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時のかけらたち

Where Is the Friend's House?  Abbas Kiarostami

2023-12-30 23:53:25 | movie

 

Where Is The Friend's House? Trailer | Khane-ye doust kodjast? | Abbas Kiarostami

 

友だちのうちはどこ?
1987年 イラン 85分
スタッフ
監督:アッバス・キアロスタミ
製作:アリ・レザ・ザリン
脚本:アッバス・キアロスタミ
撮影:ホマユン・パイヴァール

キャスト
ババク・アハマッドプール
アハマッド・アハマッドプール
ゴダバクシュ・デファイエ
イラン・オタリ

素晴らしいイタリア映画を「ラザロ」と「3つの鍵」を見終わってすぐ何かいい映画を見たくなって、半年以上前に
録画していたキアロスタミ監督の「友だちのうちはどこ?」を「ダンテ」を見に行く前日の20日に家で見ました。

注目していた監督で「桜桃の味」を見に行きたいと思ったことがありましたが、そのままでした。
イランの映画監督のキアロスタミは小津の大ファンでした。そのことがうかがえるようななんでもない1日を
淡々と描いているのですが、少年のひたむきな思いが伝わって、ただ友人の家を探すだけなのにスリリングでもあり
飽きさせません。どんな大人たちがいたのか、繰り返して見たりして、ただあの男の子が抱きしめてあげたいくらい
かわいかったです。イランの社会が男子だけしか教育していないことが当たり前のように描かれていて、男の子でも
家の手伝いをしたり、働いていて勉強する時間もあまりありません。大人の言うことには絶対に従わなければいけない
イスラムの戒律の世界。そんな中でも少年を助ける扉職人だった老人の言葉にはひかれるところがありました。
今は長持ちする鉄のドアの時代に変わってきていると木のドアを作る老人は話す「一生ってそんなに長いものかな?」
時代は変わり人はなぜ町に行ってしまうかと時代の変化を嘆き、最後に少年のノートに押し花をはさむように渡す老人。
少年の気持ちに唯一寄り添う大人でした。何回も見たくなる不思議な映画でした。

 






私が若いころ大好きだったエルマンノ・オルミ、ヴィクトル・エリセ監督と同じタイプの監督だと思いました。自然で
ドキュメンタリーのような映画で、でも限りなく美しくピュア。

たまたまオルミ監督の映画に翌日見た「ダンテ」の主演男優が出ていたので、その映画の所を見ていたら
映画上映の頃のオルミ監督のメッセージをみつけました。「緑はよみがえる」は岩波ホールに見に行きました。
その時もこのメッセージを見ていたのですが、今この時代にますますそれを強く感じます。

そしてオルミ監督のメッセージ

オルミ監督は「真の平和は武器で勝ち取ることも守ることもできません」と警鐘を鳴らし、
「ひとりひとりが平和を希求することで平和な国はつくられる」と訴えている
。 映画は、第1次大戦下のイタリアで

オルミ監督の父親が経験した事実を基に製作され、戦地で命を落とした若者たちの痛みと悲しみを描いた。


エルマンノ・オルミ監督「緑はよみがえる」日本公開メッセージ

 

今日のニュースでもロシアのミサイル攻撃を報じていた。最近はTVはほとんど見ていないけれどパレスチナの民間人を巻き込む
戦争が激化して世界中そんなに武器を作りたいのと思ってしまいます。日本の政界もキックバックとか自分たちのことばかりで
オルミ監督のメッセージが再び心に響きます。

 

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