を楽しみに来たグレース(ダイアナ・グレン)と恋人のアダム(アンディ・ロドレダ)、そしてグレースの妹リー(メイヴ・ダーモディ)は広大なマングローブが生い茂る沼地で釣りを楽しんでいた。
そして、突然何かがボートに直撃して全員が川の中へ放り出されるが、それは巨大なクロコダイルの仕業だった。



この映画はどこからどう見ても天六シネ5ビルテイストな映画なのに大阪ではシネリーブル梅田と言う場違いでお洒落な劇場での公開でした。
今回の新世界国際はまさにこの映画的に相応しい劇場ですね~
オーストラリアで実際に起こった事件がモデルになってるらしいが、野生のワニに襲われていうのはさすが「クロコダイルダンディ」を産んだお国だけの事はあると思います。
まず呆気なくガイドが死に生き残った三人が木の上に登り、ここから見えないワニの恐怖に怯える主人公たちのドラマが進行していきます。

少ない登場人物と川と木とワニ・・・派手な小道具など出てこないけど、木に登って避難した主人公が川の中に居るワニの恐怖に怯えるというシンプルな設定だが、それだけでも充分恐怖が伝わる。
川のどこかにワニが居るかも知れないというサスペンス1本でラストまで引っ張っていくのはどことなく「オープン・ウォーター」を思わすものの、時折で姿を現すワニが意外と迫力あるのは特筆。

こういう映画でのワニはいかにもCGワニ(しかも低予算の安っぽいアニメのようなCG)という感じで無駄に不必要な動きを無理やりして迫力を出そうと無駄な努力するんだが、この映画のワニは水面からヌ~と顔を出す佇まいは相当リアル!
たぶん本物のワニを一部使ってるんだろうけど、でも木にしがみ付く人間をジャンプして襲いかかろうとする場面や、人間を咥えて姿を現す場面など、ドキッさせられる場面もありワニ映画にしては近年の中では出色の出来ではないですか。



実話らしいシンプルなドラマでありながら適度に映画らしい見せ場を用意し、ラストも映画的に決着付けてくれるので、意外と拾いもの的な作品です。
ヒロインもB級なりに可愛いのも付け加えておこう・・・それと上映中出入りが頻繁にあり、普通に私語が聞こえてくる環境の中での鑑賞であったことも付け加えておこう。



☆☆☆ 2009.11.12(木) 新世界国際 15:50