何度も書いているように、今、世間はタブレットブームに沸いています。少なくともそのように見えます。連日のように発表される新製品、華々しくデモされるHoneycomb。iPadが拡大した市場は、ノートPCを食ってしまう勢いで成長を・・・していくはずだったんです。
でも現実は少し、いや、だいぶん違います。というのも、タブレットデバイスがそもそも市場に出てきていないんです。
そんなわけはない?では、手っ取り早くそれを実感できる証拠として、価格.comを見てみましょう。iPadを初めとするタブレットはPDAのカテゴリに何故か収まっていますが・・・2月18日現在、登録されているのは僅かに50種。そして、その中にはポメラやviiv、NECの”復活のモバイルギア”ことLifetouch Noteなど未発売のデバイスも含まれます。
そう、発表はされているのですが、実際に発売されている個人向けデバイスは数えるほどしかない・・・というのが、タブレットの現実なのです。
では、何故このような状況が引き起こされたのでしょうか?それについて、TechCrunchに面白い考察が掲載されていました。
タブレットが出荷されない理由 TechCrunch
今殆どのタブレットが7インチである理由。それは10インチの静電容量タッチスクリーンを Appleが買い占めてしまったか、そうでなければ少量注文では高すぎるほど価格を釣り上げたからだ。プレミア価格を払う以外に市場に参入する方法はない。
かのスティーブ・ジョブズ御大は、「7インチのタブレットは小さすぎる」と言っていましたので、7インチのタッチスクリーンの確保に動いていないというのは頷ける話。そして、iPodの時代から、アップルが他社では真似できないような大型発注によって価格を下げているというのも有名な話ですので、この話はあながち間違っていない・・・と思ってしまう、妙な説得力があります。
もしこれが本当で、10インチのタブレットが他社から「もう出ない」としたなら、なんというか、実に市場としては不幸でしょうね。iPad以外に10インチタブレットの選択肢がなくなるなんて市場に未来は見えませんよ。多様性のない世界は滅ぶか、そうでないならもろくなるものですからね。