じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

堤未果「堤未果のショック・ドクトリン」

2023-06-08 15:12:14 | Weblog

★ 市府民税の納付書が届いた。その金額を見てびっくり。例年こんな金額だったか。この分では近々届く国民健康保険料も気がかりだ。果たして納付した税金や保険料は有意義に使われているのだろうか。知らないうちに搾取されているようにも思う。

★ そんな気分の最中、「堤未果のショック・ドクトリン」(幻冬舎新書)を読んだ。ジャーナリストの本なので、学者の本のような小難しさがない。30分もあれば読めるのでありがたい。

★ 堤さんは、NHK「100分de名著」で、ナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン」を解説。本書の表題はそこから来ているようだ。

★ そもそもショック・ドクトリンとは何か。堤さんは「ショック・ドクトリンとは、テロや戦争、クーデターに自然災害、パンデミックや金融危機、食糧不足に気候変動など、ショッキングな事件が起きたとき、国民がパニックで思考停止している隙に、通常なら炎上するような新自由主義政策(規制緩和、民営化、社会保障の切り捨ての三本柱)を猛スピードでねじ込んで、国や国民の大事な資産を合法的に略奪し、政府とお友達企業群が大儲けをする手法」(37頁)と定義されている。

★ そしてチリの事例から、そのプロセスを「①ショックを起こす ②政府とマスコミが恐怖を煽る ③国民がパニックで思考停止する ④シカゴ学派の息のかかった政府が、過激な新自由主義政策を導入する ⑤多国製企業と外資の投資家たちが、国と国民の資産を略奪する」(43頁)と分析している。

★ 現代史を振り返ってもショックは至る所に存在する。本書では9.11以降のアメリカの急展開がルポされていた。自由な国が全体主義国家に転換する様子を。

★ 日本でも3.11が1つの転機になっているようだ。本書では特に3つの政策(マイナンバー制度、コロナショック、脱炭素)に焦点を当て、疑問を投げかけている。

★ 本書ではあまり取り上げられていないが、安全保障などは来るべき課題になりそうだ。防衛(軍事)予算の増額、反撃(敵地攻撃)能力、徴兵を含む戦争協力や緊急事態の名による自由の剥奪など、かなり現実味を帯びている。

★ 「すべてを疑え」という先人の名言を思い浮かべた。 

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