ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

大雪山に登りました (2.黒岳)

2015-08-05 08:45:35 | 山日記

 7月29日。黒岳に登る。ただし旭岳からの縦走ではなく、リフト終点からの往復楽チン登山である。昨夜泊まった層雲峡温泉の宿にもエアコンがなく、おまけに虫が入るので網戸がなく蒸し風呂のようだった。しかし、少し疲れていたのか、短時間ながらぐっすり眠れた。

今日はガスが去来するものの、まずまず好天気で、黒岳ロープウェイの窓からは行く手の山頂がくっきりと望めた。

黒岳駅は五合目1300m地点にあり、駅舎屋上の展望台に登ると黒岳、桂月岳、凌雲岳、上川岳がずらりと並んで見えた。

ここが黒岳への登山口になるが、私たちは今日中に帰宅するので、キタキツネやエゾシカの足跡の残る舗装路をリフト乗り場へ急ぐ。道の傍らには

タカネトウチソウや

モミジカラマツなどの花が咲いていた。

冬はスキー用となるペアリフトは、足元の草原に咲く高山の花を見ながら、僅か15分で七合目降り場まで運び上げてくれる。ロッジの前から歩き出して5分ほどで七合目の標識が立っている。昨日の旭岳に比べて距離は短いが頂上まで465mの標高差がある。

ごろごろの岩塊の急勾配の道を何度も折り返してジグザグに登って行く。東斜面で朝日を背に受けて登ることになるが、曇り空で日差しがないので助かる。それでも昨日に増して噴き出してくる汗を、絶えず拭いながら高度を上げて行く。

ダイセツトリカブト、

ハイオトギリソウ、ウメバチソウ

エゾヒメクワガタと枚挙に暇のないほどの花の楽園である。八合目からはさらに多くの高山植物と出会う。

 

中でもチシマノキンバイソウとミヤマキンポウゲは斜面一面を黄色に染め上げていた。

急なジグザグ道の連続だが、まねき岩を過ぎると頂上部が望め、降りてくる人が「上は晴れていますよ」と励ましてくれる。



最後の急坂を
ゆっくりと登り切って10時、1984mの山頂に立った。右手に三角点のあるピークが見えるが、登山路が崩壊していて立ち入り禁止になっていた。

霧が晴れて昨日登った旭岳が右手遠くに、

その左に北鎮岳、北海岳が並んでいたが、雲が流れてすぐに姿をかくしてしまった。

山頂でも

コマクサや

トカチフウロ、

イワツツジ、

エゾヒメツメクサ

イワキキョウなど数多くの高山植物を見ることができ、「花の百名山」の名に恥じぬ美しさだった。

この日も滞在20分で慌ただしく頂上を後にする。

同じ道をピストン、五合目でエゾシマリスに見送って貰い、始めての北海道の山とお別れした。