底抜けに明るく気取らないおじさん、加藤ひろゆき氏の著書「借金なしではじめる激安アパート経営(パル出版)」を読んでいると、あまりにおかしいので大笑いしてしまった。彼の話はいつもおもしろい。セミナーも大盛況だとか。彼のように飾らないでいて、ユーモア感覚に富む態度を維持することは大事であると思う。
彼の本を読んでいて気が大きくなったところで、不動産屋さんからメール。「安い新築アパート物件買わない?」とのお誘いだった。値段を聞くと、神奈川県内の新築物件としてはかなりの安さである。私は私のクルマ、FMS号に乗って出かけた。「F.M.S.」とは加藤ひろゆき氏がアパート物件めぐりに使う彼のクルマを「大東亜決戦号」と呼ぶのをパクって、私が私のクルマに与えた名で「フラット・マーケット・サーチ」の略である。「さあ行こう!」とFMS号に呼びかけ、自らムードを盛り上げた。英国人はアパートのことを一般に「フラット(flat)」と言う。因みにエレベーターのことをより一般的には「リフト(lift)」と言う。アパートメントもエレベーターも米語である。
自宅から25kmほどだろうか。神奈川県内の某所にFMS号は到着した。現地では工事がガンガン進行中だった。紹介してくれた仲介の不動産屋さんの営業担当者は、大雑把な情報を与えて私に「買う?買わない?」と迫る。確かにアパート建築計画あるいは工事段階では不確定要素が多く、なんでもすべて確定してから販売していては買い手の確保や入金の目途が立たず先方も困るだろう。しかしながら、当方も少ない情報だけで買うことは出来ない。
上の画像で塩ビ・パイプが地面から出ているでしょう? その高さまではコンクリートが流し込まれる。
1ルームが6戸あるアパートだ。だからメーターも6個。
外壁は近年流行のガルバリウム鋼板だ。メンテがあまり必要ない材質で、和風にも洋風にも使え、最近戸建て住宅でも外壁によく使われるようになってきた。建物外観がすごくモダンな感じになる。私の好みとは正反対の質感である・・・という個人的意見を持つことはアパート経営者として危険なことなのだそうだ。オーナーとして失格だとか。アパートに住むのは私ではない。土地のロケーション、道路つき、周囲の環境、アパートの外観、間取り、内装。すべての要素は、アパート入居者予備軍の最大公約数のプリファレンスを反映すべきなのだ。オーナー自身の好みなど、二の次なのである。
1階に3戸、2階に3戸で合計6戸。よくあるパターンだ。上の画像は1階と2階にまたがる工事中の階段。注目すべきは階段の向こう。なんと!!!リンゴ畑がっ! 神奈川県にリンゴ??? 一瞬目を疑ったが、本当にリンゴがなっていた。隣接してリンゴ畑があるなんて・・・ん~~~、私好みだわん・・・い・いけない。私の好みという私情が入ってはいけない。あくまで入居者候補の好みが反映されるべき・・・らしい。
各戸玄関ドア斜め上には外照明が。ガルバリウム鋼板の現代的な外壁に洋風クラシックなルックスの外灯。組み合わせを考えるならば、私ならもっと無機質な感じの照明器具を選ぶが・・・。ダメ・ダメ、私の好みなどどうでも良かった。あくまで入居候補者の好みが大事なのだから。
キッチンだ! 1ルームに住む独身者諸君! これでいいのかい? まな板はどこに置くの? 洗った食器を水を拭くまでの間どこに置くの? 料理しないの? そんな疑問は持たない方がいいらしい。いくつか1ルーム専門のアパートを見ているが、キッチンは皆この調子だ。つまりはこれで平均的入居者には十分ということだ。
居室。明るい☆ どうもシーリングファンをつけることが流行らしく、新築アパートでよく見かける。これ、我が自宅にも山荘にも吹き抜けについている。必要だからだ。しかし天井高が低いアパートでこれって本当に必要なのか? ファンの羽根にほこりがたまりやすいし、入居者が羽根をいじって壊しそうだ・・・などと心配してしまう。身長2mのバスケット・ボール選手のお友達が家に遊びに来たら、高速回転するファンの羽根で首チョンパッ!
心配は尽きないが、これもまた入居者の好みだとすれば仕方ないこと。
帰り道。FMS号を運転しながら私は考え込んだ。この物件、すごく安いのだ。神奈川県内の新築とは思えない価格。表面利回りもかなり高い。七里ガ浜住宅街の近辺にある新築戸建ての例えば2~4分の1の価格のアパートが、毎年300万円近い家賃収入をオーナーにもたらしてくれる(あくまで予定)。諸費用がかかるだけで「自己満足」以外何もプラスにならない自分の住む家を七里ガ浜に持つことが、単純に金銭面から言えば「浪費」と思えてしまうほど、強いコントラストである。帰ってからゆっくり考えよう。資料は全部カバンの中だ。デジカメで現場もいっぱい撮影した。
どこの現場でも、私がFMS号で訪問すると業者さん達が私の姿を見て笑う。暑いから半ズボン型のジーンズにスニーカーかビーサン。上はアロハかラガー・シャツかポロ。頭にはパタゴニアのキャップ。肩からこのバブアーのカバンをさげてデジカメを手に持ちグリーンのワゴン車から現われる私の姿がおかしいらしい。この業界にはかなりミスマッチなコスチュームであり、クルマの色形なのだろう。
バブアーの分厚く重い革のカバンは頑丈である。王室御用達だ ヘンなブランド品より、とにかく安くて丈夫でいいよ。グローブ並みの厚い革で出来たカバンに油を塗り込んでメンテして使おう。ハードな物件巡りに最適だ。肩にぶら下げたまま両手が空くので、写真撮影も出来るし、あちこち触って強度のチェックも出来るし、メモもとれる。現場はなにかと両手を使うから。
彼の本を読んでいて気が大きくなったところで、不動産屋さんからメール。「安い新築アパート物件買わない?」とのお誘いだった。値段を聞くと、神奈川県内の新築物件としてはかなりの安さである。私は私のクルマ、FMS号に乗って出かけた。「F.M.S.」とは加藤ひろゆき氏がアパート物件めぐりに使う彼のクルマを「大東亜決戦号」と呼ぶのをパクって、私が私のクルマに与えた名で「フラット・マーケット・サーチ」の略である。「さあ行こう!」とFMS号に呼びかけ、自らムードを盛り上げた。英国人はアパートのことを一般に「フラット(flat)」と言う。因みにエレベーターのことをより一般的には「リフト(lift)」と言う。アパートメントもエレベーターも米語である。
自宅から25kmほどだろうか。神奈川県内の某所にFMS号は到着した。現地では工事がガンガン進行中だった。紹介してくれた仲介の不動産屋さんの営業担当者は、大雑把な情報を与えて私に「買う?買わない?」と迫る。確かにアパート建築計画あるいは工事段階では不確定要素が多く、なんでもすべて確定してから販売していては買い手の確保や入金の目途が立たず先方も困るだろう。しかしながら、当方も少ない情報だけで買うことは出来ない。
上の画像で塩ビ・パイプが地面から出ているでしょう? その高さまではコンクリートが流し込まれる。
1ルームが6戸あるアパートだ。だからメーターも6個。
外壁は近年流行のガルバリウム鋼板だ。メンテがあまり必要ない材質で、和風にも洋風にも使え、最近戸建て住宅でも外壁によく使われるようになってきた。建物外観がすごくモダンな感じになる。私の好みとは正反対の質感である・・・という個人的意見を持つことはアパート経営者として危険なことなのだそうだ。オーナーとして失格だとか。アパートに住むのは私ではない。土地のロケーション、道路つき、周囲の環境、アパートの外観、間取り、内装。すべての要素は、アパート入居者予備軍の最大公約数のプリファレンスを反映すべきなのだ。オーナー自身の好みなど、二の次なのである。
1階に3戸、2階に3戸で合計6戸。よくあるパターンだ。上の画像は1階と2階にまたがる工事中の階段。注目すべきは階段の向こう。なんと!!!リンゴ畑がっ! 神奈川県にリンゴ??? 一瞬目を疑ったが、本当にリンゴがなっていた。隣接してリンゴ畑があるなんて・・・ん~~~、私好みだわん・・・い・いけない。私の好みという私情が入ってはいけない。あくまで入居者候補の好みが反映されるべき・・・らしい。
各戸玄関ドア斜め上には外照明が。ガルバリウム鋼板の現代的な外壁に洋風クラシックなルックスの外灯。組み合わせを考えるならば、私ならもっと無機質な感じの照明器具を選ぶが・・・。ダメ・ダメ、私の好みなどどうでも良かった。あくまで入居候補者の好みが大事なのだから。
キッチンだ! 1ルームに住む独身者諸君! これでいいのかい? まな板はどこに置くの? 洗った食器を水を拭くまでの間どこに置くの? 料理しないの? そんな疑問は持たない方がいいらしい。いくつか1ルーム専門のアパートを見ているが、キッチンは皆この調子だ。つまりはこれで平均的入居者には十分ということだ。
居室。明るい☆ どうもシーリングファンをつけることが流行らしく、新築アパートでよく見かける。これ、我が自宅にも山荘にも吹き抜けについている。必要だからだ。しかし天井高が低いアパートでこれって本当に必要なのか? ファンの羽根にほこりがたまりやすいし、入居者が羽根をいじって壊しそうだ・・・などと心配してしまう。身長2mのバスケット・ボール選手のお友達が家に遊びに来たら、高速回転するファンの羽根で首チョンパッ!
心配は尽きないが、これもまた入居者の好みだとすれば仕方ないこと。
帰り道。FMS号を運転しながら私は考え込んだ。この物件、すごく安いのだ。神奈川県内の新築とは思えない価格。表面利回りもかなり高い。七里ガ浜住宅街の近辺にある新築戸建ての例えば2~4分の1の価格のアパートが、毎年300万円近い家賃収入をオーナーにもたらしてくれる(あくまで予定)。諸費用がかかるだけで「自己満足」以外何もプラスにならない自分の住む家を七里ガ浜に持つことが、単純に金銭面から言えば「浪費」と思えてしまうほど、強いコントラストである。帰ってからゆっくり考えよう。資料は全部カバンの中だ。デジカメで現場もいっぱい撮影した。
どこの現場でも、私がFMS号で訪問すると業者さん達が私の姿を見て笑う。暑いから半ズボン型のジーンズにスニーカーかビーサン。上はアロハかラガー・シャツかポロ。頭にはパタゴニアのキャップ。肩からこのバブアーのカバンをさげてデジカメを手に持ちグリーンのワゴン車から現われる私の姿がおかしいらしい。この業界にはかなりミスマッチなコスチュームであり、クルマの色形なのだろう。
バブアーの分厚く重い革のカバンは頑丈である。王室御用達だ ヘンなブランド品より、とにかく安くて丈夫でいいよ。グローブ並みの厚い革で出来たカバンに油を塗り込んでメンテして使おう。ハードな物件巡りに最適だ。肩にぶら下げたまま両手が空くので、写真撮影も出来るし、あちこち触って強度のチェックも出来るし、メモもとれる。現場はなにかと両手を使うから。