6月2日、6月大和市議会が始まりましたが、それを前に5月27日、市長の定例記者会見が行われました。
5月28日付け「神奈川新聞」は、その内容を次のように報じました。
● 「厚木基地第4次爆音訴訟の自衛隊機の夜間飛行差し止めを命じた横浜地裁判決について、『被害解消へ、米軍艦載機の(岩国)移駐を1日も早く実現するなど、国に全力で取り組むように強く望む』と述べた。 判決は騒音による睡眠妨害を『健康被害に直接結びつく可能性があり、相当深刻』と指摘している」・・・・判決に対する大和市長コメント
● 「大木市長は騒音の健康影響調査について、『現時点では予定はない』と明言。 「食べ物でも『健康にいい』という人もいれば、、『健康によくない』という人もいる。 いろいろな解釈や考え方がある状況で調査を行う予定はないとした」
また、5月31日付け同紙は、厚木基地周辺の市長発言とあわせて、ふたたび、先の大木哲大和市長発言を紹介しています。、
● 「感情的な理由で議論するのではなく、数字の把握は必要。相模原1市だけでなく、騒音被害を受けている広域で連携し、データを集めた方がいい。 相模原市の加山俊夫市長は客観的なデータを得る手段として、調査の必要性を指摘するとともに、周辺自治体で足並みをそろえることの重要性を挙げた」また、「他市と連携がとれれば、県や周辺市による騒音対策協議会などの枠組みで取り組むことになるとの見解も示した」
● 「綾瀬市の笠間城治郎市長は、『睡眠妨害が少なからず健康に影響を及ぼすという判決の指摘は常識的な判断』と評価する一方、『調査は騒音の原因をつくっている国が行うべきで、県や他市と連携し、国に働き駆けていきたい』と基本的には国の問題とした」
● 「健康への影響について、座間市の遠藤三紀夫市長は『住宅の事情や本人の受け止め方、体調、さまざまいろいろな要因が作用するので具体的に調査するのは不可能との認識を示した上で、『抜本的な解消には米軍機の移駐が何より必要だ』と強調した」
横浜地裁判決を改めて紹介しておきたいと思います。
【自衛隊機の飛行差し止め請求】
「原告らは、かなり程度の高い騒音により①睡眠妨害②会話、電話、テレビ視聴、読書、学習などの生活妨害③不快感健康被害への不安などの精神的苦痛―という被害を受けている。 睡眠妨害は被害の中核の一つで、厚木基地周辺でのうるささ指数(WECPNL、 W値)75以上のかなりの地域で、夜間に健康の悪影響が心配されるほどの騒音が発生している。 程度も相当深刻というべきだ」
【過去に発生した分の損害賠償請求】
「厚木基地は国家賠償法上の『公の営造物』であり、本件で問題となる2005年1月1日以降、W値75以上の地域に住む住民は、世界保健機構(WHO)のガイドラインが設定している値や環境基準に照らしてもかなり程度の高い騒音にさらされている。 原告らを含む周辺住民の受けている被害は健康や生活環境に関わる重要な利益の侵害であり、生命や身体に直接危険をもたらすとまではいえないものの、当然受忍しなければならない程度のものとはいえない」
爆音の最大の元凶は、米軍艦載機であることは、だれも否定できない事実です。 そして、その爆音被害が「受忍の限度を超え、世界保健機関の設定基準をも超える異常なものであるころが今回初めて、判決上認定されたのです。
こうした爆音被害は、個人の体質上や、考えの違いを超えて発生していることに最大の特徴があるのです。 その責任は、国と米軍にあることのも全く明瞭です。
同時に、厚木基地周辺自治体首長や議会の役割が問われているのではないでしょうか。
「国の責任だから、国がやればいい」しかし、「国が動かない場合はどうするのか」 せめて、加山俊夫相模原市長のような対応は必要であり、可能ではないでしょうか。