Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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家庭用太陽光発電、意外な故障率

2010-07-25 23:59:59 | Technology

 近頃、急速に普及が進んでいるものに、家庭用太陽光発電が挙げられます。・・・と言ってもまだまだ導入に費用がかかりますので、元を取るのに何年もかかるのが常です。しかしながら、見た目のわかりやすさもさることながら、「電気代」という目に見えるコストを縮減できること、そしてメンテナンスが楽ということもあり、今後のカーボンフリーエネルギーの中では最も有望かつ、民間の力を借りやすい物と言えるでしょう。

 しかしながら、これまでは「設置しているだけで徐々に元が取れる」という、言わば銀行預金のような元金保障の投資だと思われていた太陽光発電施設について、元が取れるどころか「元本割れ」すら起こしてしまうような事実が判明したようです。

家庭用の太陽光発電、12年以内に3割故障 NPO調査 asahi.com

 家庭に設置された太陽光発電システムの約3割が、12年以内に故障している――。NPO法人「太陽光発電所ネットワーク(PVネット)」が23日、そんな調査結果を発表した。「10~20年故障しないと言って販売されるケースが多いが、実際は注意が必要だ」と呼びかけている。

 可動部品がない太陽光発電で、いったいどんな故障が?と思ったのですが、何でもパネルの発電効率の劣化が見られる物があるとか。最大で4割減になった物もあるようで、やはり「ランニングコストゼロ」とは行かないようです。採用を検討する場合、故障のリスクやアフターサービスも十分に頭に入れておく必要がありそうですね。

 そのような故障とは別に、太陽光発電にはもう一つ問題が。

 とは言え、太陽光だけの話ではないのですが、発電所以外での発電量が増えることにより、発電量の増減による負荷が無視できなくなる事が予想されているのです。
 発電所で発電される莫大な電力を「一時的にためておく」と言う事は出来ませんので、発電所はそのときそのときに、必要とされている電力を供給しています。しかしながら、太陽光発電などの普及により、例えば「突然の夕立により電力の需要が一気に増えた」という事が実際に起こりうる可能性があるのです。そのときに、発電所には大きな負荷がかかり、電力供給が中断される恐れもあると言います。
 このような事を防ぐために電力を適切に管理できる電力網、スマートグリッドの研究が進められていますけれど、何とか間に合うと良いですが。

 太陽光発電を初め、家庭用発電機はまだまだ若い技術ですし、電力供給網はそれらの技術に対応するには古い技術です。どちらの世界でも今後のイノベーションが求められているわけですけれど・・・意外と待ったなしかも知れませんね。



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