じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

井沢元彦「明智光秀の密書」

2022-10-01 16:55:57 | Weblog

★ スーパーに並ぶビール類の値上げを見て、物価高を実感する。コロナ対策同様、政府の物価対策も後手気味だ。

★ さて、今日は日本推理作家協会編「ミステリー傑作選17 とっておきの殺人」(講談社文庫)から、井沢元彦さんの「明智光秀の密書」を読んだ。

★ 本能寺の変の黒幕は誰なのか。朝廷なのか、足利将軍なのか、徳川家康なのか、あるいは他にいるのか、今なお歴史ミステリーだ。

★ この作品では、明智光秀は足利義昭を介して毛利と手を組み、信長を倒したことになっている。

★ 今のように電話や電信がなかった時代。本能寺の変を秀吉軍に知られずにどうやって毛利に知らせるか。光秀は健脚で知られる家臣に密書を持たせ西に向かわせた。

★ しかし、その家臣が秀吉軍に捕まり、密書が奪われてしまう。密書は暗号で書かれており、この暗号解読が作品の中核になっている。

★ ところで明智光秀、なかなか決断ができない人として描かれている。信長や秀吉が動物的直観や奇策に秀でていたのに対して、光秀はインテリであるだけに迷いが生まれたのであろう。先が見えてしまうと怖くて二の足を踏みがちだ。

★ こうした光秀にあって、信長を討つという決断は彼の家臣をして驚かせた。

★ 「決断と実行」とは、どこかで聞いたようなスローガン。決断できない人が自らを鼓舞するために掲げたものか。こういう御仁に限って、決断のしどころを誤るものだ。

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