5年ほど前のブログで「プリアンプはもう要らない?」というタイトルで投稿したことがある。いまだに過去記事のランキングで常にベスト10に入るほどの人気記事だが、改めて読み返してみると全体的に「青臭さ」が漂っているのがちょっと不本意(笑)。
それはともかく、その中でプりアンプの機能として5点ほど例示し、要旨としては「今やデジタルの時代となりプリアンプの機能はパワーアンプのボリュームやアッテネーターなどによって代替できるのでもはや(プリアンプは)不要である」という論調である。
ちなみにその5点の機能をご参考までに再度挙げてみると、
1 種々の入力信号の切り換え
2 フォノ入力(レコードの場合)をラインレベルに増幅
3 ボリュ-ムの調整
4 高音や低音の調整
5 入力と出力のインピーダンスの調整
実を言うと、一番肝心な「微小信号の増幅機能」を掲載するのを忘れていた~(笑)。
去る7月4日(土)の同じ「AXIOM80」仲間たちとの集いで実際に試聴しながら「プリアンプの必要性」を確認したので、渋々ながら“むげ”に(プリアンプを)捨て去るわけにはいかないと思った次第。
すると、秋田県のSさんからメールが届いた。ちなみにSさんは現役として楽団の指揮者兼クラリネット奏者として活躍されている方である。
「皆様の試聴は実りある会で何よりでしたね。私もオ-トグラフにプリ無しで何度かトライしたりチェロのエチュ-ドなども試しましたが情報量より音楽性と立体感をとりました。
どうしても指揮者がおらないオケのように抑揚がなく一本調子になりがちです。音像のコントロールも平面的でないでしょうか?
パワ-(アンプ)は楽団でプリ(アンプ)は棒さばきのような気がします…♪
タンノイHPD385の低音にはアンプ含めひと財産とびましたが納得には至りませんでした。標準ボックス用でバックロ-ド向きではないのが私なりの結論です。バロック等々、弦中心の小さなアンサンブルにはベストでした。」
思わず「(比喩が)うまい!」と唸った。
指揮者がいなくても楽団さえあれば演奏は出来るものの、つい単調になりがちなのは目に見えている。以前、指揮者のいない楽団がいくつかあったがそのうち皆、自然消滅してしまった。
指図役のリーダーはどんな組織にも必要だが、オーディオ・システムにおいてその役割を果たすのは「プリアンプ」というわけである。
ただし、ここで簡単に引き下がるとあまり面白くない(笑)。パワーアンプのボリューム機能を当てにするのは不利だと悟ったものの、「アッテネーター」を使うとどうなんだろう?
実は我が家には有名なカンノの「トランス式アッテネーター」がある。
この原稿をupするに当たって念のため、昨日(10日)直し込んでいたこのアッテネーターを引っ張り出して、DAコンバーター(ワディア)からダイレクト端子で接続し、パワーアンプにはこれまた直し込んでいた「WE300B・シングル」(モノ×2台)を繋いで鳴らしてみたところ、元気で雄大な音が出てきたので驚いた!
アンプとの相性が良かったのだろうが、これは絶対手放せないと思った。これで選択肢がもう一つ増えてご満悦~(笑)。
そしてプリアンプがらみの話題でもう一つ。
プリアンプの回路の終段に「マッチングトランス」を入れることで音質の大幅改善を果した我が家の真空管式プリアンプ。
これに味を占め「柳の下の二匹目のどじょう」を狙って、去る8日(水)にオークションで再び「トランス」(UTC)を落札し、昨日(10日)の午後になって無事我が家に到着。
これまで押し入れ深く直し込んできて、処分寸前だった小型の「真空管式プリアンプ」にも、このトランスを付けてもらおうという算段である。生来の「勿体ない」派なので持っているモノはすべて息を吹き返させて活用したい~(笑)。
最上段に位置するのが該当する小型プリアンプだが、はたして結果やいかに~。