見もの・読みもの日記

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2019フィギュアスケートNHK杯 in 札幌(1)第1-2日

2019-11-26 21:51:28 | 行ったもの2(講演・公演)

2019NHK杯国際フィギュアスケート大会(11月22-24日、真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)

 金土日の3日間、フィギュアスケートNHK杯を観戦してきた。私がフィギュアスケートって面白い!と思ったのは、2010年のバンクーバー冬季五輪で、同じ年の夏に初めてアイスショーというものを生観戦し、以後、年に数回、国内で開催されるアイスショーを見に行くことを楽しみとしてきた。しかし、真剣勝負の競技会はこれまで一度も観戦したことがなかった。なんとなくショーより敷居が高い気がして、相変わらずジャンプの種類も見分けられないような私が行っていいものかと気後れしていたのだ。

 だが、ようやく分かってきたこととして、現役選手が競技会で滑るプログラムとショーで滑るプログラムは異なる。私は幸運にも羽生結弦選手の「SEIMEI」と「バラード1番」はショーで見たことがあるが、このままだと「秋によせて(Otonal)」「Origin」は見る機会がないまま終わってしまうかもしれない。それはあまりにも残念なので、NHK杯のチケットを申し込むことにした。

 8月に販売された通し券(3日間)は外れ。9月に販売された単日券は、1日でも当たればラッキーと思って3日分申し込んでみたところ、全て当選の連絡が来た。幸運すぎて呆然とした。宝くじで1等が当たってもこれほど驚かないと思う。慌てて飛行機とホテルを抑え、あとは金曜に休暇が取れることをひたすら祈りながら当日を迎えた。

・初日(11/22)

 羽田発の飛行機で札幌へ。荷物をロッカーに預け、手早くランチを済ませて真駒内へ向かう。会場に入ったのは14時半頃で、ペアの三浦璃来/木原龍一組は残念ながら見逃した。ペアの演技が続き、うわさのスイハン(ウェンジン・スイ/ツォン・ハン)組に目が覚めるような衝撃を食らう。小柄な身体を大きく見せる、大胆でスピード感にあふれた演技。身長差があまりないカップルでも、こんなに魅力的なペアスケーティングができるんだと驚く。

 女子は9番滑走のアリョーナ・コストルナヤが圧倒的だった。会場中が息を呑んでいるのが分かった。結果は世界最高得点。10番のザギトワはミスが多く、覇気が感じられなかった。ロシア女子は世代交代が早くてつらいなあ。紀平梨花はほぼノーミスの演技だったが第2位。梨花ちゃんダイナミックでよいなあ。今季のプログラムはSPもFSも好き。

 そして男子。期待していた島田高志郎くんと山本草太くんは成績が振るわず。でも失敗しても明るい高志郎くんとランビ先生が微笑ましかったので許す。ちなみに初日はキスクラの正面だったので、どうせ使わないだろうと思って双眼鏡を持ってこなかったことを後悔した。羽生くんは丁寧に滑って安定の第1位。いつもの闘争心を敢えて抑えている感じがした。

・第2日(11/23)

 今日はフルコース観戦の心構えで12:15の競技開始前に会場入り。アイスダンスを8組も続けて見るなんて初めての体験だが楽しかった。しかし、アイスショーでもおなじみのパパシゼ(ガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン)組がやっぱり頭抜けていた。高い芸術性。あとで実況を聞いたら、詩のことばを表現するプログラムだったのだそうだ。しかし、このカップル、初日は70年代のエアロビ衣装で会場を沸かせたことを知って、初日のリズムダンスを見逃したことを悔やんだ。

 ペアはやはりスイハン組。緩急自在で目が離せない。初めて見た三浦・木原組もよかった。まだまだ伸びしろがあると思うので頑張れ。そして、ペアとかアイスダンスとか、氷上に男女二人がいる競技は、シングルよりも変化も多くて面白いなあ、とつくづく思った。もっと日本の競技人口も増えるといいなあ。

 女子はコストルナヤのジャンプの高さ、滑りの速さと滑らかさに圧倒される。梨花ちゃんもよく頑張って笑顔で終わった。この精神力の強さ、好きだ。ザギトワがSPの不振を挽回できたのも嬉しかった! あと今大会で印象的だったのは韓国のイム・ウンス。彼女は逆にSPはよかったのにFSはミスが目立って順位を下げてしまった。

 男子。羽生結弦は10番目に登場。スタートポジションで低く屈み込み、両腕を水平に伸ばした姿勢を取ったとき、両腕が上下に揺れているのが分かって、なんだか奇異な感じがした。あとでSNSなどを読んでいたら、緊張で脚が震えて静止できなかったらしい(実は足元も少し流れていた)。あの羽生くんにして、そんなことがあるんだと驚いた。後半1本目のジャンプが2T単独になってしまったときは、私の隣りのお姉さんも「あっ」と小さく声を出していた。しかしその後の2本はきれいに成功。実は咄嗟に構成を組み替えて高得点をキープしたことをあとで知った。なんというか、大人の戦い方である。

 3位のローマン・サドフスキーは手足が長くて演技の見栄えがよい。しかしフィギュアスケートで長身はあまり得にならない気がするので頑張ってほしい。2位に入ったケビン・エイモズは小柄だが情感豊かな演技で印象に残る。フランス杯で知った選手で人柄も好き。ボロノフは台乗りしてほしかったなあ。いつも明るいジェイソン・ブラウン、ベテランのビチェンコさんも頑張っていた。

 ペアのあとに、ペアとアイスダンスの表彰式があり、中国の国歌「義勇軍行進曲」とフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を続けて聴くことができて楽しかった。また男子のあとに、男子シングルと女子シングルの順で表彰式。「君が代」と「祖国は我らのために」を聴いた。表彰者として、パンツスーツ姿の荒川静香さん(日本スケート連盟副会長)が紹介されたときは、会場がどよめいた。全て終わったのは22時近くで、めったにないことだが肩が凝って、腰が痛くなってしまった。でも楽しかった。

 3日目(エキシビション)レポートに続く。

NHK Online:2019NHK杯フィギュア(動画あり)

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