じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

三浦哲郎「とんかつ」

2021-02-15 18:35:57 | Weblog
★ 京都府の私立高校の合格発表がピークを迎えている。ラインで、電話で、来訪で、「先生、合格しました!」の喜びの声が届く。塾稼業をしていて、この瞬間が最高の至福の時だ。この一言のために、生徒と共に頑張ってきた。

★ さて、明日は京都府の公立高校前期入試、そして3月8日は受験者が最も多い中期入試だ。あとひと月弱。もうひと頑張りだ。

★ ということで、晩御飯は「かつ丼」を食べ、三浦哲郎さんの「短篇集モザイクⅠ」から「とんかつ」を読んだ。

★ 「とんかつ」は高校国語の教科書にも採用されたという。北陸の裏通りにひっそり佇む和風の宿に母親と中学を出たばかりの男の子が宿泊する。聞き慣れない方言、何か陰気な雰囲気。宿の者たちは「もしや」と陰口をたたく。近くには自殺の名所が・・・。

★ 翌朝、軽装で出かける母子。しばらくして、帰ってきた息子を見て宿の人は驚く。すっかり頭を刈っていた。事情を聴くと、父親の住職が交通事故で亡くなり、息子があとを継ぐために近隣の名刹に修行に入るのだという。

★ 母子水入らずの(ある意味)最後の晩餐。母親は息子の好物である「とんかつ」を夕食に注文する。宿の女将の心遣いでじっくり揚がった分厚いとんかつ。実にうまそうだ。

★ そして1年。息子がけがをしたというので、母親が再び見舞いに訪れるのだが。

★ 「かつ丼」と言えば、吉本ばななさんの「キッチン2 満月」で描かれているのもうまそうだ。

★ 何はともあれ、受験生、ガンバレ!
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