じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

片岡義男「甘く優しい短篇小説」

2020-09-26 18:15:11 | Weblog
★ 反りの合わない2人の女性が同じ部屋で一夜を過ごしたら大変なことになった。片岡義男さんの「甘く優しい短篇小説」(新潮文庫)から表題作を読んだ。

★ ある作家、写真家の女性編集者から紀行文を依頼される。連載の予行演習ということで小旅行を計画。同じとき、この作家にかねてから長編小説を依頼していた別の女性編集者から、構想を話し合いたいと連絡がある。ちょうど良い機会なのでと、作家は二人の女性と旅先で食事をすることに。

★ 初体面。食事中は和やかに鶏鍋をつついていたが、一夜が明けて、同じ部屋に宿泊した2人の女性編集者はお互いに罵り合いを始める。

★ 短い作品ながら、全体は4部構成。最後の第4部が面白い。いやぁ、女性は恐ろしい。この顛末、件の作家は、甘く優しい恋愛小説にまとめることができるのやら・・・。
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ドラマ「盤上の向日葵」

2020-09-26 02:18:50 | Weblog
★ 柚木裕子さんの「盤上の向日葵」(中公文庫)が文庫になったので買った。上下2巻。さっそく読もうかと思ったが、待ちきれず、昨年,NHKで放映されたドラマ(4回シリーズ)を観た。

★ 彗星のごとく現れたプロ棋士。東大卒、IT企業の社長という華々しい肩書を捨て、奨励会を経ず、特例でプロ入りが認められた。まずは彼の生い立ちと、名工の手による将棋の駒を抱いた白骨死体の捜査という、二つのストーリーが並行して進む。

★ 白骨死体は誰なのか。なぜ将棋の駒を抱いていたのか。棋士との関係は。

★ 大友康平さんが演じるベテラン刑事と蓮佛美沙子さんが演じるかつてプロ棋士を目指した地域課の新米刑事が真相に迫る。

★ ベテラン刑事と新米刑事とのペアというのは男女の差こそあれ「孤狼の血」のパターンだ。最初新米刑事(それも女警察官)と組むのを煩わしく思っていたベテラン刑事が、事件を追う中でお互いを認め合うというパターンは、乃南アサさんの「凍える牙」のようだ。

★ 棋士役の千葉雄大さんも良かった。柄本明さんはさすがだ。そして竹中直人さんの鬼気迫る演技。すごいねぇ。面白いドラマだった。
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