勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ / Where to Invade Next

2016年06月04日 | 洋画(アメリカ系)
ハリセンボン近藤春菜とクリソツでお馴染みの???、アメリカのドキュメンタリー映画監督マイケル・ムーアが、「世界の中心はアメリカでしょ?なんでもアメリカが世界の基準でしょ?」と言わんばかりにヨーロッパに意気込んで“侵略”して行った事の次第を表したドキュメンタリー。

シッコ』では、アメリカの医療制度の問題点に光を当てていましたが、この作品では、労働問題や食育、高等教育機関での授業料、あるいは刑務所での受刑者の扱い、男女同権の問題などもっと幅広い事柄に焦点を当てています。

最初の頃は、まぁ、茶化した感じでもありましたが、作品中盤以降、男女同権の問題の辺りからでしょうか、そう言う茶化した感じは鳴りを潜め、よりまじめに問題を取り上げるというトーンに変わっていっていました。そう言う意味では、途中で、作品のトーンが変わったので、ちょっと戸惑いました。

見ていて「なるほどな~」と思ったのが、フランスの給食ですね。あのように、幼い頃から、テーブル・マナーをきちんと仕込まれるので、おとなになってから、洗練された振る舞いができるんですね。日本でも、給食はありますが、無い自治体もありますし、給食が有っても、テーブル・マナーまで踏み込んでいませんからね。ダメですね。

それと、高等教育機関・・・つまりは大学ですが、これの授業料の問題。日本では、年々大学授業料が上がると共に、奨学金制度が貧弱なので、日本学生支援機構の“奨学金”と言う名前のローンで借金を抱えてしまう事が、昨今問題になっていますが、やっぱり、国の礎を築くと言う事を考えると、高校のみならず、大学も授業料は無償化するべきではないかと思いますね。

日本でも学ぶべき所がたくさんあることが、物凄くたくさんあることがわかりました。チュニジアも出てきましたが、それ以外は全てヨーロッパ。これまでに蓄えられてきた、社会資本の厚さを強く感じずにはいられませんでした。

タイトル マイケル・ムーアの世界侵略のススメ / 原題 Where to Invade Next

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/アメリカ
監督・出演 マイケル・ムーア

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出 / A Royal Night Out

2016年06月04日 | 洋画(イギリス系)
第2次世界大戦で、連合国がナチス・ドイツを打ち破った1945年5月8日。後にエリザベス2世として即位する若きエリザベス王女が、戦勝を喜ぶロンドンの街なかにお忍びで外出した一夜を描いた物語。

“リアル・ローマの休日”ですね~。当時、王位継承者だったエリザベスが、VE DAYにお忍びでお城の外に出たのはどうやら本当らしいのですが、ここまでの冒険が行われたかどうかは・・・?まぁ、無いでしょうね。

でも、この作品、長女として王位継承者として規律を守ろうとするエリザベスと、次女で、自由奔放なマーガレットの性格が上手く描かれていて、その対比と、マーガレットの奔放な行いで騒動が引き起こされる件なんかは、物語的に上手く行っていると思います。

また、外出を始める頃は、まだ自覚が足りない王位継承者だったエリザベスが、一般国民に交わって、様々な経験をしながら、その言葉を直に聞くことで、徐々に王位継承者としての自覚を強めていく描写も良かったですね。

そして何と言っても、そのエリザベス王女を演じたサラ・ガドンが中々の美形。エリザベス2世の戦時中の頃の写真を見てみると、似ていなくも無いかも?

それにしてもちょっと不思議に思ったのが、王位継承者の顔をみんな覚えていないんでしょうかね?日本では、皇太子さまや秋篠宮さまとかの顔は何となく覚えていますが、悠仁さまがどうかと言われると・・・なので、そう言うもんなんでしょうかね?

・・・と、ここまで書いて気が付きました。よく考えてみると、この時代まだテレビが無いので、お姿を見ると言う機会が今と比べると圧倒的に少ないですよね。当然、新聞の写真に写ることは有るかもしれませんが、テレビの広がりに比べるとね。それに、新聞だと当然国王がメインですから、王位継承者とは言え、エリザベスや、ましてマーガレットの姿を知る人は数少なかったでしょうね。まぁ、そう言う時代背景を考えると、この物語は、成立するなとおもいました。逆に、テレビは言うに及ばず、SNS社会の今、こう言うお忍びで出て行って・・・と言う物語は成立しないですよね。

中々、面白い物語でした。サラ・ガドン美人だし(^^)v

タイトル ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出 / 原題 A Royal Night Out

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/イギリス
監督 ジュリアン・ジャロルド
出演 サラ・ガドン(エリザベス王女)、ベル・パウリー(マーガレット王女)、エミリー・ワトソン(エリザベス王妃)、ルパート・エヴェレット(国王ジョージ6世)、ジャック・レイナー(ジャック・ホッジス)