ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

法華寺の守り犬(奈良)

2006-01-05 17:27:54 | 旅の想い出
奈良法華寺は元藤原不比等の屋敷を娘の光明皇后が后宮とし、
のち総国分尼寺として建立したもので「法華滅罪之寺」とも
呼ばれました。かっての七堂伽藍の面影も今は偲ぶばかりです
が、こぢんまりとした尼寺にふさわしい雰囲気のお寺です。

このお守りは尼僧の手で一体一体心を込めて作られています。
材料は粘土で、これに護摩の灰を混ぜてイヌの形にし美しい彩色
を施します。安産(イヌにちなんで?)の他、縁結びや諸難封じ
などに霊験あらたかといわれています。
大中小の三種がありますが、私たちは中と小を授けて頂きました。
非常に可愛いサイズで中は4㎝、小は2㎝ほどの大きさです。
(ちなみに「佐度原のイヌ」の座高は12㎝ありました)



お守りを授かったのは1975年5月1日です。この日は春の庭園と
客殿が特別公開され、宝物庫も公開される10日間の初日でした。
この庭園は「仙洞うつし」と呼ばれ、御所の庭をうつしたものと
いわれています。



後ろの建物は「から風呂」です。今でいうサウナ風呂の様式です
がこんな伝説があります。悲田院などの福祉慈善事業で名高い
光明皇后は、千人の人に施浴させるという願をかけられたところ、
千人目に来たのが全身がただれたライ病患者。しかし、皇后がその
膿を吸おうと唇をよせられた時、病人は全身から金色の光を発しま
した。実は病人は阿閦(あしゅく)如来の化身だったのです。

光明皇后は非常に美しい方で、本尊の十一面観音はそのお姿を
写したものとされています。