5月4日
暖かい陽がそそぐ樹林墓地にお墓参りに娘と行って、近くの緑の中を散歩してランチを取った後に、一度家に戻り、
有楽町の朝日ホールで開催されているイタリア映画祭に行きました。連休にたいていどこにも行かないので、イタリア映画祭
で面白そうなイタリア映画を時々見に行くことがあり、ここ数年は特に楽しみになってきていました。
新しい映画の中から今イタリアで話題になっている映画をみつけて、見に行くのも楽しいのですが、今回一番見たかったのは
「はじめての大切なもの」でこれ1本に絞ることにしましが。このほか、Vermiglioや後からFolleMenteも面白そうと思いましたが
オリヴィエイラ特集の方も継続されるのかどうか気になっていました。
La Prima Cosa Bella は2011年に上映されたことのある今回の特別上映作品でした。
さらに、イタリア映画祭25周年を記念し、「イタリア映画祭2011」での上映以来、国内では鑑賞することができなかった
「はじめての大切なもの」の上映も決まっている。「人間の値打ち」のパオロ・ビルジ監督の隠れた傑作として知られ、
イタリアトップ女優のミカエラ・ラマッツォッティの出世作でもある。
映画.com ニュースより

「イタリア映画祭2025」(2024年5月1~6日=東京・有楽町朝日ホール/5月10、11日=大阪・ABCホール)上映作品。
2010年製作/118分/イタリア
原題または英題:La prima cosa bella
Directed By: Paolo Virzì
Written By: Francesco Bruni, Francesco Piccolo, Paolo Virzì
Anna(da giovane):Micaela Ramazzotti
Anna:Stefania Sandrelli
Bruno (adulto): Valerio Mastandrea
Valeria(adulta):Claudia Pandolfi
Mario:Sergio Albelli
Loredano Nesi, detto Loriano:Marco Messeri
Avvocato Cenerini:Dario Ballantini
Cristiano Cenerini:Paolo Ruffini
Bruno(bambino):Giacomo Bibbiani
Valeria(bambina):Aurora Frasca
Bruno(adolescente):Francesco Rapalino
Valeria(adolescente):Giulia Burgalassi
zia Leda:Isabella Cecchi
First Beautiful Thing - Official Trailer
タイトルだけで何の解説も見ていなかったので、先入観0で見た映画で、最初この二つのエピソードがどう繋がるのだろうと
ワクワク感があるさすが作り方がうまい映画でした。スピーディに二つの家族が描かれて、時間差があり、同じ人だったのだと
わかるまで少し時間がかかり、監督にしてやられた感じ。私が鈍すぎたのかもしれません。この若いママの生き方の話かと
思っていたのが、この男の子が軸になっていたのがわかり、スッキリしたのが家に帰ってから見たアメリカ公開の際のトレーラーを
見てからでした。ずっとLa Prima Cosa Bellaは何を指すのだろうかと考え続けて見た映画でした。しかしテンポのいい映画で
飽きさせず、ヴァイタリティあふれるイタリアのマンマから目が離せません。美人コンテストに選ばれたことから起こる予想外の
出来事にもパワフルに子供を愛し続け、生き抜いて、人生を愛した女性の話です。
でもこの映画のストーリーの軸は息子のブルーノが亡くなる寸前の母と再会し、その愛を取り戻し、生きる力を得て行く
最後のシーンにつながる映画でした。
10数年前の少し古い時代のイタリア映画らしいイタリア映画でした。
結婚観なども変わりつつある時代に、何か原点を突きつけられたような感じ。市役所の人が執り行う結婚式の
シーンが一番感動しました。そのテキストが欲しいのだけれどみつけることができませんでした。結婚ってそういうもの
なのだったねと。母がなくなる前に結婚したいと言い、病床で式を挙げ、子供にも囲まれ、生涯を閉じて行く・・
今失われつつある結婚、家族とはと考えさせられるコメディでもありました。結婚式の言葉に涙がたまりました。
このママにとっては最初の結婚がLa Prima Cosa Bellaだったのかもしれません。映画の流れでは次の結婚の誓いだったのですが。
見る人によって、どの視点で見るかでも変わってくる、監督からいろいろ投げかけてくるようなそんなおもしろい映画でした。
LA PRIMA COSA BELLA はじめての大切なもの
朝日ホールへ向かう途中で見たディスプレイより
Bicerin 映画の後はトリノ発の老舗カフェでBicerinをいただきながら、映画の話で
贅沢なイタリア映画祭のひとときでした。ヘミングウェイやニーチェも好きな飲み物
だったとか・・・ エスプレッソに、チョコレート、生クリームが層になっていました。
とてもおいしかったです。
May 4 2025 Ginza