勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

オデッセイ(3D) / The Martian

2016年02月07日 | 洋画(アメリカ系)
アンディ・ウィアーのベストセラー『火星の人』の映画化。第73回ゴールデングローブ賞で作品賞と主演男優賞(マット・デイモン)を受賞。第88回アカデミー賞では、作品賞、主演男優賞(マット・デイモン)、脚色賞、美術賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞の7部門にノミネート。

そもそも『火星の人』のヒットに至るエピソードが面白いです。作者のアンディ・ウィアーが、元々無料で自分のウェブサイトで公開し始めたことに話は始まっています。連載という形態で少しづつ物語を進めていた所、「まとめて読みたい!」と言う読者の要望が有ったことから、Kindleで99セント(Kindleが無料に対応していなかったために付けた最低価格)で販売した所、大ヒット。そのことから、今回の映画化につながっています。

この映画にはもう一つ面白いところがあって、アカデミー賞の前哨戦とも言われる第73回ゴールデングローブ賞で、“ミュージカル・コメディ部門”で作品賞と主演男優賞(マット・デイモン)を受賞しています。そもそも、ゴールデングローブ賞のドラマ部門は競争が激しいのですが、ミュージカル・コメディ部門ではそれほどでも無いとも言われ、賞受賞を確実とすべくミュージカル・コメディ部門でエントリーしたという噂も。またその理由が、『火星で植物を栽培するなど、コメディ以外の何物でもない』とも言ったとか、言わないとか(どっちだ!)。

比較的原作に忠実に作られている感じです。とは言っても、アレス4のMAVに近づく時の困難な出来事や、ヘルメス号への補給が失敗した場合のコンティンジェンシープランとしてベス・ヨハンセンが指定生存者に命じられていた事は省かれていますし、最後にマークをヘルメス号に回収する件は、原作とは違いますよね。あと決定的に原作と違うのは、後日譚の追加ですかね。有ってもいいけど、無くてもいいかと。

この作品で、NASAの苦難に手を差し伸べるのが中国というのが、時代ですかねぇ。一昔前なら、旧ソ連とかあるいはヨーロッパとかだと思うんですが、今の時代、中国を外すわけには行かないと言う事ですね。なお、撮影に際してはNASAが全面的に協力しています。

今回は、3Dで鑑賞しましたが、この作品は3Dで無くても良いかな。まぁ、火星の雄大な光景を3Dで見るのもありなのかもしれませんが。

最後ですが、この作品も“邦題が酷い”地獄に囚われてしまっていますね。原作の『火星の人』の方が、より内容を正しく表現していると思うんですけどね。だって、放浪していないじゃん。

タイトル オデッセイ / 原題 The Martian

日本公開年 2016年
製作年/製作国 2015年/アメリカ
監督 リドリー・スコット
原作 アンディ・ウィアー『火星の人』
出演 マット・デイモン(マーク・ワトニー/アレス3ミッションクルー、エンジニア・植物学者)、ジェシカ・チャステイン(メリッサ・ルイス/アレス3ミッション指揮官、地質学者)、クリステン・ウィグ(アニー・モントローズ/NASA広報統括責任者)、ジェフ・ダニエルズ(テディ・サンダース/NASA長官)、マイケル・ペーニャ(リック・マルティネス/アレス3ミッションクルー、操縦士、少佐)、ショーン・ビーン(ミッチ・ヘンダーソン/アレス3ミッションフライトディレクタ)、ケイト・マーラ(ベス・ヨハンセン/アレス3ミッションクルー、システムオペレータ・原子炉技術者)、セバスチャン・スタン(クリス・ベック/アレス3ミッションクルー、医師)、アクセル・ヘニー(アレックス・フォーゲル/アレス3ミッションクルー、天体物理学者、ドイツ人)、キウェテル・イジョフォー(ビンセント・カプーア/NASA火星探査ミッション統括責任者)、マッケンジー・デイヴィス(ミンディ・パーク/NASA衛星制御エンジニア)、ドナルド・グローヴァー(リッチ・パーネル/JPL科学者、リッチ・パーネル・マニューバ考案者)