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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

こちらもカン

2011-01-31 12:27:47 | 日記
 パソコンを使っている人ならIPアドレスという言葉を聞いたことが無い人は、今の世の中ほとんどいないだろう。インターネットプロトコルの略で、この通信方式が優れていたために、これほど一気に世界はインターネットで覆い尽くされるようになったのだ。しかしこの方式を使うためには、インターネットに繋がる機器は世界でひとつだけのIPアドレスを持たなければならない。現在普及しているIPv4という方式では、表現できるIPアドレスの最大パターンが約43億個だ。世界の人口はすでに68億人から69億人なので、人類の総数よりIPアドレスのほうがずっと少ない。
 
 インターネットを健全に運営していくためにも、IPアドレスは全世界でダブりなくきっちりきれいに配布されていかなければならない。これを世界的に管理しているのがアイキャン(ICANN)というアメリカにある団体だ。この下に世界を5地域に分けて北アメリカ・ヨーロッパ・アジア太平洋・中南米・アフリカの各地域を管理する団体が存在する。ちなみにアジア太平洋を管理する団体はエーピーニック(APNIC)といい、本部はオーストラリアに置かれている。その下に国別の管理団体があり、日本の管理団体はジェイピーニック(JPNIC)という。日本のプロバイダーはこのJPNICに申請してIPアドレスを割り振ってもらっているわけだ。
 ところが、いよいよ明日2月1日、ICANNが払い出せるIPアドレスの束が底をつくらしい。在庫切れである。下部組織である地域毎の5団体はまだ在庫を持っているらしいが、それも今年10月ごろには品切れになる見通しだという。JPNICもそう遠くない将来、在庫切れになるだろう。新しいIPアドレスが利用できないと、新しいシステムが作りづらい。システム移行にかなりの負担がかかる。だが、無い袖は振れない。IPアドレスが枯渇するのは、もう少し先だろうと思っていたが、今そこにある危機だったのである。

 この危機に対応するため、IPv6という新方式が少しずつ動き出している。IPv4の最大IPアドレス個数が約43億個だったのに対し、IPv6で使えるIPアドレスは約340澗(カン)という聞いたことが無いような、聞いたことがあるような単位のとてつもない個数使えることになる。最近は何かあるとカンカン言っているので聞いたことがあるような気になるのだろう。澗(カン)という単位は、10の36乗を言う。1兆×1兆×1兆が1澗だが、その約340倍の数のIPアドレスが使えるということだ。おそらく人類が銀河系全体に広まってもなお、IPv6ならすべての機器にIPアドレスを割り振ることができるだろう。

 残念なことだが、システムインフラが高度にガチガチに出来上がってしまっている日本ではIPv6への総合的な切り替えはかなりリスクを伴う。その点、これからインフラを整備しようという新興国では最初からIPv6を使ったシステムインフラを整備すればいいので比較的安価に最新技術を手にすることができる。ここでもまた、日本は将来に対する不安材料を抱えていることになる。IT技術で世界的な競争ができる舞台は、中国やインドに立ち上がりつつあるが、日本は切り替え経費がかさむために足踏み状態だ。国を挙げて切り替え目標を立ててもいい話かもしれない。


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役務という税

2011-01-28 00:50:25 | 日記
 高齢者の万引きが増えているという。昨日の夕刊に載った記事によると65歳以上で逮捕・書類送検された人が2万7千人を超え、20年連続で前年を上回って増えているようだ。朝日新聞の夕刊の紙面構成はかなり皮肉で、この記事の隣に、警察関係者が事件を起こして処分される人も増加しており、高い階級の人が増えていることを載せていた。

 ネットで高齢者の万引きの件を再確認してみると、各マスコミの記事が微妙に違う。気になるのは数字の扱いだ。朝日は「逮捕・書類送検された」数であると言っているが、時事ドットコムでは、単に「警察庁のまとめ」としか言っていない。読売は「摘発された」数と言っている。日経は「摘発した」数と言っている。

 約2万7千人という数字がどういう数字なのか、この手の記事ではきっちりわかるように表現すべきだろう。その意味で朝日の「逮捕・書類送検された」数だ、という表現がより妥当性が高い。なぜこんなことにこだわるかと言えば、65歳以上の高齢者の万引きに関する記事だからだ。例えば70歳のおばあちゃんが万引きしたとする。これを見つけて店の人が捕まえた、とする。一般人が考えれば、これは「摘発された」数の一つと考えがちだ。しかし、2万7千人の中にこの数字は入っていないのだ。2万7千人は、あくまで「逮捕・書類送検された」数なのだ。おそらくどこのスーパーでも、70歳のおばあちゃんの万引きを1回捕まえたくらいで警察沙汰などにしないだろう、と私は思う。

 最初はおばあちゃん自身に係りの人が説教し、何回もそれを繰り返したら家族を呼んで注意し、それでもエスカレートするばかりと言うことになっていよいよ警察に依頼、警察が「摘発して」書類送検するか逮捕する、ということになるのだろうと思うのだ。つまり2万7千人というのは決して高齢者の万引き犯の実数ではない、ということだ。実際に万引きしている高齢者の数となれば、この何倍にもなるだろう。そういうイメージができる記事と、できない記事がある。記者の技量や理解の深さが、表現の違いになって現れる。

 「逮捕・書類送検された」高齢者万引き犯の約半数が女性だ。強い道徳観を教育されてきたはずの高齢者が、おそらく悪質な常習者として警察に捕まるまで身を持ち崩してしまった訳はいったいどこにあるのだろうか。
 少子化が進み、自殺者が増えている理由と繋がるところがありそうな気がする。戦後日本が作り上げてきた社会の構造的欠陥が、このようなひずみを生み出しているのだろう。

 こういうひずみ、構造的欠陥をそのままにして、金ですべてを解決しようという風潮が根強い。この国をどうするか、という論議は税や年金、医療費など、金に関する話しばかりが先行する。自分の所にいくら分け前がまわって来るだろうかとそればかり気にしている人が多いのだ。未来を見据えた制度や仕組みを考え、議論する機会はほとんどない。

 税金を役務で払う制度を作るべきだ、と言うのが私の意見だ。この案は以前もこのブログで書いた。若者に徴兵制のような社会奉仕の役務を課す。1つは介護、1つは保育。同じように定年後すぐの高齢者も介護や保育、地域活動などの役務を増税し、一定の役務を支払った者のみ年金がもらえるようにするなど、どうだろうか。役務とは金でなく、仕事で支払う、ということだ。カーボンオフセットの考え方のように、役務はできないが金はある、と言う人は、金を払って役務を買えばいい。もちろんいろいろなハンディキャップを持っている人には優遇措置が取られなければならない。

 役務と言う税金を払いながら人の役に立ち、しかも地域の人たちと交流できて地域の活性化につながる。金でないものの力、人間自身が持つ威力、これを復活させる制度や仕組みを考えて行かないと、日本はただただすさんだ暗い国になる。


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実践経験

2011-01-27 12:01:47 | 日記
 ドコモショップで1時間半近く過ごした。月末夕方の携帯販売店は、新しい契約や支払いが滞っていた人達でかなりの混みようだ。店員さん達の対応はなかなか良く教育されていて、整然と淡々とこなしていく。ように見えた、が、窓口に座ってみると実はそうでもなかった。

 スマートフォンが急速に売上を伸ばすにつれ、新しい機種の扱い方はわからないことばかりなのだという。店の何人かが研修を受けに出かけ、研修を受けて来た何人かを先生にして、店内で夜遅くまで勉強会を開いて一生懸命覚えるらしい。
ところが、製品は想定を超えて進化する。従来の携帯電話の使い方を説明しつつ、パソコンと変わらないスマートフォンも売って行かなければならない。日本独特の「みんなが同じ」という状況は、ここでも崩れてしまっている。様々な状況に置かれた様々な好みを持つ個人が自分の趣味や用途にあった個性ある製品を求めてやってくる。広く浅くの知識ではとても対応できない。広く深く知っていなければならない。ないしは、担当分野を決めて深い知識を持った複数のエキスパートを配置しなければならない。

 業界は違えど、当社のようなシステム開発関係の業界でも状況は同じだ。1人の技術者が頭に入れて置かなければならない知識の量はすでに膨大なものになっている。にもかかわらず、技術はさらに急速に進化し、お客様のニーズは詳細に多様化している。だが、ドコモショップの店員さんのように勉強会で知識レベルを向上させる努力は残念ながら一部に限られる。同じ職場でもさらに専門分化が進んでいるため、大勢が同じ必要性に迫られている訳ではない。個人で学習して行くしかない技術や知識も多い。

 知識として知っていることと、その知識を使って実際に何かやってみる、ということは大きく違う。理屈ではわかっていても、なかなか思い通りにはいかない。やってみて経験して学ぶ以外本当の知識は身につかない。だから困ったことに、知識を得るための経験を積ませて頂くお客様が必ず必要になる。最初のお客様というのは、非常に重要なお客様なのだ。

 で、私はその日、ドコモショップの窓口で、そのお店で販売するある製品サービスの最初の客だったことを、店の奥に引っ込んでから40分ほど経って戻ってきた店員さんに聞いて知ったのだった。あちこちに問合せ、他のスタッフと悪戦苦闘した末、ようやく要件を満たして窓口に戻ってきたときには、店員さんの目の下にクマができていた。「今度はしっかり勉強しておきますので」げっそりしてそう言っていた。これからの役に経って頂ければ待った甲斐もある。

 私の場合、システム開発の新しい経験を積ませて頂いたお客様には、これまでいつも助けられて来たように思う。小さな話だが、自分が同じような立場に立ってみると、当時の私のお客様の忍耐力に改めて頭が下がる。


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準決勝

2011-01-26 02:03:55 | 日記
 ここまで来たら優勝してほしい。いや、疲れる試合だった、韓国戦は。日本のチームはかなり強い。強くなった。押されていても、あ、これは負けるな、と言う感じがまったくしなかった。中心になって動いている選手が頭を使って戦っているのがよくわかるし、よく話し合っている様子が安心させる。いいチームだ。
 韓国のチームも強いし、いいチームだったが、最後のPKでは気迫が感じられなかった。それまでの戦いで疲れ切ってしまったのだろう。最後の最後で追いついた底力はさすがだったが、気力体力ともにそこまでだった、ということだろう。
 かなり派手なぶつかり合いはあったものの、感情的に暴力的にぶつかる場面は起こらなかった。最後はお互いに握手をし合って別れていた。近い国の切磋琢磨するライバルと言う感じで気持ちが良かった。ま、勝ったからそう思うのかもしれないが。

 試合前のニュースでは日本のメディアも韓国のメディアも「精神力」の戦いだと言い続けていた。だが終わってみると、「精神力」を維持する「体力」はやはりかなり重要な要因だったことがうかがえる。連戦の疲れをいやす期間が1日長かった日本はやはりそれだけで有利だったのではなかろうか。

 試合を見終わって深夜に書いているブログでこんなことを言うのも困ったものだが、やはり睡眠や休息は集中力を高め、結果を出すためには重要だ、ということだ。健康的な生活習慣を維持するのは人それぞれ、いろいろな仕事や家庭環境にいるため難しいことだ。昼間頑張ろうと思うと準備のために夜の時間も使わなければならなかったり、家に帰ると面倒を見なければならない家族がいたり、結局睡眠時間が削られ、張りつめた気を緩める時間が持てない人も多かろう。だが睡眠と休息が不足していると、いざと言うとき力を発揮できないか、発揮できても長く続かない。だから本当に大変な環境にいる人でも、自分を自分で管理して休憩を与えてやって欲しい。
 自分のことを顧みると、自己管理とは無縁の生活を送ってきた。自暴自棄ともいえるような、とんでもない仕事人間だった、と思う。反省している。年を取ってきて、同じようにはいかなくなった。遅ればせながら睡眠や休息の意味も理解できるようになって来た。食事も生活もバランス感覚が重要だ。バランス感覚を欠いて何か一つの物にだけ重みが増すと、結果を出せないだけでなく、体も心も病に陥る。

 ま、そういうわけで明日に備えて寝ないといけない。それにしても面白い試合だった。


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冬の旅

2011-01-25 08:47:17 | 日記
 雪深い東北の温泉町の駅に、貧相な2人の高校生が降り立った。2人ともやけに背が高く大変な旅の経験が顔をこわばらせていたために、とても高校生には見えなかった。列車から降りた数人の客に駅前でたむろしていた旅館の客引きが一斉に殺到する。数十センチの長さの棒に旅館の名前を書いた旗をぶら下げて「こちらにどうぞ」とやる客引きもいる。高校生2人にも客引きがまとわりついた。だが2人には金が無かった。2人のうち1人が「素泊まり2千円以下で泊まれるところありますか?」と客引きを見回して声をかけた。2人にまとわりついていた客引きはさっとどこかに消えて行き、改札前の駅舎には2人だけが残された。宮城県鳴子温泉。30数年前の出来事だ。
 
 高校2年の冬、上野駅に集合した私と友人2人の3人。私のポケットにはそれまで貯め込んだ3万円が入っていた。上野で1万円の東北1周の列車周遊券を購入し残金2万円。この2万円で春休み2週間全部使って東北一周旅行に出ようというのが、私と友人2名の計画だった。もう1名は、2人とはまったく別に北海道1人旅を計画していた友人で、出発の当日「今夜から北海道に行く」と聞いて、「実は俺たちは東北一周を計画している。じゃあ、夜行で青森まで送る」と言う話になったのだった。終業式が終わった教室の片隅で話がついた。その夜、上野駅に集合した3人は、夜行列車で青森に向かい、朝方、青函連絡船に乗って海峡を渡って行く1人を思い切り手を振って見送って旅のスタートとなった。横殴りの雪が降る寒い朝だった。

 青森から鳴子までのいきさつは、またいつかどこかで話すことにして、今日は鳴子温泉の話。

 鳴子温泉の駅前をぶらぶら歩いて寒くなった私たちは1軒のみやげ物屋に入った。「こけし」の町だ。みやげ物屋も色とりどりのこけしであふれかえっている。見るでもなく店内を一周してから、店の主人らしいおばちゃんに「この辺に素泊まりで安く泊めてくれる旅館は無いでしょうか?」と聞いた。こんな旅をしている、こんなことがあった、と旅のエピソードをおばちゃんに話した。おばちゃんは楽しそうに聞いてくれ、親戚が旅館をしているから聞いてやる、と応じてくれた。奥に引っ込んで電話して戻ってくると「素泊まり千円でいいって」と旅館の場所をメモして「ここに行ってみなさい。番頭さんのXXさんに話してあるから、XXさんに頼むのよ」と送り出してくれた。うれしかった。旅はこうでなくちゃ。が、思い返してみると、この時紹介して頂いた番頭さんが、この旅一番のくせものだったのである。

 旅館に到着すると、これ以上の愛想笑いはできないだろうと言う笑顔の番頭さんが、こんな部屋に客を通していいの?と思うような暗い部屋に私たち2人を案内した。で、二人が部屋に入るや否や、手に持った紙の束をもう一方の手のひらにパシパシぶつけながら、「お兄ちゃん達、夜はいいとこ行きたいよね?」と愛想笑いもここまで来るとかなり恐ろしいな、と思う笑顔でささやいたのだった。番頭さんがパシパシやっていた紙束の正体は、旅館が寝静まった頃、再び現れた番頭さんによって明かされることになった。

 おっと、ブログの文字数が、日々ここまでと考えている1200字を越えてしまった。この続きはまた次の機会に。


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