昨日、沖縄県の翁長雄志知事が、名護市辺野古での米軍新基地建設のための公有水面埋め立て承認の取り消しを発表しました。 翁長知事の決断を強く支持したいと思います。
翁長知事は、記者会見のコメントで、「今後も辺野古に新基地を造らせないという公約の実現に向け、全力で取り組みたい」と語っています。 そして記者団との質疑応答の中で、次のように語っていることに大きな共感を覚えました。 以下、「しんぶん赤旗」10月14日付より、転載させていただきます。
「(承認取り消しの意義) 戦後70年のあり方、沖縄の過重な基地負担や、地方自治体がここまで国に追い詰められており、日本の民主主義について国民全体が考える機会になればいいと思っている」
「(本土の世論について) この1年間、(辺野古新基地問題について)世論調査のほとんどで、辺野古には基地をつくってはいけないという本土の方々の理解が進んできたことは、大変心強い」
「(普天間基地をどうするか) 普天間飛行場の原点は、戦後、県民が収容所に入れられている間に強制接収された。 それ以外の基地もすべて強制接収されており、沖縄県民が差し出したものは一つもない。 普天間の危険性を除去するために辺野古に移すということは、自分で土地を奪っておきながら、代わりのものも沖縄にさしだせという理不尽な話だ」
「(法廷闘争について) 政府を相手にするので、そう簡単ではないことは分っていいる。 ただ、どういう状況であっても、新辺野古基地は造れないだろう。 工事も難しく、沖縄県と名護市も決意をもって対応している。(新基地は)10年でできると言っているが、普通にいっても10年は固定化することになる。 5年以内(2019年までの)運用停止が普天間の危険性の除去ということになると思う。 万が一、基地ができたら、今後200年間、沖縄県民の意思と関係なく、そこに大きな基地が出来上がり、自由自在に使われるようになる。 (基地建設の口実として)中国の脅威がとりざたされているが、200年間、そういった脅威は取り除かれないという認識なのか」
「(普天間基地固定化の責任は翁長知事にあるという喧伝について) それが日本の政治の堕落だ。 私に外交権があるわけではない。 年中上京して、他の市町村や知事に『頼むからうけてください』とお願いして歩くのが沖縄県知事の責務なのか」
同紙には、辺野古埋め立て承認の法律的瑕疵について検証した沖縄県の第3者委員会委員を務めた桜井国俊沖縄大名誉教授(環境学)のコメントが掲載されました。 同氏は次のように語っています。
「翁長知事が承認を取り消せば、国は行政不服審査法の制度を使ってこれを無効化し、ありとあらゆる強硬手段で新基地建設を進めてくるでしょう。 それでも。知事の承認取り消しには意味があります。 なぜなら、前知事による瑕疵の問題というのは、沖縄の未来をどう考えるかに直結しているからです。 埋め立てた国有地に新基地ができれば、沖縄のすばらしい自然が駄目になるだけでなく、基地の永久化にもつなっがります」
「ここで譲れば沖縄の未来がない。 正義はわれわれの側にある。 選挙で示された新基地反対の民意を無視し続ける政府に『民主主義はこれだ』と私たち自身が示していく。 このことを県民が広く確信し、諦めずにたたかい続けるためには、翁長知事の取り消しが第1歩なのです」
「専門の立場から強調したいのは、環境アセスメント学会の当時の会長から『史上最悪のアセス』と言われた、手続き的にも科学的にもむちゃくちゃな防衛省の環境影響評価を認めてしまえば、環境を守るためのアセス制度が沖縄から崩れていくということです」
「いま日本全体が歴史の大きな分かれ道に来ていると思います。 福島の復興や原発再稼働、TPP(環太平洋連携協定)にしても、国民にまったく相談なく決められていく。 これが民主主義なのかと問い、いま声をあげなければ取り返しがつかないことになります。 沖縄の直面している事態も、根は同じだという見方をしてほしい」
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