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黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ぜんぶの後に残るもの』川上未映子(新潮社)

2013-12-25 | 読了本(小説、エッセイ等)
震災についてのあれこれ思うこと……“地震のあとで”、
三島由紀夫、オールフリー、ピーナッツ……“感じることなど”、
ストレスによる不調について、スーパーのおばさんについての誤解、キンモクセイの匂いからくる頭痛……“からだの記録”、
プールにまつわる母とのエピソード、トイレットペーパー・ホルダーについて、絨毯のこと……“召しませ、大阪”、
写真について、ネット空間について、字を書くことについて……“言葉はふくらむ”、
犬のこと、飛行機のこと、うまのこと……“けもの、動くものたちに”を収録。

エッセイ集。
最初に震災について書かれてあるほかは、わりといつものエッセイと変わらない雰囲気かな。

<13/12/24,25>


『ようこそ授賞式の夕べに 成風堂書店事件メモ邂逅編』大崎梢(東京創元社)

2013-12-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
年に一度のイベント、書店大賞授賞式の当日。成風堂書店に勤める杏子と多絵は、今回初めて授賞式に参加することになり期待感でいっぱい。
ところが会場に出かけようとしていた矢先に、同じ授賞式に参加するために上京してきた福岡の書店員・佐々木花乃が、“書店の謎を解く名探偵”に会いたいと成風堂にやってきた。書店大賞の事務局に届いたという不審なFAXの謎を彼女たちに解いて欲しいのだという。
どうやら「飛梅書店」という書店が関わっているらしいのだが、その書店は八年前に主人の死亡により閉店。その主人が書店大賞の立ち上げに尽力した人物であったという。
一方、明林書房の新人営業マン・井辻智紀もまた、ひょんなことから既知である他社の営業マン・真柴とともにその謎を追うことに……


“成風堂書店事件メモ”“出版社営業・井辻智紀の業務日誌”の2シリーズのコラボ(細かくいうともうちょっと細かい部分もリンクしてたり…)。
どちらのシリーズを読んでいるヒトには楽しい一冊ですね。

<13/12/20,22>

『キウイγは時計仕掛け』森博嗣(講談社)

2013-12-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
M県の県庁職員となった加部谷恵美。学生時代に関わった論文に絡む発表が建築学会で行われることになり、彼女も会場である箱根の日本科学大学へ。テレビ局に勤めている友人・雨宮純も同行し、旅館でくつろぐことにする。
学会には上級生であった山吹のほか、研究者である西之園、犀川、そして海月らも出席しており、再会を果たす。
ところが大学の学長が何者かに射殺されるという事件勃発。事務局にはプルトップが刺さったキウイが送りつけられていたという。さらに副学長で、学会の運営委員長であった蔵本も亡くなり……

Gシリーズ9作目。前作から数年経過、加部谷は県庁職員になったりしてます。
事件は起こっているものの、何かこう、ミステリというよりは、ゆるやかにアンチミステリっぽい雰囲気を感じます。

<13/12/7,10>

『まほろ駅前狂騒曲』三浦しをん(新潮社)

2013-12-09 | 読了本(小説、エッセイ等)
まほろ市の駅前で便利屋を営む多田啓介と、彼のもとに居候している高校時代の同級生・行天春彦。
いつも通り、町の人々の依頼を受けて雑事を引き受ける多田は、まほろキッチンの社長である亜沙子の存在が気になっている。
ある日、行天の元妻である女医・三峯凪子が渡米することになり、その間、娘の「はる」を預かることになってしまった多田。子ども嫌いである行天を何とかごまかしつつも、彼女との共同生活をはじめたふたり。
ところが最近まほろに現れた無農薬野菜販売の団体にかかわる騒動に巻き込まれ……

シリーズ第三弾。完結編…っぽい。
行天の過去が明らかにされたり、亜沙子さんとの関係に進展があったり、老人たちが暴走したり、はるちゃんが可愛かったりいろいろ見所(読みどころ?)満載ですが、駅のロータリーにみんなが集結しちゃうところのドタバタっぷりがまさに狂騒曲な感じでした(笑)。

<13/12/8,9>

『女子漂流 うさぎとしをんのないしょのはなし』中村うさぎ/三浦しをん(毎日新聞社)

2013-12-06 | 読了本(小説、エッセイ等)
浪費、整形、ホスト 女の業を体現し続ける作家・中村うさぎと、女戦線からの離脱を切に願う隠遁女子作家・三浦しをん。
それぞれに女子校で学んできたふたりは正反対のものを求め、選びつつも、女という生き方の生きづらさに悩み、語る対談本。

なかなか興味深い一冊でした。
わたしはしをんさん寄りですね~(笑)。

<13/12/6>

『夏の入り口、模様の出口』川上未映子(新潮社)

2013-12-05 | 読了本(小説、エッセイ等)
恋人の浮気を直感ピッコン!で突き止めた日、仕事に関してお金の話が出てこない業界の不思議、血まみれタクシー運転手がくれた物、襟足から下の方まで「毛」へのこだわり、午前二時の恐怖体験、冷蔵庫のハムスターにまつわる考察、缶詰のための逗留を断られる話等々を綴ったエッセイ集。

雑誌媒体で発表されたエッセイのせいか、「発光地帯」より文章としてまとまっているような気がします。
くだけた口語で書かれてるのは一緒ですが(笑)。

<13/12/5>

『やさしいぴあの』嶋田さくらこ(書肆侃侃房)

2013-12-01 | 読了本(小説、エッセイ等)
おとうふの幸せそうなやわらかさ あなたを好きなわたしのような
魔法瓶に一晩泊まってゆくといい 銀色のお湯になれる幸福
くるくるとまいちれくるいざくさくららんらんきみのめのなかのはな
世界には言いたいことがなくなって雪になれない雨あたたかい
冒険が終わった先を記さない本の作者のような恋人
ぴあのぴあのいつもうれしい音がするようにわたしを鳴らしてほしい
表札になまえ書かれてかわいそう どこにも行けないたましいのこと
すき<pause>やっぱりきらい<pause>でもやっぱり<pause><pause><pause>言わない
便覧のもくじが好きで小説をいちばん終わりから読んでいる
みぞおちに猫をいっぴきのせたまま眠る夜明けは少しつめたい

新鋭短歌シリーズ。
素直で素敵な女性の姿が垣間見えます。
恋する女性らしい、やわらかでかわいらしい歌が満載で、ほわほわしますね。
あまり短歌を読みなれてない方にオススメするなら、まずここから!という感じ。

<13/12/1>

『冬虫夏草』梨木香歩(新潮社)

2013-11-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
亡き友人・高堂の生家の家守をしている文士・綿貫征四郎。いつも通りすこし不思議な環境に取り巻かれながら執筆に勤しむ毎日。
そんな中、賢い愛犬のゴローが行方知れずになり半年が過ぎ、彼を目撃したという話をたよりに…イワナ夫婦の営む宿にも惹かれつつ…鈴鹿山中へと出かけてゆくが……

『家守綺譚』の続編。今回は、突然いなくなってしまったゴローを綿貫が探しに出かけるお話。
前作同様、ちょっとほのぼのと、ゆるやかな時間の流れと空気が良いですね♪

<13/11/27,29>

『シュークリーム・パニック 生チョコレート』倉知淳(講談社)

2013-11-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
仕事も見つからず、家賃の滞納や借金の取立に追い詰められている男は、ある日、競馬の馬券売り場で、サクラダと名乗る関西弁の男に声をかけられる…銀行強盗をやらないかというのだ。
悩んだ末にその誘いに乗ることにし、スプリンターとレスラーという他のふたりの仲間と引き合わされる。その襲撃は、何故かそれぞれに現地集合することになり……“現金強奪作戦!(但し現地集合)”、
バーでひとり、酒を飲んでいた私は、ひとりの紳士に声をかけられる。
自分と賭けをして欲しいと持ちかけられた私はその誘いに乗り、酒を一杯奢ってもらう。
ところがその後も次々と次の賭けを持ちかけてくる紳士。次第に賞品も豪華なものになっていく中で勝ち続ける私。紳士の目的とは……“強運の男”、
高校2年の夏休み…受験勉強を前に、羽を伸ばしてすごせる最後の夏に、親戚から撮影用機材を譲って貰ったこともあり、友人の拓真とともに自主映画を撮影することに。
ヒロインは、僕が以前から気にしていた同級生の百合川京子。百合川の親友・新田、裏方志望の女子・乾のメンバーで撮影を開始、順調に撮り進んだ最終日、百合川が突然姿を消し……“夏の終わりと僕らの影と”の3編収録。

前2編は短編、「夏の~」は中編。
それぞれに違うテイストのミステリで楽しいのですが、タイトル(書名)との関連が全く見いだせない……(笑)。

<13/11/25,26>

『魔法飛行』川上未映子(中央公論新社)

2013-11-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
人に会うこと、執筆のこと、食べ物のこと、かがみもちができる行程をみて女の一生を思う、たまたま出会った兄妹との交流、眠りぎわのこと、ドイツ語にはないなつかしいという言葉のこと、対応最悪な歯医者のこと等々、日々のあれこれを綴ったエッセイ。

「発行地帯」の続編、、というのをどこかに明記しておいた方が良い気が(笑)。
詩的な部分もあり、わりと散文的かも。
歯医者さんのエピソードとか、楽しい♪

<13/11/23,24>