当時、といってもそう遠くない過去のこと。サーバー用プラットフォームと普通のPC用プラットフォームは明確な違いがありました。具体的には、サーバー用とPCは、CPUのアーキテクチャがそもそも違ったのです。
しかしながら、AMDのOpteronを初めとする、x86アーキテクチャを採用したサーバー用CPUの信頼性向上、性能向上による躍進に伴い、徐々にではありますがサーバー専用CPUのシェアが食いつぶされていくことになります。
インテルの従来の流れをくむItaniumファミリーも、そのあおりを受けて苦しんでいます。
というのも、まずRed Hatが2009年に、マイクロソフトがその翌年にItanium対応製品からの撤退を表明しているから。要は、サーバー用OSデベロッパーの相次ぐ離反を受け、窮地に立たされているというわけです。
そんな中、また新たな離反者が出ました。しかも、今度はかなりの大口です・・・
オラクル、Itaniumチップ対応ソフトウェア開発の中止を決定 COMPUTERWORLD.jp
Oracleが22日に出した声明には、「Intel経営陣と何度か話し合いを持った結果、我々はIntel Itaniumマイクロプロセッサ上で開発してきた全ソフトウェア・アプリケーションの開発終了を決めた。Intelの戦略的焦点はx86マイクロプロセッサに置かれており、Itaniumはまもなく寿命をまっとうすると同社の幹部らは言明した」とある。
まあ、当のインテルは今後もItaniumを続けていくと言っている訳ですが・・・
オラクルは、よく考えればSUNを飲み込んでいるわけですから、UNIX・Solarisサーバーに甚大な影響をもたらすことは必至。HPはサポートを継続すると言っているようですけれど、さすがにこれで終了かも知れませんね・・・
今回の件に至る決定的なターニングポイントは、インテルがx86アーキテクチャのサーバー用CPU、Xeon 7500番台をリリースしたことで、x86ベースでも高信頼性が求められるサーバー用途の使用に耐える、とベンダーが判断したことにあるようです。結局、自社製品が自社製品の首を絞める結果になったわけですが、オラクルの話が本当ならば、インテルのシナリオ通りに事が進んでいると言えそうです。