じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

浅田次郎「歩兵の本領」

2023-06-15 15:49:29 | Weblog

★ 朝日新聞「天声人語」で取り上げられていたので、浅田次郎さんの「歩兵の本領」(講談社刊所収)を読んだ。

★ 満期を迎える若い自衛官。彼は除隊を決意している。一方、自衛官不足に悩む幹部たちは彼が翻意し、任官を継続するように説得する。

★ 元自衛官として「娑婆」で生計を立てることの厳しさを説かれ、不安がないわけではないが、彼の決意は固かった。

★ 幹部を前にしての最終確認。そして除隊式までの数日が描かれている。隊を去る者、残る者、それぞれの思いが交錯していく。

☆ 自衛隊は民間人にはあまり馴染みのない社会だ。そもそも私は「満期除隊」の意味さえ知らなかった。自衛官は階級に応じて除隊の年齢が決まっているそうだ。

☆ 企業社会と類似した雰囲気もあるし、自衛隊(軍隊)ならではの特殊性も感じた。主人公が隊を去るにあたり最も後ろ髪をひかれたのが配給された小銃であったというのが印象に残る。

☆ 彼は同期の中では射撃に傑出していたという。彼は青春の日々をこの鉄の塊と切磋琢磨したのであろう。彼にとって銃もまた戦友であったのだろう。

コメント