Reflections

時のかけらたち

樹木希林さんの遺したもの (追記あり) ・・・ Kilin style

2019-05-03 23:59:54 | people
4月7日

ときどき”今”を入れながら、のんびり進むブログです。
やっと希林展を見に行った4月7日に来ました。



樹木希林展に最終日に滑り込み。
それも前日まで池袋西武と思い込んでいたところが何とも・・
ぎりぎりで軌道修正。
朝早くに行ったので、程よい混み方でゆっくりと何度も戻りながら見ることができました。





KILIN言葉の道に書かれている言葉の数々が味わい深かったです。
会場に入っていく長い通路を両側に飾ってあるパネルを見ながら展覧会場にゆっくり進みます。
いろいろな展示の前に彼女の言葉を読んでいくのはなかなかいい方法です。
彼女の人生をそのまま受け入れていく姿は、年を重ねていく上で、何か照らしてくれるような
そんな感じがします。まっすぐ心に落ちていく言葉たちです。

帰ってからその時見た言葉を探そうと思ってインターネットでたくさん彼女の言葉を詠みました。

年をとってパワーがなくなる。病気になる。
言葉で言うといやらしいけど、これは神の賜物、贈りものだと思います。
終わりが見えてくるという安心感があります。
(2008年7月)

年を取ったら、みんなもっと楽に生きたらいいんじゃないですか。
求めすぎない。欲なんてきりなくあるんですから。
足るを知るではないけれど、自分の身の丈にあったレベルで、
そのくらいでよしとするのも人生です。
(2008年7月)

自分にとって不都合なもの、邪魔になるものをすべて悪としてしまったら、
病気を悪と決めつけるのと同じで、そこに何も生まれて来なくなる。
ものごとの良い面と悪い面は表裏一体、それをすべて認めることによって、
生き方がすごく柔らかくなるんじゃないか。
(2014年5月)

(出典元:『一切なりゆき』〜樹木希林のことば〜)


がんはありがたい病気。
周囲の相手が自分と真剣に
向き合ってくれますから。

ひょっとしたら、
この人は来年はいない
かもしれないと思ったら、
その人との時間は大事でしょう?
そういう意味で、がんは面白いのよ

この年になると、
がんだけじゃなくて
いろんな病気にかかりますし、
不自由になります。
でもね、それでいいの。
こうやって人間は
自分の不自由さに仕えて
成熟していくんです。

若くても不自由なことは
たくさんあると思います。
それは自分のことだけではなく、
他人だったり、ときには
わが子だったりもします。
でも、その不自由さを
何とかしようとするんじゃなくて、
不自由なまま、おもしろがっていく。
それが大事なんじゃないかと思うんです

病気をしないのが、健康でいることが良いものであるけれども、
悪いものの中に見えてくるものがある。健康であるがゆえに見えないものがある。


おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい。




どうしても見つからないのが、年を取るとちょうどいい具合に欲も少なくなってくるというよいうな
言葉と 一度あっちの世界に身を置いてみると、名誉欲とかどうでもいい欲がどうでもよくなるということを
表した文章。年を取るのも、病気になるのもだんだん消えゆく身には都合がいいというような感じ。


彼女をたどる写真たち。また特に和服姿がいいですね。和服を洋服に変えているのもおもしろい。
自筆の原稿。出演した映画のパネル。何かすぐ通り過ぎることができない、いつまでもいたくなる
展覧会でした。













琵琶奏者だった父親を見たら、最初のご主人 岸田森も、内田裕也も何かわかるような気がしました。





































これはスカパーで見た是枝監督の「海よりもまだ深く」のことだったかしらね。




とにかく昨年は彼女の映画を立て続けに見た年でした。最後にピークを持ってきた見事な生き様でした。
















何必館は京都に行くたびに寄ってみたいのだけどなかなか実現できていない美術館です。希林さんと関係が
深かった美術館だったのですね。






















トロフィーを利用して照明器具を作ってしまうアイデア。











よく構成された企画展で、見ごたえありました。写真OKも助かります。

この後、食事をしてから新宿まで歩くことにしました。まず原宿まで歩いて、明治神宮を抜け、参宮橋のOZONのところまで
行って、シャトルバスを利用しました。さすが家まで歩くのは無理かしらと思いました。





April 7 2019 Shibuya


追記)
たくさんの言葉の中で、老いること、欲に関連する言葉が心に引っかかっていて、本屋さんで見たり、ネットで
見てもみつけることができなかったので、渋谷西武のHPの質問欄から問い合わせをしました。
そうしたら連休中にもかかわらず、丁寧な返事を再三いただいて、最後には参考までにと出典を全部教えてくださいました。
多分、下記の文言が一番ぴったりくるかと思いました。いろいろ丁寧に対応していただき、催事担当の方には
大変お世話になりました。渋谷西武がこれからも心に響く企画を開催してかつての渋谷が文化の発信地で
あったように私たちに届けてくれることを願っています。

「こちらまで身軽になった」
 私は不動産が好きで、家に対しては少なからぬ執着があって。ただ、その執着もル・コルビュジエが、
彼の好きな地中海を望む場所に、自分たち夫婦が住むための小屋をつくったという話を聞いたとき、
すとんと抜けたんです。禅でいう方丈ではないけれど、あれだけの建築家がやりたいことをやり尽くした末に、
最終的にたどり着いたというその小屋を見たとき、こちらまで身軽になったというか……。だから今は自分が
この世につないでいるあれこれの鎖を、欲望も含めて一つずつ外している感じですね。

(家庭画報「きもの好き、映画好き」2‌0‌0‌8年1月)

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