「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~アンプの雑音対策~

2010年04月12日 | オーディオ談義

2ヶ月ほど前にオークションで購入した「パワーアンプ」は、結果的に”アタリ”だったか”ハズレ"だったか、いまだによく分からないところがある。

                      

このアンプは出力菅に古典菅「PX25」〔英国製)を使ったもので出力トランスは、あの(レコードの)カートリッジの世界で一世を風靡したオルトフォンの昇圧トランスを作っていたJS社(デンマーク)が作ったもの(型番は「JS-2218」)。

音質はたしかに以前、使っていた同じPX25アンプに比べて高域もすっきりと伸びて上質の印象を受けるが、感度のよさとは裏腹に唯一の欠点がSN比(シグナル/雑音比率)が良くないこと。

常に「ジー」という、かすかな雑音がする。気にしないで済むか、しないか程のわずかな雑音だが、やはりちょっと・・・。

「朗々と鳴っていた音楽がふと止んで、一瞬の静寂に包まれ、その中からスッと楽器の音色が静かに立ち上がってくる」、これはまさに音楽鑑賞のクライマックスで感動的な瞬間でもある。

その静寂の中に、「ジー」という雑音が微(かす)かにでも聞えればやはり「興ざめ」というものだろう。少なくとも自分は大いに気になる。

低域用のSPユニット4発にしたこともさることながら、この雑音対策がこの2ヶ月間ほど気になりっぱなし。

もちろん、これは使っている相手方のSPユニット「アキシオム80」の極めて感度の高い設計にも起因している。とにかくこのユニットはアンプのあらゆる欠点を完璧に白日の下にさらけ出す。

まず「何とかしてください」と、自分の主治医みたいな存在のオーディオ仲間のM崎さんに頼み込んだ。

そういうことなら、まずアンプのゲイン〔音声入力レベル)を落としてあげようと、アンプの裏側の初段菅付近の増幅回路の2箇所をカットしてくれた。

次に、高域が発振している可能性があるし、通常PX25を使っているアンプでは、この部分に抵抗が入っているのに、このアンプは入っていないということで挿入してもらった。

これで、たしかに気にならないほどの雑音になり「一件落着」かに見えたがそうは簡単に問屋がおろさなかった。

現在のシステムの接続はワディアのDAコンバーター(27ixVer3.0)がボリューム付きなので、プリアンプ代わりに使っている。

ここから2系統に分けて一つは、アッテネーター(音量調節機)を介して低域用のパワーアンプ(ケンウッドのL01-A)につなぎ、もう一つは、前述した中高域用のPX25アンプへ。

ここでオーディオ・マニアなら誰もが気付くと思うが、「アッテネーター」というのは一種の抵抗みたいなものだし、システムの中で余計な接点となるので出来れば外してやりたいもの。

そこで、PX25アンプのゲインを少し上げてやれば、2系統の音量レベルが一緒になって「アッテネーター」が不要になる。

8日(木)、思い切ってじっくりとPXアンプの裏を覗いてみて、M崎さんが切断してくれた2箇所のコンデンサーへの接続回路のうち、試しに一箇所〔左右チャンネルで計2箇所)をハンダで復元(接続)してみた。

それで、鳴らしてやると「Good」、たしかにゲインが適度に上がって丁度低域とのバランスがバッチリ。

しかし、悲しいことに「ジー」という雑音も以前ほどではないが見事に復活。

「ウ~ン」これには参った。

あちら立てればこちら立たず。オーディオは常にプラス面とマイナス面との凌ぎ合いだあ~!

「何とかならないものでしょうか?」と再度、泣きをM崎さんに入れてみた。一旦「アッテネータ」を外した音を聴くと、もう二度と入れる気にはならない。

「アースの問題でしょうか、そもそも、シャーシ(アンプの土台)が鉄製なのが悪いんですかね~」

「うん、シャーシが鉄製じゃなくて銅製のもあるが、ものすごく少ないよね。銅は粘っこくて穴が空けにくい欠点があるので皆さん、まず鉄を使うよ。
どうも”ジー”という音は鉄とかの誘導電流のせいではなくて、どこか他の機器からの高周波の雑音が混入しているんじゃないの。
考えられるのは、パソコン、冷蔵庫、コタツなどの電気製品。一つ一つプラグを外して確認してみる手はあるが・・。」

「へえ~、そういうこともあるんですか」とPX25アンプの電源コンセントを引っこ抜いて、一般の電源とは別系統にしている特設の200ボルト電源(100ボルトに減圧済み)に接続してみたところ、見事に「ジー」音がしなくなった。

バンザ~イ。

まったく、苦労させられた一幕。

結局、家庭内の他の機器からの雑音混入だった。電源はやはり怖い。まだ安心は禁物だろうが、ひとまずこれで様子をみてみようと就寝。

翌日のこと、このところすっかり”はまって”いる
グールドの「イギリス組曲」(バッハ)を恐る恐る聴いてみたところバッチリで見事なSN比に。これでやっと音楽に専念できるとひと安心。

それにしてもこれは「空前絶後の名演」。グールドのバッハは間合いの取り方が絶妙で、句読点とリズムが一体になった漱石の名文を読んでいる気がしてくる。

そういえば、グールドの一番の愛読書は「草枕」だった。

さて、それとは別にもう一つの故障が。

ワディアのDAコンバーターは購入するときに「清水の舞台から飛び降りる」ほどの思いで購入したが、途中のヴァージョンアップを含めてもう12年ぐらい使っている勘定になろうか。いまだに現役として販売されているのがうれしくなる。

                      


随分と高価だったが、これだけ使うと元が取れたようにも思う。1年に換算すると13万円程度で1ヶ月にするとおよそ1万円、1日にすると300円で、これは1時間の有料駐車代程度・・・。これからも使えば使うほどコストが下がっていく。

我が家のオーディオシステムの司令塔的な存在で、前述したようにボリューム付きなのでプリアンプも兼ねて使っており、これが故障するとまったくニッチもサッチもいかなくなる。

ところが9日(金)に、それこそ突然ボリュームの左右のバランスがおかしくなった。

たとえば左チャンネルがボリューム60〔100が最大値)とすると、右が72程度に上げてやらないと左右が音量的にバランスしない。

まあ、これで聴けないないこともないが、やはり気になる。どうして自分のシステムはこうも
”トラブル続き”なのかと泣きたくなるほど。

早速、購入先のオーディオ・ショップにメールを入れて相談してみたところ、メーカー取り扱い会社に修理を依頼するので送付してくださいと返事が戻ってきた。

しかも、マークレヴィンソンやゴールドムンドなど代替機のDAコンバーターを選択できるようたっぷり準備するとのこと。それではと倉庫に入って元箱を見つけて送る準備をしたが、まあ”念のため”と一旦電源を切って5分ほど待って再度電源を入れたところ見事にバランスが正常になった。

まるでコンピューターと同じ。オーディオ・ショップにその旨連絡すると、ワディアだけではなく、いろんなメーカーのものがときどきそういう症状を起こすとのことだった。

とりあえず一件落着。それにしてもオーディオは肉体的にも精神的にもホントに疲れる~。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オーディオ談義~「欲の深い... | トップ | 読書コーナー~「ベストな結... »
最新の画像もっと見る

オーディオ談義」カテゴリの最新記事