司馬遼太郎先生の三浦半島記。
この古い本をしっかり読んで来た人たちは、鎌倉殿の13人なんてドラマを見る必要はない!・・・なぁ~んてことはないね。ドラマはドラマでめちゃ面白い。
このブログで過去に何度かご紹介したように、この古い本は三浦半島の根もとにある鎌倉の成立を説明するのに、東西にあるもっと大きな2つの半島、つまり伊豆半島と房総半島も含めて論じている。
ドラマ(鎌倉殿の13人)の登場人物には、その2つの半島からやって来た人たちが含まれている。その人たちに関連することは、今も2つの半島に多く見られる。
長大な歴史絵巻の旅で、今回我々は再び切通を使い徒歩で三浦半島横断を敢行!・・・それはウソ。
そんなことは疲れるのでもはや行わない。暑くなってきているからね。山の中は虫も出るし。私の切通への熱い思い入れは、初夏に入り突然なくなったのだ(笑)。
ということで、我々は三浦半島をクルマで楽々縦断し、城ヶ島や葉山で遊ぶのだ。シバリョー先生、ごめんなさい。
三浦半島は伊豆半島や房総半島より小さいが、それでも南北にかなり長い。そしてその南端には城ヶ島がある(赤い丸のところ)。
そこへ行きましょう。
「ボクは今日どこに連れて行ってもらえるのかなぁ~♪」と、ドガティ君はクルマに乗るのがうれしい。
本日の鎌倉の海は穏やか。
トンネルを越えたら逗子湾が見えて来たよ。
小さくキレイな弧を描く逗子湾。
逗子湾の南端で海に注ぐのが田越川で、その河口を横断するのがなぎさ橋。
渋滞の名所だ。この時も橋の上で停まってしまった。
FM横浜から流れて来る交通情報で「逗子なぎさ橋を先頭に鎌倉方面に1kmほどの渋滞・・・」なんてよく聞こえてくるが、そのなぎさ橋がここだ。
ここまで来たら葉山はすぐである。
ここで深々とお辞儀!
湘南方面の方ならご存じの風景、葉山御用邸だ。
だから警察官が多い。住むなら葉山。治安が良いことだろう。
近くを通るクルマのうち、積載量が大き目のクルマが荷物を調べられることがたまにある。私も、大きな四駆に乗っていた時に警察官に停められたことがあった。私はそんなに怪しい顔してないでしょうに。高潔で気品に満ちて悪いことなんてしなさそうな顔(^^♪なのに・・・ちょっと無理な表現か。
立派な門だ。格調高い。
海沿いに進み長者ヶ崎へ。
ここを越えたら秋谷だ。
ここからは横須賀市の西側(相模湾側)を走り、三浦市へと向かうのである。
その後延々と内陸を走ると、三浦半島の南部に入る。
キャベツや大根の畑が多い。
名物の三浦大根もよく売っているよ。立派なお値段がする。
もう、三崎港が近い。城ヶ島はその向こうだ。
三崎港なら鮪はいくらでもあるぞ。
鮨屋さんにも、販売所の各店でも。赤身とか中トロとか大トロ、なんてのはいっぱいある。それだけじゃない。卵、頬肉、目玉、皮。あらゆる部位だ。
巨大なベイシア(スーパー)もあるよ。
ベイシアって、神奈川県内ではこれが唯一の店舗だ。鎌倉市にも来てほしい。
同じベイシア・グループのカインズ(ホームセンター)は神奈川県内に数店舗あるが、我が家の近くにはない。ところが三浦市内には少し離れて、そのカインズもあるんだ。
しかもここには、カインズ以外にも大型店舗がいくつもある。お惣菜やお弁当がおいしいと評判のヤオコウもあるよ。いいなぁ、三浦市って。加えて南にはあの三崎港があるし。
ここで我らの三浦半島が終わる。その先は橋で、その先は島だ。
城ヶ島大橋を渡るのだ。
見えて来たぞ、城ヶ島が。
駐車場に入ろう。
450円を払う。受け取った駐車券は、島内に複数ある県営駐車場で終日自由に使える。
人がいない。広大な県立城ヶ島公園にクルマが5台ほど停車しているだけ。
県立城ヶ島公園の正門前でさっそくドガティ君の撮影大会。
ドガティ君に、ドガティ君専属うんこ座りのインスタグラマー。
ここからまずは入りましょう。
久しぶりだねぇ~。相変わらず人が少ない。
神奈川県には、人が来ないけれど、良いところがいっぱいありますよ。
観光客のみなさん、人だらけの小町通り(鎌倉駅から鶴岡八幡宮へ向かって観光客が集中する細い通り)のおみやげ屋さんがすべてじゃないからね~。
城ヶ島へ行ってみよう!
正門から1番のうみのね広場へ。
そこからさらに2番のピクニック広場へ。
1番が4分、2番が8分。なんて近いの。
でも実はそれで終わりじゃないのよ。面白いのはそこからだ。
あとでお見せしますね。
犬を放してはいけません。はい、わかりました。
キャンプ禁止、営業行為禁止。
人がいないからなぁ、営業行為なんてできないよね。
ドガティ君もここはきっと喜びそうだな。
まずはトイレへ行こう。
城ヶ島公園のトイレは、立派。
いくつかあるが、どこも大きくてキレイ。みなさん、安心して城ヶ島へ。
海辺特有の現象。斜めになる木。吹きっさらしの城ヶ島だ。
いろんな方向に強弱の風が吹くのだろうが、その中でも一定の方向に強風が吹きやすく、南から北へ向かって(海から三浦半島に向かって)強い海風が吹くのでしょう。
さすが県立公園。松の手入れが行き届いている。
神奈川県の予算の30%が城ヶ島につぎ込まれているんじゃないか?と思っちゃうほど、松林も芝生もキレイに整備されているなぁ。
しかも、しかもですよ、誰もいない(笑)。
ドガティ君の貸し切り状態。
「わりぃなぁ・・・」とうれしそうなドガティ君。
ここは気持ちいいところですよ。みなさん、ぜひご利用を。
この広場だけで、小町通りの数千倍の面積はありそうだ。島全体なんてもっと巨大。
そんな広大な場所で、ドガティ君は唯一の犬。
広すぎて何をしたらいいかわからないドガティ君。
ドガティ君は、「おとーさん、何したらいい?」と寄って来る。
今回私はただ城ヶ島にドガティ君とたわむれに来ただけなんだけど、冒頭の話に少し戻ろう。
三浦半島の根もとで鎌倉は成立した。それに関係した両サイドのもっと大きな伊豆・房総両半島と三浦半島との距離感も、この城ヶ島は感じとることができるよ。
ドガティ君、あれが房総半島だ。
このあたりから見たら、とても面白い形に見える鋸山(↑の画像の中央)。
ドガティ君は房総半島に行ったことがない。房総半島を見たのもこれが初めてのはずだ。三浦半島の西側の付け根である鎌倉にいると、普段から伊豆半島はよく見ているが、房総半島を見ることはない。しかし城ヶ島まで来ると房総半島はすぐ近くに見えるのだ。
「ボクはそんなことに興味はないないない・・・」
ドガティ君と妻は房総半島には関心がなく、芝生を貸し切りにして、散歩している。
この木たちも左から右へ一方向に傾いていて、葉も左には生えず、右を向いているね。
こちらの木も歪んでいるよ。
海辺の吹きっさらしは面白いねえ。
あ、紫陽花。
これからしばらくは楽しめる紫陽花。
七里ガ浜住宅地にも紫陽花はたくさん咲く。
またまた大きなトイレ。キレイで中でお弁当が食べられるくらいだ。
さすが県立公園だけあるな。
あ、向こうに何かある。
その前に・・・貸し切りの芝生で寝っ転がるドガティ君。
「気持ちえぇ~」と言っているみたいだ。
ドガティ君もリラックスだね。誰もいないし、気候はちょうどいいし。
ゴロンゴロンゴロン。
なんて広いところなんでしょう。
この公園の一部はNASA(米航空宇宙局)に貸し出されている。
ちょうどロケットが発射されるところだった。
それもウソ(←今日はこれで二度目のウソだ)。
これは灯台。
さて、この碑は?
こちらは北原白秋に師事した歌人宮柊二が、北原白秋のことを詠んだものだ。
北原白秋って名前は「北、白、秋」と4文字中3文字が寒そうな字で構成されている。
だから連想しにくいんだが実は三浦半島南端の三崎が好きで、一時期、三崎に住んでいたことがある。
そして白秋は三崎の目の前のこの城ヶ島を愛したそうだ。そんなわけで、この碑がここにあるのだ。
ということで、北原白秋作詞のチョー渋い歌をどうぞ。かなり渋いぞ。
このブログにはめったに出て来ないタイプの歌だけどねぇ(笑)。
美空ひばり/城ケ島の雨
ガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルーを演奏し間違ったのか?と思ってしまう前奏だ (*_*)
NASAの基地への入口・・・ではありません。これは灯台への入口だ。
古い灯台だが、これが改築されたのはわずか2年前の令和2年。
」
デザインは公募されたらしい。
言ってくれたら私も応募したのにぃ~。
奇抜なアイデアで度肝を抜くとんでもない灯台、あるいはとってもクラシカルな形の灯台で応募するな。しかしそういうことをすると、絶対に採用されないよ。
ここからは下の岩場に下りることができる。
あちこち眺められる場所で、ここはいいんだけど、そろそろここにも別れを告げて下の岩場に行ってみよう。
実はそっちがかなり面白いのだ。
ふ~ね~はゆくゆくぅ~♪ (白秋先生作の「城ヶ島の雨」の歌詞)
鋸山も見える房総半島(↓)。
こちらはちょっと遠い伊豆半島(↓)。見えるかな?
こちらは大島(↓)。
大島は七里ヶ浜からも真南に見える。しかし城ヶ島から見る大島は、七里ヶ浜からよりも、はるかに近く見えるね。
島は2階建て構造。上の公園と下の岩場だ。
下の岩場に下りて来た。
さあ、行ってみましょう。
「おとーさん、ここは火星?」
岩だらけだねー。植物がない。
ここで釣りしたら気持ちいいだろうなぁ~。
最高の気分だぜ。
岩が縦方向に流れたような跡がある。
こちらもね。
この岩盤の形成の歴史があるんでしょう。
セントラルパークにもこんなのがあったね。あれは氷河で削られたのだろうが。
ドガティさん、気を付けてくださいよ。落ちないようにね。
澄んだ水。透明度は高いよ。
昔の東映映画のオープニングシーンみたいだね(笑)。
どんどん先へ(西へ)移動しましょう。
しかし上ったり下りたり、大変なコースだ。
疲れるねえ。
たまに、こんな怖いところが現れる。
落ちないようにね。
ここは東映映画というより、火曜サスペンス劇場だよ。
再び、ドガティ君と妻。気を付けてよぉ~。
県立公園というわりには、柵で移動を制限することがない。「危険!、近寄るな!」なんて立て看板もなく、自由に移動できる。
広過ぎて一部だけ制限することの無駄を感じたのかしら。珍しいね。日本的でないというか。
ニンゲンもワンコも、自由に自分のリスクでこの景色を楽しめる。
ほら、この覗くのが好きなワンコも覗いているよ。
落ちないでよ~。
でも大丈夫、しっかりリードを握っているからねぇ~(笑)
まだ先へ。城ヶ島南岸の岩場を行く。
岩場観察会絶賛開催中。
魚も多い。
塩ゆでにでもしたら美味しそうな貝が岩場にいっぱいだ。
だから覗くワンコ。
遠くに見える馬の背洞門っていう地形。
その手前に階段が見えて来たな。
背洞門まで行くのは止めて、手前の階段から上がりましょう。
太平洋を見下ろすドガティ君。
凛々しいぞ。
「テヘ、そうですか?」
相変わらず岩場を上がったり、下がったり。
こっちはかなり疲れてきたが、ドガティ君は疲れ知らず。
先に岩を駆け上り、私が追い付くのを待っている。
やっと階段下まで来たぞ。
ドガティ君は、まだもっと先まで岩場を行くつもりらしい。
それは止めましょう。
ニンゲンはもう疲れているから。
階段を上ろう。これだってかなりの運動だ。
すごい眺めだね。
緑の島アイルランドみたい。
アイルランドには、これ(上下の画像)と似たところ、絶対たくさんありますよ。
見とれてしまう、この崖。
さあ、上に戻った。
我々は①の階段を降りて岩場に向かい、②の岩場にグレーの破線で描かれたところをずっと歩いて、③の階段を上ってまた高いところに戻ったことになる。
岩場で自信をつけたドガティ君。どこか王様のよう歩き方。
相変わらず、だれもいない県立公園。
自由に歩こう。好きなようにね。
のどかな日だね。
これだけ歩いてきたら、腹が減ってきた。
帰り道にどこか途中で食事しよう。
皇太子殿下御成婚記念植樹!
「皇太子」って、いつの皇太子のことだろう?
裏に周ってみた。昭和34年か。なるほどぉ。
現在より一代前の天皇陛下が皇太子だった時代のことだね。
もう63年前の御成婚だ。
どれがその時代の植樹でしょう。両側のソテツも、63年というほど大きくはないねえ。
ここは、財務省所管の国有地を神奈川県が借り受けて管理している県立公園だそうだ。しかし灯台には海上保安庁の看板が立っていたね。
管轄がいろいろ。財務省、神奈川県、海上保安庁。
駐車場に戻ったぞ。
我々はかなり疲れている。
ドガティ君も疲れているはずだ。
では出発しましょう。
城ヶ島よ、さらば!
三崎港の一部が見えて来たよ。
三浦半島南端へ戻りましょう。
長い投稿だったね。
でもまだ三浦半島記(2)があるよ。次は葉山へ行く。
【つづく】