ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

信貴山から高安山往復(2011.11.14)

2011-11-15 09:40:49 | 山日記

【登山日】2011年11月14日
【コースタイム】 信貴山駐車場09:23…信貴山朝孫寺…信貴山頂09:50~10:00…高安城倉庫群址10:30…高安山(487.4m)10:43~10:45…高安城址10:50~11:15…信貴山城址11:50…信貴山駐車場12:20

去年、仙台のciao66さんと登って、もう1年になる信貴山。♀ペンと来るのは3年ぶりだ。9時を過ぎたばかりなので駐車場に車は少なく、境内のお堂や宿坊もまだ掃除をされているところが多かった。本堂にお参りして回廊から見ると、まだ紅葉は始まったばかりのようだった。08年に来た時と3日しか違わないのに、今年はだいぶ遅いようだ。

虚空蔵堂から多宝塔の下を通って山頂の空鉢護法堂への道に入る。各地から寄進された赤い鳥居が並ぶ道を登っていくと、階段わきに「月参五拾年記念」の石柱があった。毎月欠かさず50年も登り続ける人の、信仰の篤さに驚く。また、別の場所(千手院近く)だが「信貴」の名前の方の寄進玉垣石を見る。これも親御さんの信仰を示すものだろう。そんなことを考えながら十数分登り続けて、汗ばんでくる頃に雄岳山頂(437m)の空鉢堂に着いた。今日は残念ながら霞がかかったような天気で展望はよくなく、葛城山も見えない。空鉢堂にお参りし、お堂の周囲を巡ると、竜神を祀った社がいくつもある。これは信貴山の祭神・毘沙門天がときに龍の姿で顕われるからだ。

最高点は神域内にあるはずだが、少し下った信貴山城跡に山名札がたくさんぶら下がっていた。
ここは天正5年、松永久長が織田信長の大軍を相手に50日にわたる籠城戦を繰り広げたところである。この下で奥ノ院への道に入り、少し急坂を下って左へ雄岳を捲くように行く。イノシシの掘り起こした跡が続く落ち葉の道で、誰にも出会わないので少し気味悪い。更に少し急な下りがあり、左へ毘沙門滝を経て山門への道が分岐する。「帰りは今の登り返しがあっても、元の道を帰ろう」と雌ペン。08年に通った滝周辺の感じが、荒れていて心霊スポットのようで不気味で嫌だそうだ。しばらく平坦な道を行き、大きく左にカーブして粘土質の急な登りになる。ここで初めて単独の男性に出会う。短い登りが終わり、足元にササが出てくると右手に「すぐ高安城倉庫群址」を示す分岐があった。

日本書紀に出てくる高安城の城は「シロ」ではなく「キ」と読む。白村江の戦で敗れた天智天皇が唐・新羅軍の来攻に備えて全国に築かせた防衛のための砦の一つが「倭国の高安城」である。ここは1958年に発見され、礎石は倉庫の址と言われたが、調査の結果、年代的に少し後のものと分かり確証はないようだ。

矢田丘陵が正面に見える展望地だが、今日は展望もなく、おまけに心無いハイカーの捨てたゴミで腰を下ろす気にもならず、すぐに引き返す。間もなく信貴生駒スカイラインに出会い、横断して向かいの斜面を登る。十三峠からの道と交わるT字路脇の電柱に「高安山→」「すぐ頂上」と大きく書かれている。前にはなかった山頂への踏跡は、急だがレンガを埋めて階段状にしたり歩きやすい。

サザンカの花が散り敷く林の中を少し登ると、見覚えのある三角点(487.4m)である。ここも食事をする雰囲気ではないので、写真だけ撮ってすぐに出発。前に何度か歩いたことのある車道の上の道を行くと、車道に下りてすぐ「高安山気象レーダー観測所」の前に出た。横の小さな空き地が「高安城址」の一部らしく、石碑の案内があった。ここにも「城域は高安山から信貴山にかけての山地に広がる」とあり、はっきりした位置は確定できないようだ。レーダーの建物を右に下ると、西信貴ケーブル高安駅にでる。

空き地の奥に高みへ登る踏み跡があり、気になるので少し登ると雑木林の中にこんな場所があった。石に「485.9M」の文字が見えるが標点はない。近くの木に古びた「高安山」の標識が下がっていた。国土地理院地図にも表示がないので、前はこことされていたものが現在の位置に移されたのかも知れない。矢田山に地図上の三角点と、「まほろば展望所」横の最高点があるのと似ている。487.4m三角点には何度か登っているが、ここへは初めてきた。「どんな山でも来る度に何か新しい発見があるね」と♀ペン。

観測所の横でチーズケーキとコーヒーで軽いランチをとっていると、ケーブル駅から男女3人のハイカーが登ってきた。三角点の手前でこの人たちと別れ、元の道を帰る。途中で女性2人組に二度であった。帰りは早く、山門への分岐からの登りも大したことなく信貴山城跡にでる。

歴史を感じる二つ(三つ?)の山頂と山城巡りをすませ、鳥居の道を下る。期待した紅葉には少し早かったが、爽快な気分で半日の山歩きを終えることができた。



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