⑪「聖堂模型の変遷 窓と採光」の続きです。
二重ラセン造形
ガウディには常に複雑にする傾向がある。しかも複雑にしたうえでシンプルにしようとする。その好例がラセン柱であり、初期の段階からこの造形に執着していた。
このねじれ柱はバロックの特徴だが、ソロモン柱とも言うように古代から存在する。この古き建築言語をねじれなしの無回転、右回転、左回転、そして左右両回転の二重にねじらせて造形を複雑にする。この複雑な二重ラセン造形から最も単純な円柱を生み出すというマジックをガウディはこの聖堂で実現しているのだ。
左ページ
左:バルセロナ大聖堂
クリプタ(地下礼拝堂) 聖エウラリアの石棺
右:サグラダ・ファミリア聖堂
ロザリオの扉口採光塔 内部の転び柱
右ページ サグラダ・ファミリア聖堂
上中:降誕の正面 内部側ギャラリーの柱頭模型 (複製)
中左:降誕の正面 内部側ギャラリーの柱頭模型 (複製)
中右:回廊の円柱柱頭模型 (複製)
下中:降誕の正面 内部側ギャラリーの柱頭模型 (複製)
カサ・ミラ 屋上の煙突 換気塔 階段塔 給水塔 1906ー10
左ページ
左:屋上の双体煙突 (複製) 1984―85年
中:屋上の単体煙突 (複製) 1984―85年
右:屋上煙突 ラセン曲げ
右ページ
左:屋上の換気塔 (複製) 1984―85年
中:屋上換気塔 二重回転+孔
右上から
屋上階段、給水塔、無回転
屋上階段、給水塔、ラセン回転
屋上階段、給水塔、二重ラセン回転
屋上階段、給水塔、二重ラセン回転
サグラダファミリアの円中円柱から二重ラセン柱へ
初期のネオ・ゴシック案では単純な円筒の円柱でした。
1917‐18年頃の「平曲面」導入時には一方向のラセン柱、そして最終案で二重ラセン柱になった。すべての柱は柱礎の断面をパラボラ先端部の星形とし、12星形を中央大塔の交差部柱、10星形を福音書作家塔の柱、8星形を主身廊柱、6星形を側廊柱にあてた。
右ページ
左:正方形角柱ラセン柱
中:二重ラセン柱(6星形)
右:二重ラセン柱(4星形)
右:主身廊円柱模型
スケール1:10(複製)
4種類の二重ラセン柱
4種類の二重ラセン柱:左から
1.側廊円柱 (6星形 高さ12m)
2.主身廊円柱 (8星形 高さ16m)
3.福音書作家塔円柱 (10星形 高さ20m)
4.中央塔円柱 (12星形 高さ24m)
主身廊柱の8星形の半分(4m)の高さで1回転させると倍の16星形、次に4/2=2m上の6mの高さでもう1回転させると倍の32星形に、16mの高さまで続けるとその断面は円型になることを発見。
星形先端部の交差で生まれる稜線が縦溝となって現れ、上に行くに従い稜線が増大し最後には消えて円柱となる。
二重ラセン円柱
左ページ
左:側廊円柱模型 2005‐10年
右:主身廊円柱模型 2005‐10年
右ページ
上:二重ラセン円柱の雌型 1920‐26年頃
下:主身廊8星形二重ラセン円柱 柱頭模型
左:主身廊8星形二重ラセン円柱
右:主身廊円柱の柱頭模型
スケール1:10 1918年‐22年頃
「ガウディとサグラダ・ファミリア聖堂展」で見た複製の数々が、図録を見ていると思い出されます。
二重ラセン造形
ガウディには常に複雑にする傾向がある。しかも複雑にしたうえでシンプルにしようとする。その好例がラセン柱であり、初期の段階からこの造形に執着していた。
このねじれ柱はバロックの特徴だが、ソロモン柱とも言うように古代から存在する。この古き建築言語をねじれなしの無回転、右回転、左回転、そして左右両回転の二重にねじらせて造形を複雑にする。この複雑な二重ラセン造形から最も単純な円柱を生み出すというマジックをガウディはこの聖堂で実現しているのだ。
左ページ
左:バルセロナ大聖堂
クリプタ(地下礼拝堂) 聖エウラリアの石棺
右:サグラダ・ファミリア聖堂
ロザリオの扉口採光塔 内部の転び柱
右ページ サグラダ・ファミリア聖堂
上中:降誕の正面 内部側ギャラリーの柱頭模型 (複製)
中左:降誕の正面 内部側ギャラリーの柱頭模型 (複製)
中右:回廊の円柱柱頭模型 (複製)
下中:降誕の正面 内部側ギャラリーの柱頭模型 (複製)
カサ・ミラ 屋上の煙突 換気塔 階段塔 給水塔 1906ー10
左ページ
左:屋上の双体煙突 (複製) 1984―85年
中:屋上の単体煙突 (複製) 1984―85年
右:屋上煙突 ラセン曲げ
右ページ
左:屋上の換気塔 (複製) 1984―85年
中:屋上換気塔 二重回転+孔
右上から
屋上階段、給水塔、無回転
屋上階段、給水塔、ラセン回転
屋上階段、給水塔、二重ラセン回転
屋上階段、給水塔、二重ラセン回転
サグラダファミリアの円中円柱から二重ラセン柱へ
初期のネオ・ゴシック案では単純な円筒の円柱でした。
1917‐18年頃の「平曲面」導入時には一方向のラセン柱、そして最終案で二重ラセン柱になった。すべての柱は柱礎の断面をパラボラ先端部の星形とし、12星形を中央大塔の交差部柱、10星形を福音書作家塔の柱、8星形を主身廊柱、6星形を側廊柱にあてた。
右ページ
左:正方形角柱ラセン柱
中:二重ラセン柱(6星形)
右:二重ラセン柱(4星形)
右:主身廊円柱模型
スケール1:10(複製)
4種類の二重ラセン柱
4種類の二重ラセン柱:左から
1.側廊円柱 (6星形 高さ12m)
2.主身廊円柱 (8星形 高さ16m)
3.福音書作家塔円柱 (10星形 高さ20m)
4.中央塔円柱 (12星形 高さ24m)
主身廊柱の8星形の半分(4m)の高さで1回転させると倍の16星形、次に4/2=2m上の6mの高さでもう1回転させると倍の32星形に、16mの高さまで続けるとその断面は円型になることを発見。
星形先端部の交差で生まれる稜線が縦溝となって現れ、上に行くに従い稜線が増大し最後には消えて円柱となる。
二重ラセン円柱
左ページ
左:側廊円柱模型 2005‐10年
右:主身廊円柱模型 2005‐10年
右ページ
上:二重ラセン円柱の雌型 1920‐26年頃
下:主身廊8星形二重ラセン円柱 柱頭模型
左:主身廊8星形二重ラセン円柱
右:主身廊円柱の柱頭模型
スケール1:10 1918年‐22年頃
「ガウディとサグラダ・ファミリア聖堂展」で見た複製の数々が、図録を見ていると思い出されます。