じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

コナン・ドイル「赤髪組合」

2021-02-25 01:06:42 | Weblog
★ 数日前の「天声人語」、コナン・ドイルの「赤毛組合」が引用されていたので、「シャーロック・ホームズの冒険」(新潮文庫)から「赤髪組合」(延原謙訳)を読んだ。

★ ワトソンがシャーロック・ホームズを訪ねると、ちょうど赤髪の中年男が来ていた。遠慮して立ち去ろうとするワトソン。しかし、シャロック・ホームズはそれを止め、赤髪男の不思議な事件に引き入れる。

★ 赤髪の男は事件について語る。ちっぽけな質屋を営むこの男、新聞で「赤髪組合」の求人広告を見たという。ごく簡単な仕事で、ちょっとした収入が得られるというもの。怪しげな話だが、収入の魅力には勝てず、男は面接会場へ。うまい話に乗せられて、既に多くの人々が集まっていたが、なぜか、この赤髪の男が採用されてしまう。

★ 簡単な仕事とは、大英百科辞典を書写するというもの。男はまじめに働き、週単位で約束の収入を手にする。しかし、ある日、いつものように男が作業場へ行くと「赤髪組合は解散しました」の貼り紙が。わけがわからず、男は評判のシャーロック・ホームズを訪ねたという。

★ 「赤髪組合」の目的は何か。読者はシャーロック・ホームズたちと共に謎解きに参加する。1891年発表の作品だということに驚く。短くて、トリックもシンプルだが、100年以上たっても面白い。

★ さて、「天声人語」がこの作品を引用したのは、例の「知事解職請求署名」疑惑について。呼びかけた人々は知らぬ存ぜぬだが、誰かが署名を書写(偽造)したのは間違いなさそうだ。シャーロック・ホームズならこの謎をどう解くやら。  
コメント