勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

ホテル・ルワンダ(2004年)

2006年01月27日 | 洋画(イギリス系)
タイトル ホテル・ルワンダ

---感想---
たった3ヶ月で100万人が犠牲になったと言われる1994年のルワンダ紛争でのフツ族の民兵によるツチ族の虐殺をめぐり、フツ族のホテル支配人がツチ族をホテルに匿い、1200人もの人々を守ったと言う話を描いた映画。その支配人は”アフリカのシンドラー”と言われているようです。2005年度アカデミー賞で、主演男優賞など3部門にノミネートされたが、日本では興行収入が見込めないと言うことで一旦興行が見送られていた。しかし、この映画の内容に感動した市民の活動により、興行が行われるようになったと言う曰くつき。

リアルです。こんな話があったとはね。事実に基づいた映画なので、要するに一種のドキュメンタリーなんですが、ドキュメンタリーと言う感じの硬さは感じません。もっとも、主人公一人の周りの出来事を描いているので、ルワンダ紛争全般の話はあまり見えませんが。それでも、高まるルワンダの緊張、国際社会の無常と言うのは良く判ります。

主人公であるホテル支配人を演じるドン・チードルの演技が素晴らしいです。彼の悲しげな、そして、悩む姿(ホテルマンとして、夫として、そして人間として)がこの物語の全てではないでしょうか。アカデミーノミネートと言う演技に納得です。

この映画であらためて判った重要なこと、それは、国連平和維持軍の苦悩です。映画の中の国連軍指揮官(ニック・ノルティー)の台詞にもその一部が出てきますが、国連平和維持軍は平和を維持するものであり、紛争には介入せず、また、武器も小火器で、しかも、自衛にしか使えないと言う大いなるジレンマを持った存在なんですね。実際、民兵がホテルに迫ってきたときに、国連軍は拳銃しか武器は無く、しかも相手に銃口を向けることは出来ませんでした(指揮官が銃口を下げさせていた)。平和維持の意味を考えさせられる場面でしたね。

思ったより客は入っていましたね。上映館も限られていますし、上映期間も限られています。興味のある方は早めに映画館に行った方が良いと思います。

英語版HP:Hotel Rwanda from Yahoo!

日本公開年 2006年
製作年/製作国 2004年/カナダ=イギリス=イタリア=南アフリカ
監督 テリー・ジョージ
出演 ドン・チードル、ソフィー・オコネドー、ニック・ノルティ、ホアキン・フェニックス

[2006/01/27]鑑賞・投稿