前回からの続きです。
稀代のクラシック通である作家の「百田尚樹」さんの「人生を変えた10の名曲」~後編~に移ろう。前編で10位から7位まで紹介したので第6位から。
第6位「ピアノ協奏曲第2番」(ラフマニノフ)
有名な曲なのでご存知の方も多いと思う。まるでシンフォニー並みの気宇壮大なピアノ協奏曲で、百田さんによると映画「あいびき」の中に使われており、象徴的な存在として準主役級の位置づけだったそう。あいにく自分はあまり好きではない(笑)。
第5位「カバレリア・ルスティカーナ~間奏曲~」(マスカーニ)
ちょっとお涙頂戴的な旋律だが、いつ聴いても胸を揺さぶられる名曲。百田さんはベストセラー小説「永遠の0」のラストシーンを書くときにエンドレスでこの曲を聴きながら涙をポロポロ流したという。
作曲家マスカーニが残した唯一の曲目ともいえるが、たった1曲だけで後世に名前を残したことになる。凡庸な作品を数多く残すよりも、むしろ一発屋の方が芸術の世界では価値があることなんだろうかという気になる。
第4位「運命」(ベートーヴェン)
百田さんによるとこの曲を聴くたびに、生きる力へのエネルギーを人に与えるという面でつくづく「小説は音楽に勝てない」と思うとのこと。もう聞き飽きたという人もときどきは・・・。
演奏はフルトヴェングラー指揮ベルリンフィルハーモニー
第3位「ピアノ協奏曲第1番」(ショパン)
青春時代にこの曲を聴くと「何と甘ったるい、まるで砂糖菓子のような曲」と誰もが思うが、50歳を過ぎて聴くと、とても「切ない思い」がして返らぬ青春時代に郷愁を馳せるという百田さん。
そのとおりで、この番組で久しぶりにこの曲を聴いたがショパンを二流の音楽と簡単に決めつけるのは止した方がよさそうだ(笑)。
第2位「ゴールドベルク変奏曲」(バッハ)
演奏はもちろんグレン・グールドだ。かって百田さんが全身麻酔での手術を受けた時に、麻酔の導入時に持ち込みを許されて選んだのがこの曲で、「この曲を聴きながら意識が遠のくうちにこのまま死んでもいいか・・。」と思ったほどの曲。
番組ではグールドの実演付きだった。まあ、たしかにこれは永遠の名曲でしょうな。
第1位「四つの最後の歌」(リヒャルト・シュトラウス)
以前に読んだ百田さんの著作「至高の音楽」の中でオペラ「魔笛」(モーツァルト)を激賞されていたので、第1位は「魔笛」だと決めつけていたが、ふたを開けてみると何と「四つの最後の歌」だった。
実に意外だったが、この曲を選んだ百田さんのセンスに感心した。いや、「上から目線」で言うのではなくこの曲にはクラシック音楽を心から愛する人にだけ通じるものがあるという気になったので。
シュトラウスが死を目前にしたときに(84歳)、偶然、死について書かれた詩集を手にしてたいへんな感銘を受け作曲したソプラノ歌曲集である。
百田さんによると「ヨーロッパ音楽が最後に行き着いた至高の名曲」とのこと。たしかに自分もそう思う。聴き込めば聴き込むほど胸を打たれる名曲中の名曲である。
番組ではカラヤン指揮ベルリンフィルのもと、グンドゥラ・ヤノヴィッツが歌っていた。ヤノヴィッツは「魔笛」(クレンペラー指揮)の中で王女役を演じていたが柔らかい歌唱力が持ち味でとてもよかった。
さて、ここで読者の方々にボーナスチャンスを差し上げよう。
実はシュワルツコップの「4つの最後の歌」に大いに感銘を受けて、バーバラ・ボニーの歌もぜひ聴きたかったのでCD盤を2か月ほど前に手に入れたところ、到着してから同じCD盤を過去に手に入れたことが判明した。何とダブって購入してしまったことになる。もう2枚も要らないですよね(笑)。
そこで、どなたかに郵送料込みで片方を「ただ」で差し上げます。ただし条件があります。
おそらく10人中9人までがこの曲を聴いても何ら感興を覚えないと思います。せいぜいCDケースの片隅でツンドク状態になるのが関の山でしょう(笑)。
そういう無駄を避けるために、この曲を「既に大好きな方」でボニーの歌もぜひ聴いてみたいという方に限定します。どうか思いのたけを綴った熱意あるメールの中から選ばせてください。あて先はこのブログの自己紹介の欄にあります。募集期間は1週間以内に限定します。
CD盤のタイトルは「リヒャルト・シュトラウス歌曲集」、音質に定評ある「デッカ」からの発売で定価は3059円でした。
はたして、ご熱心な愛好家がいるかどうか興味津々です~(笑)。
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