先日の重い話とはうって変わって、この日の舞台はサラリーマンコメディ
脚本・演出の鈴木聡氏は、やはり、このところ私が参加しているセミナーの講師
セミナー参加者には、たくさんの舞台情報と、数々の優待があり、
この時限りの特典かと思うとついつい足を運んでしまう。
今まで、マスコミへの露出の多い方しか、お顔を知らなかった脚本家の方たちだけれど、
結構、劇場のロビーにいらっしゃる。
鈴木氏は、広告会社、博報堂で、コピーライターとして活躍しながら、劇団を旗揚げなさったという。
現在は、この道一本に絞って、テレビや映画、そしてもちろん演劇に、とご活躍中。
前回の講義の時には、モモクロににはまってるとおっしゃっていた・・・
今回はご自身の劇団、ラッパ屋の30周年記念公演。
場所は新宿、紀伊国屋ホール。
つい最近「裏小路」という、同じくセミナーの先生の舞台を観たばかり。
とても見やすい、いい劇場なのだけれど、とにかく古いので椅子の座り心地が・・・
腰の悪い私には、ちょっときびしい・・・
お話しの舞台は「ロッキードリンコ」という業界10番手あたりの飲料メーカー。
この会社の営業部は一課~四課まであり、
一課から三課までの課長は「ダサい課長」を略して「ダチョウ」と陰口をたたかれている。
一課の課長が、ラサール石井さん。
二課、三課がそれぞれ、おかやまはじめさん、吉田善郎さん。
このお二人は、失礼ながらお名前を知らなかったけれど、お顔をみれば、
あ~っと思いだす、テレビドラマにもよく出演してらっしゃる方々。
この3人の同期が、後輩に課長の座を奪われたのち、会社を辞めて独立後、
パッとしないまま、交通事故で亡くなった、というところからお話がはじまる。
すでに辞めた人の葬儀に出席することはない、という人たちと、
そうじゃないだろ、仲間だっただろ?っていう人情派の人たちのせめぎあい。
年功序列で、義理人情を大切に働いていた昭和を懐かしむダチョウたちと、
実力主義の何が悪い、と彼らを見下す若い社員たち。
その両方を冷静に見つめ、したたかに利用していくOLたち。
ダチョウたちの同期の中でも、要領がよくて一人だけ役員になっている部長は
社長の長男派、次男派という後継者争いの渦中にいて、やがてダチョウたちもまきこまれ・・・
そこに、ラサールさんの家族の問題も絡んできて・・・
というドタバタコメディ
台詞の随所に「あるある」っていう小ネタが仕込まれていて、
大爆笑とはいかないまでも、ついつい笑ってしまう。
身体の衰えなんかも、切実で、どこで笑ったかで年齢がばれる
「いいひと」なだけではやっていけない会社っていうものの厳しさ、いやらしさがとってもリアル。
けれど、合理的なだけではこれもまたダメ、っていうのが人間のむずかしさよね
会社を辞める人、ライバルを陥れても上に上がっていく人、他人を踏み台にした良心の呵責から病んでいく人・・・
それぞれに、みんな自分の生活と夢とそれなりの他者への愛もあり、
何が正しくて何が幸せなのか、結局よくわからないけれど、
自分自身のそのときそのときの選択を信じて進んでいくしかないのかもしれない。
もし、まちがっていたとしても、もうその時には戻れないのだから、
その先で、軌道修正するしかないのよね
結局、ダチョウたちも3人それぞれに道が分かれていく。
それぞれに希望が見えるラストで、ちょっとホッとする。
穏やかな秋の午後は、ちょっと笑ってちょっとほろっとして、
今の私には、このくらいの後味のいい舞台がちょうどいいかも。
あまりに重いテーマは消化不良を起こしてしまうから・・・
脚本・演出の鈴木聡氏は、やはり、このところ私が参加しているセミナーの講師
セミナー参加者には、たくさんの舞台情報と、数々の優待があり、
この時限りの特典かと思うとついつい足を運んでしまう。
今まで、マスコミへの露出の多い方しか、お顔を知らなかった脚本家の方たちだけれど、
結構、劇場のロビーにいらっしゃる。
鈴木氏は、広告会社、博報堂で、コピーライターとして活躍しながら、劇団を旗揚げなさったという。
現在は、この道一本に絞って、テレビや映画、そしてもちろん演劇に、とご活躍中。
前回の講義の時には、モモクロににはまってるとおっしゃっていた・・・
今回はご自身の劇団、ラッパ屋の30周年記念公演。
場所は新宿、紀伊国屋ホール。
つい最近「裏小路」という、同じくセミナーの先生の舞台を観たばかり。
とても見やすい、いい劇場なのだけれど、とにかく古いので椅子の座り心地が・・・
腰の悪い私には、ちょっときびしい・・・
お話しの舞台は「ロッキードリンコ」という業界10番手あたりの飲料メーカー。
この会社の営業部は一課~四課まであり、
一課から三課までの課長は「ダサい課長」を略して「ダチョウ」と陰口をたたかれている。
一課の課長が、ラサール石井さん。
二課、三課がそれぞれ、おかやまはじめさん、吉田善郎さん。
このお二人は、失礼ながらお名前を知らなかったけれど、お顔をみれば、
あ~っと思いだす、テレビドラマにもよく出演してらっしゃる方々。
この3人の同期が、後輩に課長の座を奪われたのち、会社を辞めて独立後、
パッとしないまま、交通事故で亡くなった、というところからお話がはじまる。
すでに辞めた人の葬儀に出席することはない、という人たちと、
そうじゃないだろ、仲間だっただろ?っていう人情派の人たちのせめぎあい。
年功序列で、義理人情を大切に働いていた昭和を懐かしむダチョウたちと、
実力主義の何が悪い、と彼らを見下す若い社員たち。
その両方を冷静に見つめ、したたかに利用していくOLたち。
ダチョウたちの同期の中でも、要領がよくて一人だけ役員になっている部長は
社長の長男派、次男派という後継者争いの渦中にいて、やがてダチョウたちもまきこまれ・・・
そこに、ラサールさんの家族の問題も絡んできて・・・
というドタバタコメディ
台詞の随所に「あるある」っていう小ネタが仕込まれていて、
大爆笑とはいかないまでも、ついつい笑ってしまう。
身体の衰えなんかも、切実で、どこで笑ったかで年齢がばれる
「いいひと」なだけではやっていけない会社っていうものの厳しさ、いやらしさがとってもリアル。
けれど、合理的なだけではこれもまたダメ、っていうのが人間のむずかしさよね
会社を辞める人、ライバルを陥れても上に上がっていく人、他人を踏み台にした良心の呵責から病んでいく人・・・
それぞれに、みんな自分の生活と夢とそれなりの他者への愛もあり、
何が正しくて何が幸せなのか、結局よくわからないけれど、
自分自身のそのときそのときの選択を信じて進んでいくしかないのかもしれない。
もし、まちがっていたとしても、もうその時には戻れないのだから、
その先で、軌道修正するしかないのよね
結局、ダチョウたちも3人それぞれに道が分かれていく。
それぞれに希望が見えるラストで、ちょっとホッとする。
穏やかな秋の午後は、ちょっと笑ってちょっとほろっとして、
今の私には、このくらいの後味のいい舞台がちょうどいいかも。
あまりに重いテーマは消化不良を起こしてしまうから・・・