Jerry Emma Laura Piano

Mina, Dalida, Barbara, Laura, Lara....美人大好き! あっ、Mihoが一番好き

続続々源太郎(4)

2015年10月09日 | 腰折れ文
四 想い出の薔薇園

智子と旅に行った先はレマン湖だった。湖畔から150mに達する大噴水が見える。周遊の観光船のチケットを彼女に頼み、出発の時間を待つ間、すぐそばの有名な時計屋のショールームを覗いた。機械時計の芸術品が綺麗に間隔を置いて飾ってある。すべての値札は裏返して、値段はわからない。

源太郎は、いい時計を欲しいとは思わなかったが、スケルトンの時計を見ると、良くこんなものを人間が作る、いや創ることができるなんて信じられないと、智子に言った。
「欲しいなら、買ったら」
「馬鹿言うなよ。とても買える代物じゃないよ」
「そうね。一年飲まず食わずだわよね」
「そんなレベルじゃないと思うよ」
「じゃ、私も飲まず食わずでどうかしら」
「なに。俺だけだったの」ショールームの前で笑った。ふと同じくショールームを覗き込んでいた外国の若い二人も同じように、顔を見合わせて笑っている。
「きっと、あの二人も同じことを話しているのね」と智子が言った。
「いや、違うね。あっちは、彼女が一年飲まず食わずでいいから買いなさいと言っているんだよ」
智子は口を膨らまして、源太郎を睨んだ。
「時間だろ」と時計を見て、智子と乗船場に向かった。すると、先ほどのカップルも後に続いた。
桟橋から、少し揺れる細いタラップを一列に並んで船に乗り込んでいる。源太郎がそれに続き、智子は後ろについた。若いカップルは彼女が続き、そして彼が彼女の腰に手を添えてサポートした。
そして、智子に彼女が挨拶をして、言葉を交わしている。

船に乗って、智子は反時計回りだから、右舷の椅子がいいと源太郎に告げた。源太郎がわかったと言って中ほどのエンジンルールから離れた位置の席に座り、彼らも続いたが、彼は、彼女を先にエスコートして座らせて、そして座った。

「だから、外国の男性はいいわよね」と智子は言った。
「何がだよ」「だって、乗船の時も、そして今も」
「だから、なんだよ」「わからないでしょうね。もういいわ」今ならこの意味はわかるが、智子は源太郎に紳士とはこうゆうことと教えていた。智子はイギリス人の母親と日本人の父親の間に生まれたハーフだった。源太郎の親なら混血と表現しただろうが、今はそんな言葉は使わないし、死語だ。でも、最近まで、日本の国際空港でも、エイリアンという表現があったくらいだから、悪気はなかった。

源太郎は、外国語が不得意だから、智子が大抵アテンドしていた。隣の彼達とすぐ打ち解けるのもそう時間はかからなかった。智子が主人だと彼らに紹介した。片言の英語で挨拶して、二人を挟んでいたので、彼と手を伸ばして握手をして、すぐ手を引っ込めた。すると、彼女が手を伸ばしたので、再び手を伸ばし、軽く手に触れた握手をした。彼女はしっかり握り、源太郎は驚き、智子を見ると笑い、彼女、後にキャサリンとわかるが彼女と話し、二人は大笑いしている。そして彼も、ジョセフも笑った。「なんて言ったんだ」と智子に言うと、「ええ、私が外国の女性に握手する時は、女性が手を差し出した時以外無理に握手を求めないこと、そして握手する時は、そっと触れる程度にしなさい、それが礼儀だと教えていたから、気にしないでね。と彼女に言ったのよ」「お前は何時もそう言っていたじゃないか。何がおかしいんだよ」

そしたら彼女は、「何時の時代の話なのよ。そんな行儀は私たちのおばあちゃんの時代の話だというのよ。だから、貴方がそっと触れる握手をしたことが理解できたというのよね。笑っちゃうでしょ」源太郎は、旦那をネタに会話が弾んでいる三人を無視して、湖畔のお城の庭に咲き乱れる色とりどりの薔薇の花を眺めていた。三人は、美しい景色や花を見ずに、会話が弾んでいた。源太郎はどうせ自分話題で、会話を楽しんでいるのだろうと想像した。そして、彼らと夕食を共にすることになったと下船の時に智子から聞き、二人と握手をして別れた。キャサリンは、再びそっと握手する源太郎に微笑み返した。

富士山夜明け、月と星

2015年10月09日 | 毎日の話

北海道は大荒れで、とても心配。低気圧と言っても台風と同じ勢力。被害が最小限になることを祈るばかりだ。

秋は空気が澄み、夜明けギリギリ、富士山頂を朝日が照らす時間、東方向の仰角70度ぐらいに月と星が見える。

国旗に月や星をデザインしたものも多い。本当に空は、いろいろな場面を見せて楽しませてくれる。だから、早起きは三文の徳と言われるが、もっともだなぁと思う。

Mihoちゃんなら、三文の徳じゃダメょ、三万、せめて三千の得。三との、以外すべて字が違う価値観を言うだろうと想像して、笑っている源太郎が又笑える。

ところでノーベル文学賞がなんであるのか、不思議に思うんだよな。

今日の富士山は蜜柑色です。


そして、月と星。見えるかなぁ。