「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

幻の銘球 「V503」 DA30系 

2016年12月29日 | オーディオ談義

つい先日、古典管の泰山北斗「北国の真空管博士」からご連絡があって、「オークションに珍しい球を出品してますのでお知らせします。」

                                 

オークションの解説文にはこうあった。 

「今や幻の銘球といってよい英Ediswan社(MAZDAブランド)のV503を出品いたします。 
 
DA30(PX25A)系の中ではスタイル音質ともに最も評価が高く入手の困難な球です。プレート特性がWE300Aに近似していてプレートのサイズもWE300Aとほぼ同じです。 
 
出品にあたりHICKOK533型チューブテスタにてWE300Bの設定を準用してチェックしました。
 
Gmテスト 
 廃棄値:3060 
 標準値:4600(この数値以上であれば新品同様)
 
 測定値:4800 
ショートテスト:合格 
ガステスト:合格 
ライフテスト:合格 
 
本品は中古と思われますが測定結果は極めて良好(新品同様)ですので末永くお使いいただけると思います。古いものゆえベースの緩みや製造時からと思われる電極の傾斜等ある場合があります。
 
ノークレームノーリターンを基本にお願いしますが、商品説明と現品との間に著しい乖離がある場合は返品をお受けします。」

以上のとおりだが、「V503」なんて初めて聞く型番で海外からの直接ルートを持つ博士ならではの珍品だろう。「DA30」系だそうだが、「DA30」は有名な直熱三極管「PX25」(イギリス)の親分筋にあたり真空管愛好家の中でも最上級者が使う球として知られている。

しかし、今どきこんな稀少な球の価値が分かる人、ひいては使う人がいるのかしらんと率直な疑問を持った。

最低価格が設定されないままの出品なので最悪の場合はひどい安値で落札されると実にお気の毒なことだがと心配したが、それは杞憂に終わった。

21日(木)の夜が落札日だったが最終落札価格は「187、100円」也。

たった1本のお値段だから驚く!どうやら博士の出品物にはその道の専門家によって予約登録がなされているに違いない。

さっそく博士に電話を入れた。

「18万7千円で落札されましたけど予想どおりでしたか?」

すると「ええ、まあ・・・。前回のときと似たような価格です。落札者は九州管内の方ですよ。ヨーロッパに長く在住されてイギリス本国からV503を5本持ち帰ったそうですが、4本は友人に差し上げたそうで残りが1本となり、今回の落札した1本でペアとして鳴らしてみたいそうです。現用中のアンプはウェスタンの86型だそうですよ。」

「ホウ~、凄い人がいるもんですね。V503ほどの高級管になると鳴らし方が難しいんでしょう。アンプの設計にも一工夫いるんじゃないですか?」

「まあ、それほどではありませんよ。PX25に比べると大したことはないです。」

「PX25ってそんなに鳴らし方が難しんですか?改造していただいた我が家のPX25はとてもいい音で鳴ってますよ。」

「そこなんですよ。改造するときに独自の裏技を回路の2か所に施しましたが、これをやっているのは全国でも〇〇さんのアンプだけですよ。」

「それはよかった。ありがたい限りです。」

         

このアンプの回路の中に独自の裏ワザが組み込まれている!(笑)
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