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ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

天空の花園・白山登拝(2)2014.08.03

2014-08-08 08:13:54 | 山日記

室堂~御前峰~御池巡り

廊下を行き来する人の気配で時計を見るとまだ3時半である。トイレを済ませ、雨具を着て水とカメラ、貴重品だけも持って外に出る。真っ暗で星も見えない。ヘッドライトの灯りが点々と山頂に向かって動いている。

4時、出発。長い列に加わって歩くうちに太鼓の音が聞こえ、日の出に間に合うか気は逸るが足は重く、若い人に追われがちになる。下駄を履いた神官とお付きの人、巫女らしい女性の3人が、声をかけて行列の横をすり抜けて登っていく。天地の境・青石は黒い影だったが、高天原を過ぎると次第に明るくなり、ジグザグの道を登る先行の人影も見えるようになる。三輪さんは体調がよくなく丸さんが付き添って途中から下山する。二人で登り続けるが勾配は更に強まり、足どりが遅れがちになる。

頂上の一角に着いた時は濃い霧の中で風もあり、寒さで手がかじかむほどだった。すでにお日の出の時間は数分過ぎている。大勢の人に交じって待つうちに霧が流れ、美しい橙色に染まった雲の間から真紅の真円が姿を現した。

期せずして感動のどよめきが起こり、やがて万歳三唱の声が暁を震わせた。

展望図台の前から見ると、白山神社奥宮社では神主さんが祝詞をあげ、お祓いを済ませたところだった。しばらく神妙に頭を下げて祝詞を聞いて、三角点に行く。

記念写真を撮る長い行列に並んで、後ろの人にシャッターを押してもらう。またガスが出てきて、殆どの人は登拝道を下って行った。頂上滞在1時間で予定通り御池巡りに出発する。

しばらくガスの稜線を北へ進み、風化した岩の道を急降下する。御宝庫を左に過ぎると、大汝峰を正面に、これから辿る尾根道の左に油ヶ池、右に紺屋が池を見下ろす絶好の展望地に出た。ここからジグザグの急坂を下るうちに、男女のペア、5人のグループと前後するようになる。

火口の底に降り立って、先ほどの2つの池を間近に見て少し登る。

雲が切れて剣岳が正面に、その左に白馬岳から続く後立山連峰の姿がくっきりと現れた。 

1042年の白山爆発による代表的な火口湖・翠ヶ池は青々とした湖面と残雪のコントラストが美しかった。

満々と水をたたえた血の池を見て、千蛇ヶ池に来る。

白山開山の祖・泰澄が千匹の蛇を閉じ込め雪で蓋をしたという伝説の池は、多年性の雪渓で湖面全体が真っ白に覆われていた。ここで室堂に行く近道があるが、もう来ることが出来ないだろう私たちは、少し遠回りになるが「お花畑コース」に入る。

チングルマ(1)、コイワカガミ(2)、アオノツガザクラ(3)

ハクサンコザクラ(1)、オオヒョウタンボク(2)、キヌガサソウ(3)、ゴゼンタチバナ(4)などの花をカメラに収めながら、

最後は、見渡す限りのクロユリの大群落を見収めて室堂に帰る。山頂から約1時間半、楽しいハイキングだった。



4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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オレンジ色の日の出 (ciao66)
2014-08-07 22:55:05
ガスの向こうに日の出が見えて、オレンジ色のフィルターがかかったよう。不思議な色ですね。

万歳三唱はお祝い事、それは自分たちの登頂祝い?と思ったのですが・・・
太陽が出たことへのお祝いですね。
天照大神が姿を現したと!

火口湖の水が満タンに近くてこぼれそうです。
とても美しい景色ですが、ちょっと気になるのです。

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Unknown (たぬき)
2014-08-08 05:04:06
ご来光、展望、お鉢めぐり、そしてお花と、いっしょにめぐっているような気分になりました。

クロユリの群生地があるのですね。
室堂辺りで見ましたが、こんな群生があるとは!


ありがとうございます(^^)/
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ciao66さんへ (変愚院)
2014-08-08 10:16:25
「お日の出」は霊山にふさわしい神秘的な光景でした。
後で知ったのですが、万歳三唱は神官の発声で唱和するそうです。

火口湖の水は沢や伏流となって、麓の田畑へ恵みをもたらすのでしょうね。
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たぬきさんへ (変愚院)
2014-08-08 10:21:36
空身の行動でしたので、写真をバチバチ撮れました(笑)
クロユリがこんなに群生しているのを見たのは初めてです。
すっかり堪能するくらいでした。


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