じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

柳広司「アンブレイカブル」から

2021-02-21 15:37:30 | Weblog
★ 柳広司さんの「アンブレイカブル」(角川書店)から「雲雀」を読んだ。面白かった。

★ 柳さんと言えば戦前の日本のスパイ組織を扱った「ジョーカー・ゲーム」が有名だ。昔懐かしい市川雷蔵さん主演の映画「陸軍中野学校」を思い浮かべながら読んだものだ。

★ その柳さんが今回描いたのは、戦前官憲により検挙され、時には拷問死させられ、時には獄死させられた小林多喜二、三木清など4人の物語だ。「雲雀」は小林多喜二の話。官憲に文字通り痛めつけられる労働者や資本主義の矛盾を暴露したプロレタリア文学者。彼を快く思わない内務省の役人が彼を陥れようと罠を仕組んだ。

★ 「もはやこれまで」と思った場面でのどんでん返しには、思わず噴き出した。

★ 文学史の勉強で、小林多喜二と言えば「蟹工船」、プロレタリア文学者としか学ばない。私は彼が銀行員だったことを初めて知った。

★ この作品を読んで「蟹工船」や小林の他の作品を読んでみたくなった。書棚に「蟹工船・党生活者」はあるのだが、昔の発行なので字が小さくて難儀だ。改めて買おうかそれとも「青空文庫」で読もうか。アマゾンのキンドルでも読めるようだ。
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