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Mina, Dalida, Barbara, Laura, Lara....美人大好き! あっ、Mihoが一番好き

続続々源太郎(3)

2015年10月08日 | 腰折れ文
三 彼の地

オークランドから、南島のクライストチャーチへ国内便の窮屈な座席で移動する。双発のジェットだが、エンジンの空気取り入れ口が少し楕円形だ。普通は円形のポットにエンジンは収まっているが、この機種は楕円形が特徴だ。

曇り空だから、源太郎は座席に座ってしばらくすると眠りについた。ひと眠りして、機体は大きく右旋回してアプローチラインに入った。ここクライストチャーチに来るのは何年ぶりか。あの雨の日を思い出していた。

夜は、星空が綺麗で南十字星を探しながら、川辺のオープンレストランでお祝いの盃を交わしていた。テーブルには、オイスターカクテルが鎮座して、皆、氷の上に螺旋状に並んでいる牡蠣を手元に取り、青臭いレモンを絞っては、「美味い」とだけの言葉を交わして、黙々と食べ、飲んでいる。

「源ちゃん。奥さんの具合いはどうだい」と、斎藤が問いかけた。
「ああ、お陰で元気にやっているよ。昔より文句が多くなったけどね」と笑い飛ばしたが、正直、智子の具合いはそんなに良くはなかった。今回の旅も、来ることに躊躇したが、智子が先生のお祝いの旅でしょ、と言って、大丈夫だから行って来なさいよと背中を押されて参加した。
「それより、茂のところ、子供が生まれたんだって」と源太郎が話題を変えた。
「ええ」「それはおめでとう。で男の子か」「いいえ、女の子です。かわいいですよ」
「なら、奥さん似だな」「いいえ、皆んな僕に似ているって言うんですよ」
「訳ないだろ。それは、お前に似ているというのが礼儀だからさ」
「先輩。それってなんでですか」源太郎は、ニヤけて続けた。
「知らないのか?奥さんが子供を産んだんだろ。だからさ、子供が奥さんに似ているのは当たり前。でも、お前の子供との保証はないだろ」
「そんなことないですよ」「そう、それが普通だよ。でもな。平安時代なんて思い出してみたらわかる。大抵、女性は貴方の子供だと言うよな。そうしないと生活が守れない。だからさ、周りの人達はそれを正当化してあげるためにも、旦那に似ていると言って褒める。それが、古来からのルールさ。俺は、お前のこと気遣って生理学的に奥さんに似ていると事実を言ったのさ」
「そりゃないですよ」と言いながら茂雄は不安顔した。

すると、雅夫が「やられたな。茂。先輩は、何時もそう言って後輩に子供が生まれると言うんだよ。俺もやられた。俺なんて、まともに女房にそう言ったら、大目玉さ。落語のネタだよ」と言って笑い飛ばした。茂雄はやっと不安から脱した。そして、仲間たちは茂雄に向かって当たり前のように杯をあげ、「おめでとう」と話を終わらせた。

源太郎には子供がいなかった。だから、後輩に子供が出来ると、「お前のとこで、育てらないなら、俺のとこで優秀に育ててやる」と冗談を飛ばしたが、それは本音も含んだジョークだった。

「おい、明日は何時出発だ」「6時、朝食はレストランが開いていないので、途中のドライブインを予定しています」幹事が案内した。「茂。お前、先生をホテルまでエスコートしろ」「はい」茂雄は、ボーイに車の手配をさせ、車が来ると、先生と共にホテルに向かった。
源太郎と数人は、歩いても知れている距離なので、酔いをさましながら、星空の下を歩き始めた。言葉は少なく、河岸に営業を終えた観光小舟を見て、後に大地震で倒壊した大聖堂の塔の前を追憶の橋に向かって行った。北側の方向には少し雲が出ている。

今朝の富士山は桃色に映える

2015年10月08日 | 毎日の話
今朝も冷え込みました。もう秋は終盤に向かっています。初冠雪は今年はいつだろう。

朝。空気中の水蒸気の加減で、年に何回しか見れない桃色の朝焼けです。ピンクではありません。桃色です。

今日はいい日になる予感がします。勝手な空占いです。オータムジャンボ、当たる気がします。