「とても陽気な音ですね。見かけ以上によく低音が出ていて驚きました。いかにもアメリカン・サウンドで細かいことを言わずにおおらかに楽しみましょうや、という感じでしょうか。」と、オーディオ仲間のYさん。
我が家の「にわか仕立て」の「JBL3ウェイシステム」を聴いてもらったときの第一声がこれだった。
「日頃からイギリス系の音ばかり聴いていると、たまにはこういう屈託のない音もいいでしょう。075(ステンレス削り出しホーン付き)で聴くシンバルは格別のものがありますよ」と自分。
ただし、Yさんは基本的に「金属のダイヤフラム+ホーン」(以下「ホーン」)の音がお嫌いのご様子で20分ほど聴くと、「早くAXIOM80の音を聴かせてください」と催促された(笑)。
ホーンがお嫌いな原因は「音の勢いがあるのはいいとしても、弦楽器などの微妙な”ざわざわとさざめくような音”の再生に不向き、言い換えると音が消えていくときの微かな余韻に乏しい」とはっきり仰る。
これはジャズにはいいけれどクラシックには明らかに弱点となるが、何も音楽は弦楽器ばかりではないし、管楽器の出番も多いのだから若干割り切る必要がありそうだ。
「AXIOM80を聴く前にちょっとこれを聴いてみてくれませんか」と、中音域(700ヘルツ~8000ヘルツ)を担当する「175ドライバー」を外してナショナルのコーン型スコーカーに入れ代えて聴いていただいたところ、「こちらの方が弦楽器の響きがきれいですね」。
JBLの3ウェイといっても、スコーカーを代えるだけで簡単に「クラシック向き」と「ジャズ向き」の二刀流が使えるので選択肢が広がるのはとてもありがたい。
というわけで、SPコードの簡単な差し換え作業が当面の課題となった。
ウェストミンスター(改)に使っている3台のアンプとSPユニットの差換え用と今回のスコーカーの差換え用として「SPターミナル」と「バナナプラグ」をネットで思い切って20個づつ購入した。
右側のバナナプラグにSPケーブルの「半田付け」をするのが計16個と一苦労だったが、どうにか無事終了。何しろお金と違って時間だけはたっぷりあるんだから~(笑)。
これで差し換えが非常に便利になり苦にならなくなったのはありがたいにしても、まさに「好事魔多し」でとんでもないミスを犯してしまった。
作業を終えて音出しをしたときに左側のスコーカーから音が出てこない!
おかしいなあと、まずはバナナプラグの半田付けのミスを疑ったが異常なし。次にアンプの真空管の故障を調べたがこれもどうやら異常なし。
そこでSPユニットの差込をよく確認すると,何と似たようなプラグとターミナル、そしてケーブルだもんだからスコーカーとツィーターの結線を間違えてしまっていた。
つまり、8000ヘルツ以上を担当する「075ツィーター」に「700ヘルツ以上」を担当するスコーカーの役目をさせたことになる。
仕様では「075ツィーターの守備範囲は3000ヘルツ以上~」になっているので、それを700ヘルツまで落とすなんて無茶苦茶で、よくもまあ075のボイスコイルが焼け切れなかったものだと、思わず背筋がゾッとした!
駆動するアンプの方が小出力の「71系」アンプだったから「九死に一生!」を得たのだろう。
それにしても改めてJBLのユニットの丈夫さに思いが至った。
この調子なら「175ドライバー」も公称「1000ヘルツ~」になっているが、「700ヘルツ~」から受け持たせても大丈夫かもしれないと変な自信を持ったのは「怪我の功名」かな(笑)。
さっそく実際に試してみたがまったく違和感なしで、今回の騒動については「転んでもただでは起きなかった」ことになりますかなあ(苦笑)。
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