Jerry Emma Laura Piano

Mina, Dalida, Barbara, Laura, Lara....美人大好き! あっ、Mihoが一番好き

続続々源太郎(12)

2015年10月23日 | 腰折れ文

十二 ジャカランダ

 ポルトガルの五月は、日本の桜のように、薄紫色のジャカランダが咲き乱れる。智子はこの花が好きで、自分のメールアドレスにJacarandaという単語を用いていたことからも、本当に好きだったんだなと源太郎は思い出していた。

リスボンの近郊の町のカスカイスの海岸沿いのレストランで、二人は名物料理の「アロス・デ・マリスコ」を楽しんでいた。大した料理ではない。米に玉ねぎを入れて炊き、そして皮付きのエビと蟹を載せて土鍋で蒸すといった手抜き料理だ。そして、青臭い、酸味の強い檸檬を絞って食す。

この料理、シンプルでよく冷えた白ワインとよくマッチし美味しい。ところが、「米を食べなからワインを飲むなんて」と絵里香はそう言って蟹だけを食べている。テーブルの上にはジャカランダの枝がせり出し、その花の隙間の上には青空が広がっていて、なんとも開放感を源太郎は感じていたのだ。

 

ポルトガルといえば、ポートワインが知られている。源太郎が若い頃は、このポートワインは粗悪のワインという代名詞だった。あの頃はアルコールに砂糖や色粉を加えた模造ワインで、飲むと翌日必ず頭が痛くなった。しかし、本場のポートワインは、ドーロ河の流域で採れた葡萄で造られた新酒ワインに半熟成のワインを加えて樽詰めして10年近く貯蔵されたものだ。智子はフォアグラ料理に合うと言って、よく飲んでいた。そして、源太郎にこの花の講釈を続け、「あなたの好きなブエノスアイレスには並木があって綺麗らしいわよ」と聞いたような話をした。源太郎は、お返しにドーロ河の話をする。するといつものように頷き、彼女は聞いているふりをした。

 

「ドーロ河はさ、スペイン語ではDueroと言ってちょっと発音が違うんだよね。長さは900kmくらいあるんだ。イベリア山系から流れて、大西洋に注ぐ大河さ」「ふぅーん。ねえ、それより今夜は本場のファドを聞きに行きましょうよ」源太郎は暗いファドは好きにはなれなかった。「ああ。わかった」「嫌ならいいわよ。やめましょう」「そんなことはないよ。あのギターラの音は好きだから」

 

ファドは、ポルトガルで独自に発展した音楽。ファドとは「運命」を意味し、だから智子は好きになったのだろう。世界5大音楽の一つで、カンツォーネ、シャンソン、タンゴ、サンバに並ぶ音楽だ。源太郎はアマリアぐらいしか知らなかったから、ファドは女性が歌うものだと思っていて、船乗りを待つ港の女というイメージがあった。そう智子に話すと、智子は声を出して笑った。のちに、ファドを知って彼女が笑っていた意味がわかった。それは日本人が勝手に作り上げた都市伝説だったのだ。

 

ギターラは12弦の弦楽器で、正式にはGuitarra portuguesaと言って、ポルトガルギターそのもので、普通のクラッシックギターはヴィオラという。実にいい音色だ。

 

リスボンの最後の夜は、智子が新人ファド歌手のカティナのチケットを準備してくれていた。その夜、大きなイアリングが印象的な彼女のコンサートを二人は楽しみ、翌朝はパリ経由便で母の故郷のイギリスに向かった。

 

「この高速鉄道は快適ね」

「ああ、昔は飛行機でしか移動できなかったけど、今はパリまで楽に移動できるこのスペイン線は欧州でも最も高速だんだよ」

そう言いながら、絵里香は美味しそうにワインを飲みながら車窓を眺めている。しばらくすると、日本の東北新幹線のように変化のない田園地帯を疾走し始めた。

「そもうすぐこの旅が終わるのね。楽しい埋め合わせの旅だったわよ」

「現地集合、現地解散。こんな旅もいいだろ」

「ええ、夜の独り寝は寂しかったけど、旅はとても楽しかったわ」そう言って絵里香はいたずらな顔をして源太郎をグラス越しに見た。さて最後の夜はパリということになる。(暫し休刊します)


やっぱり写真はアルバムで整理しないといけない

2015年10月23日 | 毎日の話

ポジフイルムとは違い、デジタル写真は気楽に撮影出来るから、適当に撮影してハードディスクに入れて後から整理しようなんて思っていると、どこで撮影したのか訳が分からなくなる。昨日の夕飯は何を食べたのかも忘れるくらいだ。ちゃんと、整理しておこう。まぁ無理だと思う。ズボラは絶対にダメだ。

ベルンの旧市街地のメイン通り。

これは、チェコのクトナーホラだったかな。

ここはどこ、私は誰、状態です。

これは日本だ。このくらいはわかる。

あれ、奥様だったかなぁ。

 


明日は同窓会。50年ぶりの再会

2015年10月23日 | 毎日の話

明日の夜は久々に同窓生に会える。源太郎は今日創立記念特別休暇でお休みだった。そこで、古いアルバムを引っ張り出し、中学時代の集合写真を探し出し、スキャンしてプリントアウトしようと奮闘。

アルバムから写真が剥がれない。そこで油絵のナイフを取り出し一枚ずつ丁寧にはがす。全部白黒なのが時代を感じます。スキャンしたデータはハードディスクにとりあえず保管。すると、そこには未整理の写真がいっぱい。撮った場所がわからないものもある。これは90式戦車にMihoちゃんと乗った時。まだ第二東名は未完成。

これは松本城だよね。

ここは、スイスのベルンの肉屋さん。

これは北海道の洞爺湖だったかな。

これはEmmaちゃん。Lauraが来る前だからまったり。

ここはどこ。

ここはバーゼルだったかな。