ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

鴨川ホルモー

2009-07-13 14:26:11 | 読書日記
♀ペンが同窓会に行ったので、昼から(第三の)ビールを飲んで寝ころんで、
しばらく前に買ったこの本を読む。



筆者は京大法学部出身とかで本書がデビュー作だそうだ。
二作目の直木賞候補となった「鹿男あおによし」はTVの連続ドラマで
見ていた。
「さあ、神無月だ。出番だよ、先生」とかシカがいうのが面白かった。

ところで本作は、オビに「謎の競技ホルモーにかける青春と恋」とあり、「解説」によると「ばかばかしくて面白い」本だそうだ。
競技とは要は、京都の東西南北にある京大、立命館大、龍谷大、京産大の4校がオニを使って闘うというものだが、その歴史、戦闘場面も含め、すべてが軽い。
「青春と恋」までが(先が読めていることもあって)軽く見えてしまう。

オビの裏には「前代未聞の娯楽大作」などとあるが、発行元の角川文庫編集部の人は、例えば自社早川書房が昭和48年(1973)に発行した半村良の「産霊山秘録」あたりと是非読み比べて欲しい。



(写真は平成4年祥伝社版、原作はSFマガジン連載中から読んでいたが、再読のために買っていた。他の半村良と廣瀬正の諸作と一緒に残している)

『カバー裏の惹句を載録すると…
<ヒ>一族 -日本歴史の動乱期に必ず1出現し、暗躍する一団。
彼らは三種の神器”御鏡(みかがみ)・依玉(よりたま)・伊吹(いぶき)を用い、念力移動(テレポーテーション)、遠隔精神感応(テレパシー)といった人智を超えた特殊能カを駆使し、天下を平ぐため、跳梁…。
本能寺、関ヶ原、幕末、そして戦後にわたる<ヒ>一族の運命を、斬新な視点と壮大な構想で描き、第一回泉鏡花賞を受賞した著者渾身の傑作、登場!』

とにかく馬鹿馬鹿しさ(奇想天外といってもいい)のスケールが桁違いだ。
猿飛佐助や、坂本竜馬まで出てくる。これを機会に三度目に読んでみよう。
これこそ寝る間も忘れて読みふけるだろう。

ところで肝心の万城目くんだが、三作目の「プリンセス・トヨトミ」が出て、これで京都・奈良・大阪の三都物語か…。
文庫本になって、他に読む本がないときに読むことにします。