かつて、3DOというコンシューマーゲームハードがありまして。それは、アメリカの3DO社が作った「3DO規格」というマルチメディア端末規格を各社にライセンス提供する事で、プレイステーションとセガサターンが登場し、ニンテンドー64が発売されるまでは、そこそこ注目を集めていたプラットフォームでした。
3DO規格のハードウェアは、日本においては松下、つまり現在のパナソニックから主にリリースされていましたが、その高い価格設定とソフトウェアのライセンス収入が見込めないエコシステムにより結局頓挫・撤退してしまった過去があります。パナソニックはゲームハード参入からすっかりなりを潜めていたのですが・・・
あれから16年。ついにパナソニックがゲーム業界に戻ってきました。「オンラインゲーム専用」のクラムシェル型ハードウェアをひっさげて。
独占入手! パナソニックの携帯用オンラインゲーム機「Jungle」の初ショットだよ GIZMODO
これ「Jungle」です。オンラインゲーム&MMORPG専用のゲーム機としてデザインされた初のポータブルゲームコンソール。発売元は20年近く前に「3DO」を出した、あのパナソニック。
まあ、PSPとかニンテンドーDSでもオンラインのマルチプレーヤーゲームはできますが、別にそれがコアじゃないですもんね。その点、Jungle はちっこいPCみたいな形で、QWERTY配列のフルキーボードからタッチパッド、Dパッド、ショルダーボタンまで、ちっちゃなゲーム機に求めるものはなんでも入ってます。PCからそっくりそのままオンラインゲーム外に持ち出して遊べるんですね。
なんでも、JungleはLinux OS搭載と言う事ですから、既存のWindows専用MMOを遊ぶには移植を待たなくてはいけません。高解像度のディスプレイを搭載するとは言え、PCのディスプレイ用にデザインされた画面を、そのまま小さい画面に移植するわけにも行かないでしょうから、ローカライズも当然必要でしょうし・・・
ソフトウェア面では「オンラインゲーム環境のエコシステムを作りあげること」を目標に掲げており、タイトルとしてMMORPGのBattlestar Galactica Onlineが予告されています。開発はブラウザ向けゲームで著名なBigpoint社。
とのことですから、当面は専用設計が必要ないブラウザゲームをターゲットにするって事でしょうか・・・?
それなら、ノートPCで良くないですか?
なんでも、価格的には400ドル程度まで上がりそうという予想もありますし、すでにオンラインゲーム環境のエコシステムはWindowsでがちがちに固まっちゃってるし・・・もちろん、PS3やXBOX360規格も。ポータブルというのが利点と言われても、オンラインゲームの為だけのハードウェアで3G契約が必要になるというのも微妙だし・・・かといってWi-Fi専用だと魅力は一気に半減するし・・・個人的には誰得だろう、というよくターゲットが分からないハードウェアです。
結局、ローンチタイトルが揃わず、発売されずに消えていく運命にあるか、もしくは特に話題にもならずにひっそりと消えていくかのどちらかじゃないでしょうか?・・・名前の通り闇に消えたPhantomの様に。