後は下り一方で楽勝だと思っていたが、地図の点線路ではなく南の尾根を下る道は予想外に厳しかった。かなり急な傾斜に小岩が階段状に連なって、朝からの長丁場に疲れた足が悲鳴を上げる。ときどきコバノミツバツツジのピンクの花が目を慰めてくれるが、眼下に見える街の屋根がなかなか近くならない。
ようやく野見宿弥神社(地形図では墓)にきて思わず階段に腰をおろした。宿弥と関わりのある出雲大社千家氏の家紋が入った大きな石の扉の奥に石の祠があり、横綱常陸山を始めとする力士の寄進した玉垣で囲まれている。
たつの市のパンフレットによると、宿弥が大和から出雲に帰る途中、この地で病死し、出雲からきた大勢の人が川からリレー式に石を運んで墓を建てた。「野に立つ人」→「立つ野」→「龍野」となったという地名伝説である。
石段を下ると松平定信が眺望を絶賛したという聚遠亭の一角で、見上げると桜の花越しに的場山が高かった。
花見客で賑わう竜野公園の「さくら路」前のテーブルに陣取って、缶ビールとSさんが運んできてくれた地酒で乾杯し今日の山行を終えた。
全行程約16km、低山とはいえ起伏に富んで結構しんどい、しかし充実した6時間の歩きでした。
この山塊、東から眺めると
釈迦の涅槃図に似ていることから
寝釈迦とも言われてますよ。
私が登った頃は知りませんでしたが
いつのまにか「新龍アルプス」なんて
粋な名前が付いてます。
まさに、お釈迦様でも気が付くめえ~!
合併前の新宮・竜野両町や越部古道保存会が力を入れて、道標や案内図を設置されたようです。
しかし、平日のせいか山の中では3人に出会っただけで静かでした。