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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

ミディアム

2010-07-30 08:44:43 | 日記
 日中になると多くの人で賑わう駅や店や会社の部屋に、早朝、まだ誰もいない時間に向き合うと、なんだか神聖なものが漂っている感じがすることがある。そこに人がいないことによって見えてくる、過去そこにいた人と人で無い物の「気」が一瞬、肌に触れる。
 
 絶えず感覚を研ぎ澄ませている人には、そうでない人とは違った世界が見えるものであるらしい。そもそも自分とは異なる人が見ている世界がどんなものか、知る術は無い。なんとなく大雑把に、みんな同じだろう、と思っているだけである。ところが、何か一つのことに生活の全てを賭けている人には、そうでない人とは異なった見え方をしているようだ。関心が何に向いているかによって見えるものは大きく変わる。世界の見え方が変わる。おそらく同じ世界の光景から、脳が自分に関心のあるものだけを取捨選択して見せているのだろう。
 昔、妻が妊娠して大きなおなかになった時、世の中の妊婦さんが急に見え始め、どこに行っても妊婦さんばかりなぜこんなに多いのだ、と思ったことがある。子供を抱いて歩いていた時には、同じような子供連ればかりが見えた。
 
 だから、ある人には見えても別の人には見えない、というものがあっておかしくない。例えば、誰かが誰かに話しかけていて、その相手が自分には見えない、と言う時もきっと見えない誰かがいるのだと思ったほうがよい。

 川上弘美という作家の作品には、見える人にしか見えない影のような人がたびたび登場する。あ、また来た、という感じで違和感無く自分のそばに現れる、それ、と会話する場面が数多く描かれている。感覚が鋭い女性には、昔から一般人には見えないものが見えたり聞こえたりする人が多かった。
 その力で人に力を与えようと考えた人たちが巫女とか霊媒師とか呼ばれたこともあったようだ。
 こっちの世界と、あっちの世界の中間にいて媒介する役目、という意味で英語では霊媒のことを「ミディアム」と呼ぶらしい。霊能者とも訳される。ステーキを生焼きでなく全体にほどよく火を通してね、と言う時の「ミディアム」と同じだ。英語の世界でも、見えないがある、と感じる人がいるわけだ。一人の神を信じる宗教が人の心を癒してもなお、教義を超えた、日常で出会う不思議が真実であることを無視できない人も多いのだろう。

 旧暦の7月15日、新暦の8月15日あたりで、お盆の行事を行う地域が多いそうだ。先祖の霊がこの世に帰ってくるという。道行く人々の中に、つい父に似た人を探してしまう時期でもある。


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アサガオとひまわりとイチジク

2010-07-29 08:35:44 | 日記
 5月の終わり頃になると母は西側の窓の外の地面に棒を差し、棒からひさしに向かって細い紐を何本か張った。そして前の年に収穫して取っておいたアサガオの種を蒔いた。
 芽を出したアサガオは動物のようにぐるぐる蔓を伸ばして紐にからみつき、気が付くと屋根まで達して、夏の西日を防ぐ日除けになった。まだ梅雨が明けない時期から色つきのソフトクリームのような蕾がふくらみはじめ、ひとつふたつ青やピンクの花が咲いた。夏休みに入った頃には毎朝いくつも花が咲いて、なんとなくにぎやかな感じがしたものだ。
 実際、アサガオの作る日陰はトンボや蝶が羽を休めたり、カナブンが飛んできたりして虫たちの社交場になっているようだった。
 
 ひまわりも前の年に取っておいた種で花を咲かせた。ひまわりはいつも庭の北西の端に種を蒔いた。ひまわりの花は東から南に向かって顔を向けるから、ということだった。直径5~6センチはありそうな茎の上に巨大な花が咲いて、それは常にわが家から見える向きに笑顔を振りまくように見えた。

 ひまわりの隣にはイチジクの木があり、夏になると、大きな緑色の実をつけた。早いものは8月の内に発酵したような甘い匂いを出して、クワガタやカブトムシを呼び集めたりした。夏休み後半、早起きした朝はまずイチジクの木に何が来ているか見に行く。これが一日の始まりだった。

 夏休みだからどこかへ行く、という習慣はわが家には無かった。そもそも父が夏休みで平日休んでいた記憶が無い。しかし、今思えば、何と楽しい夏休みだったことだろう。
 
 
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レア

2010-07-28 11:57:28 | 日記
 希少金属、と書いて、きしょうきんぞく、と読むのが普通だが、最近は「レアメタル」と読んでもおかしくないらしい。では、希土類、と書いて何と読むかご存知だろうか?「レアアース」と読むらしい。レアメタルの一部をなす物質だそうだ。

 高温超伝導の話を書いたら、友人からメールをもらった。「安価」に超伝導を実用化していくためには、「レアアース」が必要になってくるかもしれない、と書かれていた。今や最先端の技術には「レアアース」が欠かせないらしい。
 特に「磁石」の磁力を高めるのにレアアースが役立っているようだ。高性能「磁石」はモーターの必需品であり、モーターはハイブリッドカー、電気自動車などの心臓部であるだけでなく、今後、石化燃料からエコなエネルギーに軸足を移す中で、さらに必要性は高まるだろう。
 また、電池の効率を上げる電極としてもレアアースは使われており、今さら電池の重要性を言う必要はないほどだが、レアアースはそれほど重要な物質である。

 その「レアアース」のおよそ90%以上を生産しているのが、中国である。中国は、世界の先端技術動向を左右しうる立場を確保してしまったようだ。当然日本もアメリカもこりゃいかん、何とかしなければ、と焦っているところらしい。技術革新が問題を克服する解決策を生み出すかもしれないが、時間はかかりそうだ。経済産業省が、昨年7月「レアメタル確保戦略」なるものを発表し、資料はPDF化されて経産省のホームページからダウンロードできるようになっている。それを読むと、現在の産業がこんなにも多くの種類のレアな物質に頼っていたのかと驚かされる。

 昨日だったか一昨日だったかはっきりしないが、朝日新聞の「私の視点」というコーナーに、国際高等研究所招へい研究員の亀井先生という方の意見が載った。日本がレアアースをよろしくね、と中国にお願いしたら、中国はレアアースを掘ると一緒に採掘される放射性物質で環境汚染しちゃうからダメ、と断ったそうだ。その放射性物質はトリウムという物質らしい。
 これが今までは何の用途もない、単に有害放射線を出すだけの嫌われモノだったそうだが、プルトニウムを火種にして燃やせば燃えるらしい。ウランは燃えるとプルトニウムに変わってしまう。ウランもプルトニウムも核兵器の原料だが、トリウムはなかなか核兵器には使えないらしい。燃やしても二酸化炭素を出さず、核兵器に転用できず、しかも、レアアースと一緒に採掘して役に立つなら、こんなにいいものはないじゃないか、トリウムは、というのが亀井先生のご意見だ。なるほど、トリウムか。少し注目する必要がありそうだ。


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夜分遅く

2010-07-27 08:37:06 | 日記
 セブンイレブンが日本国内に最初に出店したのは1974年(昭和49年)5月だという。翌75年6月にはセブンイレブンとは言いながらイレブンに終わらず、24時間営業するお店が出現している。1980年には1000店舗に達したそうであるから、今から35年前から30年前ぐらいにかけて、夜更かしする社会が急速に広がって行ったのだろう。
 
 私の父は公務員だったためか、夜は早く帰った。夏の夜は蚊帳(かや)を吊って寝た。縁側の窓は開け放たれており、夜が家の中に流れ込んでくるように感じたものだ。虫の声や家の前の森の大木で鳴くミミズクの声だけが聞こえた。夜10時も過ぎれば、町中が音をたてずに静か~に、していたものである。
 今は何時を過ぎると「夜分遅くすみません」と言うことになるのかわからないが、それぞれの家の働き手が帰宅し、家族団らんの時間が始まった頃合から以降は「夜分遅くすみません」と言って盛んにいろいろな家が行き来していた。夏は日が暮れてすぐ「夜分遅く」になっていたような気がする。

 東京オリンピック、大阪万博と続いたお祭り騒ぎとともに、防犯もプライバシーも気にならない穏やかでゆったりした夏の夜の時間が消えて行き、今や昼も夜も境目がない、せわしない夜が来る。夜のどこかに昔のような時間を探そうなどとしていると朝を迎えてしまう。

 生活の区切りになる「切り替えられる時間」は、自分で作って行かなければならない。便利な生活が進めば進むほど、自然が与えてくれるリズムの中で生きるのが難しくなって行く。


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発見

2010-07-26 09:23:49 | 日記
 21世紀も10年経とうとしている。おおっと驚いてのけぞるような新しい発明や発見がそろそろ出てきてもよさそうな気はするのだが、気配がない。

 例えば、安価に生産できる高温超伝導物質の発見などがあると、おおっ、となる。先日古い友人と昼メシを一緒にした時、彼も「ああ、そろろろ出てこないかなぁ、高温超伝導」と言っていた。現在は例えば原子力発電所にしろ火力発電所にしろ、風力発電のプロペラにしろ、夜間に発生させた電力はほとんど使われることなく捨てられている。大量の電気を蓄えておく設備が無いのだ。

 ところが、電気を流してもまったく抵抗が無く漏電してしまわない超伝導物質でループを作ってやると、ものすごく効率のよい蓄電設備ができるのではないか、と考えられている。ただし、「安価に」実現できるかどうか、そこが問題だ。安価にできれば世界中のエネルギー事情は大きく変わるかもしれない。はじめは国家的なプロジェクトとして大規模な高温超伝導蓄電設備が建設されるかもしれないが、技術の進歩とともに地方各所に建設され、いずれ一家に一台、そして一人一台、現在の単三電池並みの大きさでほぼ永遠に蓄電、利用を繰り返すことができる大容量超伝導エネルギーパックが売り出されることになるかもしれない。

 さらに例えば、従来の電波を使う通信方式ではなく、地球上の多くの物質を貫通する素粒子を使う通信方式などが開発されると、おおっ、となるかもしれない。ま、貫通してしまうのだから受信するのは大変なのだが、何らかの方法で送信・受信できるようになれば、これはすごい。地球の裏側と通信しようとする場合、従来は長いケーブルを通信したい地域までズルズルと敷設するか、人工衛星を何台か経由して電波を通信したい地域に飛ばしていたが、地球の裏側であっても地面を気にせず直線的に送信することができる。だが、従来よりずっと改善されるとはいえ、この方法では最大で地球の直径分の距離を粒子が飛んでいく時間がかかる。日本のスタジオで話しかけてもなかなか答えないブラジルの現場が、ようやく話し始めたときには待ちくたびれた日本のキャスターが別のコメントをしたくなってしまう、というようなことが少し改善されるだろう。

 しかし、「量子テレポーテーション」というあまり聞いたことがない方法を使うと、こういったことが根本的に解決できるらしい。「量子もつれ」という何とも意味深な関係がある2つの粒子を引き離して距離を置き片方に何らかの作用を及ぼすと、遠く離れた片割れになぜかその作用の結果が現れる。これは距離に関係が無い、と言い切ってしまいたいが、本当はどうなのか誰もわからない。この量子テレポーテーションを使った通信方式が普及すると、世界中の今がつながる。距離に関係ない、という仮定が正しければ、世界中の今がつながるだけでなく、宇宙中の今がつながる。ま、それは言い過ぎだろうが、未知の世界を探査するロボットをリアルタイムでコントロールすることができ、その目の映像がリアルタイムで手に入るというのは、なんともわくわくする話だ。


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