風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』2012春 西日本巡回公演 第4週目

2012-06-17 21:07:23 | 全国巡回公演
『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』4週目は

6月11日 聖カタリナ女子高校(愛媛県)
  12日 大阪薫英女学院中学校(大阪府)
  13日 開星中学校・高校(島根県)
  14日 青嶺高校(山口県)
  15日 大阪国際滝井高校(大阪府)


での公演でした。

聖カタリナ女子高校


今旅で初めての1000人を超える客席は開演前から盛り上がりをみせていました。
公演中は、目の前で起こる出来事ひとつひとつに対して反応しながらリラックスして観劇していました。

終演後には演劇部の皆さんとの座談会が開かれました。
打ち解けた雰囲気の中、公演の感想やキリスト教の学校ならでは、ヘレンのお兄さんのジミーが食事の場面で言うお祈りに関しての質問など互いに楽しい時間を過ごすことができました。このとき顧問の先生が、アニーの恩師であるアナグノス校長の言葉に対して「自分におちてくるものを感じた。」とおっしゃっていました。生徒だけでなく先生方の中にもさまざまな発見があったのでしょう。今演劇部は8月にある大会に向けて部長さんが書いた脚本での稽古の真っ最中だそうです。今回の公演が何かの参考になってくれたらと思います。


公演後に行われた座談会の様子



大阪薫英女学院中学校


大阪薫英女学院中学校での風の公演は2002年以来10年振りとなる公演でした。
おかしいところは笑い、真面目なところはグッと真剣にと、とても素直な客席でした。

終演後は、担当の先生を含めた何人かの先生方と生徒の皆さんが楽屋を訪ねてきてくれました。
公演の余韻を感じながら興奮した様子で感想を伝えてくれました。その中に「以前伝記を読んだことがあって今回楽しみにしていました。将来、今日のアニーのような先生になりたい。」と言ってくれた子がいました。それを聞いていた先生方の表情は喜びに満ちていました。そんな彼女たちと先生方の姿に私たちも元気をもらいました。


開星中学校・高校


この学校は、芸術鑑賞自体が9年振りということで、生徒たちもさることながら先生方も興奮と期待をもって観劇していました。
この日は、演劇部の皆さんと担当の先生そして教頭先生が仕込みから舞台撤去まで、一日を通して見学とお手伝いをしてくれました。みんな汗だくになりながら元気に手伝ってくれました。



開演前に教頭先生が一言、「私も舞台設営の手伝いを一緒にさせてもらいました。汗だくです。それだけすごいんです。観てください。」そのあとそれまでにぎやかだった客席が一変。公演が始まると食い入るように観ていました。

この日、芸術監督の浅野、芸術監督アシスタントの江原が訪れ、舞台と客席の間でどんなことが交感されているのか、どういう場を互いに創りあげているのかを観劇。終演後には演劇部の皆さんとの座談会も開かれ、公演の感想から音響、照明、舞台装置や旅中の健康管理に関することに至るまで多くの質問が飛び交い、とても盛り上がっていました。
「今の子たちは実際に触れたり、体験するという機会が少なくなっている気がする。今回の体験は彼らにとって大切な経験になったと思います。」と教頭先生。芸術鑑賞はただ観るだけではなく、いろいろの発見の場であると思います。そういう意味でも今回久々の芸術鑑賞を目一杯生徒の皆さんも先生方も楽しんでいたように感じました。



仕込みのお手伝い、そして座談会に参加してくれた演劇部のみなさんと、アニー役の渋谷。



青嶺高校


この学校は、開校6周年記念と人権教育としての演劇鑑賞でした。
この公演は学校の呼びかけもあり、同じ市内の美祢高校、近隣の中学校5校の生徒も一緒に観劇。盛大な鑑賞会となりました。
その中に、昨年文化庁の“次代を担う子どもの文化芸術体験事業”で訪れた大嶺中学校の皆さんも観劇に来ているといううれしい再会もありました。
公演中は会場全体が集中していて、カーテンコールは割れんばかりの拍手に包まれました。そのときの生徒会長さんのあいさつからも彼らが、ヘレンやアニー、そして二人を取り巻く人々の姿からさまざまなものを受け止めていたことを感じさせてくれました。
公演後は、多くの生徒たちや先生方が舞台に上がり、ポンプなどの舞台装置に興味を持って触れたり、写真を撮ったり、劇団員と話をしたりと積極的に交流をはかっていました。生徒や先生方から「すごいよかった。」「またこう言った鑑賞の機会をつくって
もらいたい。」「感動しました。」など多くの声が聞かれました。今回の公演が彼らにとって何かを考えたり、発見するきっかけになってくれたらと思います。また再会する日が来ることを願いつつ。


公演後舞台を見学に来てくれた生徒さん、先生方と。



大阪国際滝井高校


この公演は『星の王子様』以来約20年振りとなる風の公演でした。
開演前から公演中も終始グッと入り込んでくるように観ている姿がとても印象的でした。
カーテンコールのあたたかな拍手から彼女たちが作品をとおして何かと出会ってくれたことを感じました。

公演後には演劇部の皆さんとの座談会が行われました。
細かなシーンの意味や部活をしている上での悩みなど話はつきませんでした。途中、照明オペレータの坂野も加わり照明に関しての質問もされ、彼女たちの真剣に演劇に打ち込んでいる様子が伺えました。


座談会に参加してくれた演劇部のみなさんと、ヘレン役の白根。


『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』の旅は今週でちょうど折り返し地点を迎えました。
これまでひとつひとつの公演で出会ってきた人々、そして彼らから受け取ったものを持ちながら、これからひびき合っていくであろう人々との出会いに胸を躍らせています。そして、その場その場で何を交感しえるのかを大切にこれからの公演に向かっていきます。



2012 肝っ玉おっ母とその子供たち~あとから生まれてきた人たちに 東日本巡回ツアー 五週目

2012-06-17 11:49:47 | 全国巡回公演
6月12日 潮来高校(茨城県)
  14日 小諸商業高校・小諸高校(長野県)
  15日 盛岡白百合学園中学校・高校(岩手県)



潮来高校 

潮来高校での公演は『星の王子さま』以来14年ぶりの公演となりました。
公演前、盛り上がりがやまない生徒たちに、校長先生がご挨拶の言葉で「あなたたちは今後、今の3倍も4倍も生きるでしょう。今日、観劇する作品に出てくるアンナ・フィアリングは戦争のなかで生き、軍隊を相手に商売をして生活していす。あなたたちがこれから生きていくなかでは、不自由なことや理不尽なことを経験することもあるでしょう。今日の演劇を通して“生きる”ということを考えてほしいと思います。あなたがたが静かにできないでいるのは興奮しているからでしょう。でもあなたがたは決める時は決めることができると思っています。決める時は決めて下さい」生徒たちへの優しく、暖かいメッセージでした。
そして公演が始まると校長先生の期待以上に生徒たちのまなざしは好奇心でいっぱいで、真剣に、楽しんで見ているのがよく伝わってきました。客席からは何度も笑いが起こりました。一人ひとりが自由に豊かな感性で創り出されていった舞台でした。

そして公演後は多くの生徒さん方が、体育館での撤去の様子を見に来ていました。
トップの画像は話をしたいと楽屋に訪ねてきた生徒さんたち。



↑片付けに自主参加してくれた女子生徒さん達。ありがとうございました。


小諸商業高校・小諸高校

この日は小諸商業高校と小諸高校の合同公演。この合同公演で、風は4年振り、3回目の公演となります、両校とも生徒会の進行で行われ、前日の仕込みの時から市民会館に打ち合わせに来るなど、生徒たちを自主的に公演に参加させ、ともに創り出していこうとする学校の意向が伺かがわれました。
午前が小諸商業高校、午後が小諸高校の公演で、学校の反応は違いますが、両校とも開演すると一瞬に集中し、最後まで途切れずしっかりと見ていました、
各校の先生、生徒から「とにかく生徒がよく見ていた」「生の舞台を見る機会が僕たちはないので感動しました」「とにかく感動した、すばらしかった、泣いていた生徒もいた、皆さんにくれぐれもよろしく伝えてほしい」といった声を聞くことができました、一人ひとりのなかに、作品を通して振り返るものがあることを願いつつ、また新しい作品で再会できることを願っています、



↑カーテンコールでは綺麗な花束もいただきました。


盛岡白百合学園中学校・高校

一山ほどある壮大な敷地内にある、学校の白百合ホールで公演が行われました。
柔らかなまなざしが印象的で、そのまなざしに支えられながら舞台と客席でたくさんのことが交感されていったように思います。

この日は、鹿児島の高校でワークショップを行っていた演出の浅野と芸術監督アシスタントの江原も訪れ、『肝っ玉』で生徒たちと何を創り出しているのか観劇。公演後には、午後出張のため不在だった校長先生の代わりに教頭先生と担当の先生方が楽屋に来られ、教頭先生が「すばらしい演劇をありがとうございました。今日のことは校長先生にも伝えておきます」とおっしゃると、肝っ玉おっ母の辻が「すばらしい観劇態度でした。生徒さんたちをほめてあげて下さい」という言葉に担当の先生方も満面の笑みで、顔を合わせてホッとしていました。作品の検討、そして公演に向けての準備と本当にありがとうございました。



↑ホールから歩いて5分位の所にある高校の校舎で演劇部の皆さんと行われた座談会。感想には「舞台を見て自由な感じがしました」という声もあり、生徒さん方の豊かな感性が創り出した舞台だったと実感しました。



↑部活をしていたテニス部のみなさん



↑帰り際、声をかけてくれたり、手を振ってくれたり、握手したりと学校での公演ならではの交流がありました。



↑走りながら手を振ってくれたみなさん



「毎日上演していくなかで、何を反復しているのか見逃さないように」という演出の言葉をそれぞれがしっかり受けとめ、来週は旅も中盤を迎えるなかで、生徒たちとどんな出会いをして、何を創り出せるか一回一回の公演に向かいたいと思います。