「山の知識検定」公認BOOK 安全登山の基礎知識 | |
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9月の燕岳登山と10月の月山登山の時の話。燕岳の登山では、前日、麓の北アルプスを展望する山に登った。それはいいのだが、雨が本降りであった。私は雨具を着ていたが、3時間ほど雨の中にいたため、シャツやズボンが濡れてしまった。
ガイドさんが、それを見て、おかしい、ほかの人は濡れていないのに、と雨具を確認した。私の持っている雨具は、山を始めた頃買った1万円ほどのもの。その時は雨具に1万円とは、ずいぶんと高いと思ったものだ。それを見て、ガイドさんは、予備の雨具を持ってきて、これは着れるかと勧めてくれた。私は横幅が大きいため、入らなかったが、ずいぶんと親切なもんだと思った。
ガイドさんによると、秋山は、稜線に登ると風が強く、雨具の下が濡れていると低体温症になるという。それなら、私は、稜線に出て風が強く寒かったら、山頂には行かず、燕山荘に入ります、ということで登山を開始した。
そして、翌日も雨、稜線に出る前には雨具の下は濡れている。そして稜線へ。風が強く、急に寒くなった。寒くてとても登山を続けられない。そこで(予定通り)小屋に駆け込み、着替えをして一段落。翌日は晴天だったため、事なきを得た。
その後、ガイドさんの勧告に従って、越谷レイクタウンのモンベルに雨具を買いに行く。買ったのはゴアテックスの上下で4万円以上するものだ。登山は金がかかる。
そして、10月の月山、登山リフトを降りて、支度を始めると、ガイドさんが、秋山をなめている方がいますねと。雨具のズボンを持っていない方、が何人かいた。登山初級のコースで気軽に参加している方もいたようだ。
そして全員で暴風の中、登山を開始した。途中ガイドさんが、稜線に出る前に十分な雨具、防寒具を持っていない方、脚のふらつく方に下山勧告をした。結局5名の方が添乗員とここで下山し、14名が登ることになった。私は三日前に買った、4万円のゴアテックスである。稜線の霧や暴風に当たっても全然平気だ。そして下山中に晴れてきて、紅葉を満喫できた。
下山して、ガイドさんが、この天候が逆だったら、遭難していたかもしませんねと。仮に登山中は晴れなら、以前の私のように、ロクな雨具を持ってなくても登れただろう。しかし、下りで雨具、防寒具を持っていないなら、寒くてもう歩けなくなる。するとどうなるだろう。山をなめるととんでもないことになる、という教訓であった。