秋が深まるにつれ「人と物」の動きが活発になるが、「音楽&オーディオ」関連の動きも例外ではないと思う。
気候のせいで心身ともに快適になり(「音楽&オーディオ」への)熱中度がひとしお高くなるのではあるまいか。
少なくとも自分はそう(笑)。
で、去る1日(水)はかねて噂になっているスピーカーの試聴にいそいそと出かけた。行く先はクルマで1時間ほどのYAさん宅。
途中で、我が家のオーディオのご意見番「Y」さんを拾っての道中だった。
YAさんといえば自作のアンプで堂々としたJBLの3ウェイシステムを鳴らされている方。
チャンデバを使って、低音域は「300Bプッシュプル」、中高音域は「300Bシングル」と、いずれも自作のアンプを使用されている。
評判を聞きつけて多くのオーディオマニアが押し掛けるほどの人気システムであり、たしかに「この音なら・・」と納得させられてしまう。
ちなみに「YA」さんにはこの7月ごろにプリアンプを製作してもらっているが、飽きやすい自分には珍しいほどの「優れもの」で毎日愛用している。
箱の作りも精巧を極めており、手先が随分器用な方である。
で、今回の対象になるスピーカーはこれ。
1940年製のフィリップスのユニット(口径20cm:フルレンジ:蝶ダンパー)を平面バッフルで鳴らされている。
はじめにクラシックを聴かせていただいたが、ヴァイオリンの音色がすこぶる艶やかで振るいつきたくなるほどの「色気」にもう参った・・(笑)。
「バランスがとてもいいですねえ、平面バッフルでこういう音が出せるんなら、もう箱は要りませんね。それに、低音が見かけ以上によく出ていますが、後ろ側に出ている逆相の音がJBLの38cmをドロンコーンがわりにしているのかもしれませんね」と、思わず口を衝いて出た。
また、平面バッフルといっても台座の部分は随分工夫されている。
これらが全体的に相俟って極めて均斉のとれた音になっているのだろう。
そして口径20cmのユニットの持つ魅力に改めて感じ入った。音像定位に優れ、周波数帯域を徒に欲張らない賢さと上品さがある・・。
家庭で音楽を聴くのならこれで十分じゃないかな・・、「魚釣りはフナ釣りに始まってフナ釣りに終わる」という言葉がふと脳裡に浮かんだ。
駆動するアンプも良かった。
自作の「245シングル」で、我が家にも持ってきてもらって2回ほど試聴させてもらっているが、口径20cmのユニットとの相性が抜群だった。
大いに刺激を受けて、我が家でも平面バッフルを組んでみようかなあ、台座も同じにして・・、さしずめ「TRIAXIOM」なんかいいかもしれない。
お金も手間もそれほどかからないのがとても性に合っている(笑)。
以上は「人の動き」だったが、今度は「物の動き」。
YAさん宅を2時間ほどで辞去して、帰りに大分市内の「N」さん宅に立ち寄った。Nさんもこれまたベテランの「真空管アンプビルダー」さんである。
Yさんが発注された「2A3シングル」が9割ほどの完成状態なので「ちょっと聴かせてください」と無理を通してもらった。
いかにもYさんらしく、強いこだわりがあって「必要悪のコンデンサー」を一切使わないアンプだそう。
出力トランスは「ファインメット」だそう。
アルテックの「A5」で聴かせていただいたが見事なサウンドだった。
「あとは抵抗を入れ替えますので、それが済んで完成の暁にはぜひお宅のAXIOM80でテストさせてください。たちどころにアンプの性能を一刀両断しますからね」と、Yさん。
「ええ、その時にはぜひ我が家のアンプと一騎打ちといきましょう。」と、すかさず応じた。
「WE300Bシングル」、「6AR6シングル」(三極管接続)、「2A3シングル」(出力管は「VISSEAUX」刻印)
かなりの強敵だと思うよ~。
さあ、どのアンプに栄冠が輝くか、メチャ楽しみ~(笑)。
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